2016年11月7日月曜日

エアガンの紹介 - KSC HK53

はじめに


サバゲーで電動ガンが有利だとなると、東京マルイ以外のメーカーも当然電動ガンを発売したくなるわけですが、東京マルイの電動ガンの構造は当然ながら特許で保護されていたので(現在は一部切れています)、国内メーカーはそれを回避する必要がありました。
そんな中KSCから発売されたのが、モータードライブエアーコッキングガン HK33シリーズです。

1. HK33


HK33は、H&KがG3ライフルをダウンサイジングして設計したアサルトライフルで、ローラー遅延式ディレードブローバックを採用して、G3ライフルとほとんど同じ構造をしています。命中精度が非常に高いのですが、高価な上にM16ライフルのガス圧作動式に比べて実包の装薬量の違いに敏感なので、あまり人気の出なかった銃です。

KSCのHK33はこれをモデルアップしており、亜鉛ダイキャスト製のレシーバーとグラスファイバー入りの樹脂パーツのおかげで、かなりリアルな作りになっています。

KSCのHK33はモータードライブエアーコッキングガンと呼ばれていて、普通の電動ガンと異なり、シア式になっています。トリガーはあくまでもピストンの解放にだけ使われ、ピストンのコッキングとは連動していません。ピストンの後退状態からの作動になるので、ロックタイムが極端に短いのが特徴です。
また、手動コッキングが可能なので、バッテリーが無くてもエアーコッキングガンとして使用することができます。

一方で、現在のような電子制御が生まれる前の製品のため、ピストンの制御をアナログスイッチで行っており、精密な制御ができません。そのため、マニュアルにない無理な使い方をすると壊れやすい、という欠点があります。
この銃にはトリガー前方に電源スイッチがあるのですが、このスイッチをONにする前に必ずコッキングレバーを使用してピストンをコッキングした状態にしておくことが要求されています。コッキングしないでONにしてしまうと、ギアのタイミングがずれてしまい、ギアやピストンを破損することがあります。
これがこのエアガンの評価を下げた一因なのは間違いありません。

また、シア式ではあるのですが、ピストンを後退させながらシアを解放するので、トリガーがかなり重めです。元々実銃も軍用銃として設計されたものなのでトリガーは重めですが、普通の電動ガンに慣れた人には辛いかもしれません。

内部メカはマルイの特許を回避するために独自の構造になっていて、やや複雑です。しかし、このエアガンのメカボックスは、ピストン部とギア部の2つに分割することができるので、ピストン部だけであれば分解組み立てはそれほど難しくはありません。

箱出し状態だとやや初速が低いのですが、ピストン部を分解してOリングを市販のものに変更するだけで、マルイ製品に匹敵する初速を得ることができます。サバゲーで使うのであればこの調整を行っておくとよいでしょう。
具体的には、部品No.109を内径7.0mm/外形11.0mmの平パッキンに、部品No.120を内径7.8mm/外形12.0mmのOリングに、それぞれ交換します。これらはホームセンターに売っているごく一般的なものです。

2. バリエーション


H&Kはロングガンをストックやバレル長でバリエーション化しており、HK33もその例に漏れずバリエーションモデルが存在します。KSCはそのうちのいくつかをモデルアップしています。

最も最初に発売されたのが、フルサイズバレルに伸縮ストックを装備したHK33A3です。バッテリーはレシーバーに格納するようになっています。


その後、同じフルサイズバレルに固定ストックを装備したHK33A2と、カービンバレルに伸縮ストックを装備したHK33Kが発売されています。


また、HK33シリーズにはバレルを極端に短くしたサブマシンガンモデルがあります。イギリスのSASでも採用されたこのモデルがHK53で、KSCは伸縮ストックのHK53(HK53A3に相当します)と、固定ストックのHK53 SFPDをモデルアップしています。

 

2016年11月2日水曜日

ファイアリングモード(バースト)

