2016年9月28日水曜日

光学照準器の保護

はじめに


スコープやドットサイト等を使って実際の戦闘をする場合と、サバゲーをする場合とで、ひとつ大きく違う点があります。当たり前のことですが、サバゲーでは当たっても死なない、という点です(きちんと目を保護して、法律を守った銃を使った上でのことですが)。
例えば、スコープを構えた状態で、スコープの対物レンズに弾が直撃したとしましょう。これが実弾だった場合、恐らく弾丸はそのまま頭に飛び込んで、撃たれた人は死んでしまうでしょう。
一方、エアガンの場合はそのような状況に陥っても命に影響はありません。しかし、BB弾とはいえ弾が対物レンズに直撃してしまうと、よくて傷、悪ければレンズが割れてしまいます。つまり、実銃の場合とは違って(実弾だったらどうせ死んでしまうので、スコープひとつ守ったところでなんの意味もありません)、サバゲーではスコープをどう保護するか、ということを考える必要があります。


1. ポリカーボネート板による保護


一番オーソドックスな方法がこれです。最低1mm、できれば2mmくらいのポリカーボネート板を対物レンズの前に配置して、BB弾の直撃からレンズを守ります。

ドットサイトの場合は、エアガンのカスタムパーツメーカーから専用部品が出ていることがあります。それをはめ込むだけなので、取り付けは非常に簡単です。



一方、スコープで専用部品が出ていることはまれなので、ポリカーボネート板を自分で切り出すか、あらかじめ対物レンズのサイズに合わせて丸く切り出された板を購入することになります。専用品ではないので固定方法を考える必要がありますが、一番簡単な方法は、フリップアップ式の対物レンズキャップを使用して、スコープとキャップの間に挟み込むことです。
ACOGのような特殊な形状で対物レンズキャップが使えない場合は、圧入するなどの面倒な手順を使わなければならないのが難点です。


2. キルフラッシュによる保護


モデルによっては、キルフラッシュという専用部品が存在することがあります。これは比較的頑丈なメッシュでできたカバーで、対物レンズに反射する光を抑え、標的に気づかれにくくするためのものです。




対物レンズをすっぽり覆うので、BB弾の直撃からレンズを守ることができます。ポリカーボネート板よりはやや弱いこと、対物レンズ前にメッシュを配置するので像が暗くなってしまうことが難点ですが、大抵は専用部品なので取り付けが簡単なのがメリットです。メーカーによっては、光学機器を買った時に標準で付属していることもあります。
ACOGには専用のキルフラッシュが存在するので、それを使うとよいでしょう。


まとめ


光学照準器の対物レンズは結構頑丈なので、半端な距離からの直撃ならあまり割れたりはしないのですが、それでも気分的にいいものではないので、保護することをおすすめします。

個人的なおすすめはポリカーボネート板です。特にスコープの場合は、フリップアップキャップにはめ込むだけで十分な強度を保ってくれますし、傷が入った場合は作り直せばいいのでコストも非常に安く済みます。

特殊な形状のスコープや、ドットサイトの場合は、専用部品を購入しなければなりませんが、せっかくの光学照準器を壊さないように、サバゲーに投入する際にはなるべく保護しておいた方がいいでしょう。

2016年9月27日火曜日

スコープのゼロイン

はじめに


パララックスの話をしてしまったので、ゼロインの話もしておきましょう。というより、本来はこちらが先でした。すみません。

1. ゼロインとは


いくらスコープがあるとはいえ、ただ覗いて撃つだけで狙ったところに飛んでいくほど甘くはありません。当然ながら、弾道とスコープのレティクルが一致するように調整する必要があります。これをゼロインと呼びます。
もちろん、ドットサイトやホロサイトの場合も同じです。

2. ゼロインの方法


ゼロインの方法について、順を追って説明しましょう。

(1) 銃を固定する


まず、銃をきちんと固定しましょう。立ったまま銃を構えて撃っても、撃つたびに動いてしまうため、正確なゼロインを行うことはできません。
欲を言えばライフルレストやサドルと三脚を使用してしっかり固定することがよいのですが、なければバイポッドや、それも無ければバックパック等に載せて、動かないようにしておきましょう。
できればこの時点で銃の水平が取れているとベストです。

(2) スコープを固定する


銃がしっかり固定されていても、その上に載っているスコープがグラグラでは元も子もありません。こちらもしっかりと銃に取り付けておきましょう。
実はここで問題になるのがスコープマウントの精度です。良いスコープを使っていても、スコープマウントが安物のレプリカでは、きちんと狙うことはできません。できれば実銃対応のスコープマウントを使うことをおすすめします。

(3) 標的までの距離を設定する


ゼロインはある特定の距離に対して行うものなので、狙って当てたい距離に標的を配置します。一斗缶や段ボール箱などでいいでしょう。
サバゲーの場合は40~50m、標的射撃の場合はその距離に合わせて配置してください。
なおこの時、銃と標的の高さが同じになるようにしてください。高さに差があると、銃を傾けて撃たなければならなくなるため、正確なゼロインはできなくなります。

(4) ホップを調整する


標的にきちんと届くようにホップを調整します。撃ちながらやってもかまいません。

(5) 左右を調整する


射撃を行い、弾がレティクルのどちら側に飛んで行ったかを確認します。
もし弾道がレティクルの中心より左側にあった場合、レティクルのウィンデージノブを"R"方向に回します。右側にあった場合は"L"です。「ウィンデージノブを回すと、弾道が動く」と覚えれば直観的です。
この段階では上下の調整はしていないので、左右だけを気にしてください。
なお、射撃を行う場合は、銃が完全に水平になっていることに注意してください。特に、左右の傾きは厳禁です。ホップの影響で、弾が斜めに飛んで行ってしまいます。

(6) 上下を調整する


今度は上下を調整します。弾道がレティクルの中心より上側にあった場合は、レティクルのエレベーションノブを"DOWN"側に、下側にあった場合は"UP"側に回します。

(7) 違う距離で撃ってみる


サバゲーの場合は異なる距離での射撃もありうるので、少し標的を近づけて撃ってみるといいでしょう。この時、あまりにも着弾点がずれるようなら、正常にゼロインができていないか、ホップ弾道が山なりになりすぎています。ゼロインがずれている場合はともかく、ホップ弾道に関しては慣れるしかありません。

まとめ


実のところ、狙ったところにそれなりに当てられれば、エアガンに関してはゼロインは適当でも大丈夫です。というのは、エアガンの精度はそれほど高くなく、「BB弾が0.005g軽かった」「チャンバーに少し油が付いていた」「