つづきから


フルオートマチックモードは強力ですが、いくつか欠点があります。
ひとつは、射撃速度が高すぎて、弾を使いすぎるという問題です。サバゲーのBB弾と違って、実銃の場合は1つのマガジンに高々30発程度しか入りませんから、フルオートマチックでは2~3秒もあれば撃ち尽くしてしまいます。

また、フルオートマチックモードの場合、連続して発射するので、反動が激しくなる傾向があります。銃のグリップは重心からずれていますから、反動を受けると銃が跳ね上がってしまい、狙いが外れることが多くなります。

これらの欠点を解決するための方法として、バーストモードがあります。

3. バーストモード


バーストモードは、フルオートマチックモードの射撃を数発で強制的に中断する仕組みです。3点バーストは3発、2点バーストは2発で、自動的に連射が停止します。

バーストモードの基本的な動作はフルオートマチックモードとほぼ同じですが、シアーやその周辺のパーツが発射弾数をカウントできるような仕組みになっています(銃によって異なります)。3点バーストなら3発、2点バーストなら2発発射後に、セミオートマチックモード同様にディスコネクターが作動して、トリガーとシアーとのリンクを絶つことで、作動を停止させる仕組みです。

バーストモードが付いている銃はどうしてもパーツ点数が多くなる傾向があります。以前は射撃に慣れていない新兵が弾丸を多く消費することへの対策としてしばしばバーストモードが採用されましたが、メンテナンス性が低下したり、いざという時の火力に劣ったりすることが忌避され、あまり使われなくなっています。

アサルトライフルでは、かつてM16A2ライフルがフルオートマチックモードの代わりに3点バーストモードを採用していましたが、現在のM16A4ライフルやM4A1カービンはフルオートマチックモードに変更されています。
M16A2ライフルのバーストモードはフルオートマチック仕様のM16A1ライフルに比べて部品点数がほとんど増えておらず、非常にシンプルな構造でした。しかしその一方で、バースト射撃を途中で中断した時にカウンタがリセットされないため、最初の1回はバースト射撃される弾数が不安定になるという弱点を持っていたため、余計に火力に欠ける側面があったことは否めません。

一方、ロシアのAN94ライフル、通称アバカンは、興味深い目的のために2点バーストモードを応用しています。このライフルは、きわめて特殊な構造になっていて、フルオートマチックモードの最初の2発だけが、通常よりも高速に連射されるように設計されています。これによって、フルオートマチック射撃で銃が跳ね上がる前に2発撃ち出すことを可能にして、制圧力を上げています。
ただし、やはり構造が非常に複雑で、AK47シリーズの最大の特徴であったシンプルでルーズな構造は失われています。

また、日本の自衛隊が採用している89式小銃にも3点バーストモードが装備されています。M16ライフルのものとは異なり、バースト射撃中断時にカウンタがリセットされるため、半端な射撃はできなくなっています。日本の自動小銃として防衛戦闘を主目的として設計されている89式は、マシンガンに近い連射モードを重要視した設計になっているため、バーストモードを標準装備したのだと思われます。

トイガンでは、KSCのM93Rシリーズが3点バーストモードを装備しています(M93R-C、オート9はオプションです)。また、タニオコバのVP70に別売りのストックを取り付けると、3点バーストが使用可能になります。
ロングガンでは、VFCのUMPやG36シリーズに2点バーストモードの付いたモデルがあります。さらに、一部のガスブローバックのM16A2ライフルは、実銃同様のギアラック式3点バーストを採用しています。構造が実銃と同じなので、発射弾数が不安定になる点も完全に再現されています。

2016年11月1日火曜日

ファイアリングモード(フルオート)

つづきから


ハンドガンの場合はセミオートマチックモードがあれば十分ですが、ロングガン、特に軍用銃の場合は、相手の動きを抑制するために、フルオートマチックモードが付いていることがほとんどです。

2. フルオートマチックモード


1回のトリガー操作で1発発射されるセミオートマチックモードに対して、トリガーを引いている間作動が継続するのがフルオートマチックモードです。

前回、「ディスコネクターの調子が悪くなると、トリガーを引いている間スライドが動作し続けてしまう」と書きました。一見するとこれがフルオートマチックモードのように思えますが、この動作の場合、スライドやボルトキャリアが前進するのに合わせてハンマーが落ちていくので、ハンマーの打撃力が完全には伝わりません。そのため、不発が起きたり、発射サイクルにばらつきが発生したりします。

正式なフルオートマチックモードを持つ銃では、このような現象に対処するため、「フルオートシアー」という部品を持っています。フルオートシアーはスライドやボルトキャリアが閉鎖した時に自動的にトリップするシアーで、フルオートマチックモードでスライドが閉鎖するまで、ハンマーを保持する機能を持ちます。ディスコネクターが作動しない状態でも、閉鎖するまではフルオートシアーがハンマーを抑えているので、先に挙げたようなスライドの動作に合わせてハンマーが徐々に落ちる現象が起きなくなります。

先日紹介したKSC Beretta M93R IIはフルオートシアーを持つため、フルオートシアーの無い無印モデルに比べて、連射モード時の安定性に格段の差があります。ガスブローバックガンの場合、ハンマーの打撃力がきちんとバルブノッカーを通してマガジンの放出バルブに伝わっていないと、ガスの放出量が不安定になって作動も不安定になりやすいので、フルオートシアーの有無が作動性に大きくかかわってきます。


ちなみに、フルオートマチックモードの付いている銃は大抵の国で軍や法執行機関以外での所持が制限されています。そのため、元々フルオートマチックモードの付いていた軍用銃を民間仕様にする場合、フルオート化改造が簡単にできないようにすることを目的として、フルオートシアーが取り付けられないような構造変更が行われていることがあります。

例えば、アメリカでは民間向けにAR-15ライフルが数多く発売されていますが、ロアーレシーバーのフルオートシアーが入る部分が狭くなっていて、無加工ではフルオートシアーが入らないようになっています。さらに、MP5の民間仕様に至ってはグリップフレームの互換性自体が無くなっています。

民間カスタムライフルをエアガンで再現する場合は、このあたりにも気を使うと、さらにリアリティを高めることができますが、どうしてもサバゲー等ではフルオートマチックモードがあると強力であることから、セミオートマチック仕様のレシーバーはあまり出ていないので、なかなか難しいのが現状です。

2016年10月31日月曜日

ファイアリングモード(セミオート)

はじめに


前回ガスブローバックのM93Rを紹介しましたが、この銃にはセミオート、フルオート、3点バーストの3種類のファイアリングモードがあります。このような銃を、セレクティブファイアと呼びます。

電動ガンの場合は電子制御か機械制御で通電回数をカウントしてモーターを動作させるわけですが、ガスブローバックガンの場合は実銃と同じように、部品の組み合わせでハンマーの動作を制御しています。

今回はこの仕組みについて、説明しましょう。
なお、ここで説明するのはクローズドボルト式の銃についてです。オープンボルト式については、またの機会にとさせてください。

1. セミオートマチックモード


セミオートマチックモードは、「トリガーを1回引いたら1回発射される」仕組みです。
実銃の場合はチャンバーにカートリッジが入っている状態から、トリガーを引いて発射後、次のカートリッジがチャンバーに入って動作が終了します。ガスブローバックガンの場合はカートリッジがありませんがおおむね同じで、発砲後次のBB弾が自動的にチャンバーに入って、動作が終了します。

トリガーを引くとシアーが外れてハンマーが落ちるわけですが、スライドやボルトの動作は非常に速いので、発射後ハンマーがコックされた時も、トリガーは普通引かれたままのはずです。トリガーはシアーと連動していますから、トリガーを引いたままではシアーがハンマーにかからず、コックされたハンマーがそのまま落ちて、連射になってしまうのではないか、と思うかもしれません。

しかし、実際はそうなりません。
トリガーを引いて一発弾丸を発射すると、ディスコネクターという部品が作動して、トリガーとシアーの連動が絶たれ、シアーから見るとトリガーが引かれていない状態と同じ扱いになります。これで、シアーがハンマーにかかるようになります。
作動したディスコネクターは、トリガーを戻すとリセットされますから、「トリガーを1回引いたら1回発射される」という仕組みが実現できます。

これがセミオートマチックモードの仕組みです。
電動ガンの場合は、前に書いたように全然違う方式で作動を止めているのですが、ガスブローバックガンはほぼこの方式で実現されています。

なので、ディスコネクターの調子が悪くなると、トリガーを引いている間スライドが動作し続けてしまうような現象が起こります。これはフルオートでもなく、単なる暴発です。細かいことは、次回、フルオートマチックモードの回で説明することとしましょう。

2016年10月28日金曜日

エアガンの紹介 - KSC Beretta M93R II(SYSTEM7)

はじめに


Beretta Mod93R、通常M93Rは、マシンピストルとしてとても有名なモデルです。トイガンにおいても、かつてMGC初のガスガンとして発売され、大ヒットしました。
MGC全盛期に協力企業として活躍していたKSCは、MGC廃業後にガスブローバックガンとしてM93Rを発売し、その後改良されながら現在でも再生されるたびに売り切れてしまう人気のモデルとなっています。

1. M93R


SPが要人を護衛する際、サブマシンガンやアサルトライフルでは物々しすぎて威圧感を与えてしまうため、Mod92をベースに3点バースト機構を取り付けて開発された大型マシンピストルがBeretta Mod93Rです。構造もそっくりで、ロッキング方式はMod92譲りのプロップアップ式になっていますが、セフティはコック&ロックセフティが採用されています。

最大の特徴は、やはりその3点バーストです。ピストルのバレルから撃ち出される9x19mm弾でも、バースト射撃ができればサブマシンガン並の制圧力を持ちます。Mod93Rはトリガーガードの前に折り畳み式のフォアグリップがあり、ストックも取り付けられるので、カービンとしての運用も可能です。

KSCのM93Rは、バースト機構もきちんと再現されています。最初に発売されていたKSC M93Rでは、オートマチックシアーが省略されていたので、ディスコネクターをキャンセルしただけの暴発に近いバースト射撃でしたが、M93R IIではオートマチックシアーが装備されているので、スライドが閉鎖してからハンマーが落ちるように改良されています。

KSCのM93R IIはスライドストロークが実銃よりもやや短く、作動スピード寄りの調整がされています。
M93R IIには無印とSYSTEM7の2種類があり、無印モデルは機械式のブローバックエンジンで、SYSTEM7はコバアクセル方式の負圧式ブローバックエンジンなのですが、特に後者は作動が異様に高速で、強烈な破裂音と共に一瞬で作動が終わるため、バースト射撃時の安定性が抜群です。

また、M93R IIには、実銃とは異なりフルオートポジションがあります。セレクターをセミオートとバーストの間にセットすると、フルオートモードに切り替わります。無印M93Rの頃からある機能ですが、無印M93Rには∞マークがあったものが、M93R IIでは実銃通り無刻印になっています。

マガジンはロングマガジンが標準装備です。M92FシリーズのSYSTEM7モデルと互換性があるので、そちらのマガジンを使用するとよりコンパクトにすることができます。

2. バリエーション


元々実銃も1モデルしか存在しないものなので、M93R IIにはあまりバリエーションはありません。

まず、最初に発売されたものが、ABSモデルです。ABS樹脂製でスライドが軽量なため、SYSTEM7のトルクと相まって、猛烈な作動スピードを誇ります。ただし、スライドがあまりにも高速に動作するため、やや耐久性に劣るのが欠点です。
なお、最近は後述するHWモデルが中心で、こちらはあまり生産していないようです。

金属粉入りのヘビーウェイト樹脂で構成されたHWモデルもあります。実銃はスライドもフレームもスチールなのですが、HWモデルはどちらもヘビーウェイト樹脂で作られています。KSCのヘビーウェイト樹脂はかなり重く、ABSモデルよりは作動スピードは遅いものの、十分快調な動作をします。


ヘビーウェイト樹脂は脆いのが欠点ですが、他社に比べてKSCのそれは比較的頑丈な部類に入ります。とはいえ元々繊細なモデルではあるので、夏場等は破損に気を付けてください。

KSCは頻繁にマイナーチェンジを行うメーカーで、最新のロットではチャンバーが改良されています。そのため、命中精度はマルイにも劣りません。
一方、マガジンの生産数が毎回少ないので、サバゲーやシューティングに使いたい人は多めに買っておくことをおすすめします。特にM93R IIはバーストやフルオート射撃が楽しいモデルなので、マガジンを多く買っても損はないと思います。

2016年10月26日水曜日

M4カービンのカスタム - マガジンキャッチ編

はじめに


M4カービンのカスタムについて、ちょっと忘れていたことがありました。

マガジンを固定するためにマガジンキャッチというパーツがあるのですが、このパーツについても各社サイズが違っています。
これもまとめておこうと思います。

1. マルイ電動規格



東京マルイのスタンダード電動ガン M4カービンで使用されているもので、そのクローンのAR-15ライフルも全てこの寸法です。

実銃用とはサイズが違っており、取り付け方法もほとんどがネジ止めになっていますが、VFCなど一部のメーカーは実銃と同じ取り付け方法になっています。
電動ガンのレシーバーは、SYSTEMA PTWなどごく一部のモデルを除いてほとんどが実銃やガスブローバックガンよりも幅広になっているために、マガジンキャッチも特殊なサイズになっています。

2. 次世代M4規格


同じ東京マルイの電動ガンでも、次世代電動ガンはマガジンキャッチの形状が少し違っています。そのため、スタンダード電動ガン用のマガジンキャッチを使用することはできません。

高性能ながらあまりカスタムパーツが出ていないのが次世代電動ガンの欠点なので、基本的には純正パーツを使用することになります。ただ、スタンダード電動ガン用でも、多少加工すれば取り付けられるものもあるようです。

3. WA ガスブローバックM4規格



WAのガスブローバックM4のマガジンキャッチは、実銃用よりもサイズが少し大きく、専用のものを必要とします。取り付け方法は実銃と同じです。

4. 実銃規格


実銃のマガジンキャッチがそのまま使えるタイプです。SYSTEMA PTWと、WA用のリアルサイズレシーバーがこれに対応します。当然、取り付け方法も実銃と同じです。

ただ、取り付けられるだけではうまく作動しないことがあります。特にガスブローバックガンに関しては、BB弾だけではなくガスもマガジンから供給する必要があるので、マガジンのガス放出口のパッキンが、ノズルのガスルートにきつくもなくゆるくもなく、適切に密着している必要があります。うまく動かない場合は、マガジンキャッチやマガジンのパッキン、マガジンを削って調整する必要があります。

まとめ


これらの他、各社のガスブローバックM4もそれぞれ専用のマガジンキャッチを必要とします。ものによっては使えるものもあるかもしれませんが、給弾不良や作動不良の原因にもなるため、きちんと動作するように設定するには根気が必要です。

マガジンの固定は地味ながらエアガンをきちんと動作させるのにとても重要なことで、マガジンキャッチの精度もそれに効いてきます。特に、SYSTEMA PTWやガスブローバックM4はマガジンの位置にシビアなので、最初のうちは純正を使って、慣れてきてから交換した方が、トラブルを避ける意味でもおすすめです。

2016年10月25日火曜日

電動ガンのマガジン

はじめに


実銃の場合は単発式ライフルというものもありますが、エアガンの場合は大抵の場合マガジンがあります。

ガスブローバックガンの場合は、サイズの差こそあれどどれもほとんど同じ構造なのですが、電動ガンの場合はその構造によっていくつか種類があります。

1. ノーマルマガジン



BB弾にスプリングでテンションをかけて押し出すタイプです。装弾数としては30発~120発あたりが相場です。

スプリングテンションを使うため、常にBB弾がチャンバー側に押し出される形になっているので、BB弾が中で遊びにくくなっています。そのため、ジャラジャラという音はしませんし、弾同士が当たって傷つくこともあまりありません。
ただ、スプリングテンションをそこまで強くできないので、マガジンによってはBB弾を選ぶ傾向があります。前にマルイとG&GのBB弾をおすすめしたのは、大抵のノーマルマガジンで問題なく使えるためです。

次世代M4や次世代SCAR、SYSTEMA PTW等のノーマルマガジンには、作動ストップギミックが入っているので、対応する銃本体と合わせると、弾切れになった時に作動が停止します。後述する多弾マガジンではできないので、このギミックを活用したいのであればノーマルマガジン一択になります。

また、一部のマガジンは装弾数を実銃と同じ数に制限する機能が付いています。上記の作動ストップギミックと合わせて、マガジンチェンジの醍醐味が味わえます。まあ、ひとりだけこの機能を使うとサバゲーでは不利ですが……そこはロマンというところでしょうか。

2. ゼンマイ式多弾マガジン



ゼンマイが戻る力でBB弾を押し出すタイプです。装弾数としては300~500発あたりが相場でしょうか。

このタイプはゼンマイで無理やり押し出すので、ある程度BB弾のばらつきによる給弾不良を抑えることができます。ゼンマイの力なので限度はありますが、あまり品質の良くない弾でも使用できることがあります。

一方、ゼンマイで押し出すルートに入る前の弾はマガジン内で遊んでいるので、弾が減ってくるとジャラジャラ音がしてしまいます。強く振ったりすると弾同士が当たってしまって傷がつくこともあるので、精密射撃にはあまり向いていません。
また、作動ストップギミックは通常オミットされていて、対応する銃であっても使用することはできません。

あと地味ながら面倒なのが、ゼンマイの巻き上げでしょう。大抵はマガジンボトムにギア状のダイアルが出ているので、そこを指で回しますが、結構疲れます。最近はマガジン横に六角レンチを入れて巻けるようになっていたり、マガジン底からワイヤーが出ていて、それを引っ張ることで巻けるものもあります。

多弾マガジンの最大の利点は、これ一本だけ持っていっても十分にサバゲーの1ゲームを遊びきれるところです。特に装備があまり整っていない初心者の方の場合、ノーマルマガジンを持ち運ぶ方法がありませんから、これはかなりの利点だと思います。
個人的には、初めてサバゲー用に電動ガンを買った時、一緒に1本ゼンマイ式多弾マガジンを買うことをおすすめします。

3. 電動式多弾マガジン



ゼンマイ式多弾マガジンのゼンマイをモーターで巻きあげるようにしたものです。通常は機関銃タイプの電動ガンに使用します。

このタイプはとにかく装弾数が多く、1000発を超えるものもあります。その分巨大で、構造もやや複雑になる傾向があります。

独立したスイッチが付いていて、押している間ゼンマイを巻いてくれるものがほとんどですが、一部の専用品には音感センサーで発射を検知したり、トリガーと連動させたりして、自動的に巻き上げる機能が付いているものもあります。

機関銃タイプの電動ガンには最初から付いていることが多いので、それらを使う場合にはこのマガジンのお世話になることが多いでしょう。ライフル用の電動式多弾マガジンもありますが、相当な勢いでばらまかない限りは、これほどの数を撃ち切ることはあまりありません。

ちなみに、たまにゼンマイの入っていない欠陥品があります。ゼンマイが無いとモーター停止で給弾が止まってしまい非常に使いづらいので、注意してください。

まとめ


上でも書きましたが、最初のうちはゼンマイ式の多弾マガジンをひとつ買っておくと便利です。ノーマルマガジンより少し高いくらいで購入できます。ノーマルマガジンのマガジンチェンジはすごく楽しいのですが、いかんせん4本も5本も持ち歩くには、マガジンポーチの付いたリグやプレートキャリアが必要で、マガジンと合わせると値も張るので、最初はなかなか大変です。

電動ガンを買うと大抵はノーマルマガジンが1本付いてきますから、それを撃ち切ったら多弾マガジンにチェンジする(多弾マガジンはポケットにでも入れておく)というような使い方でも十分楽しめると思います。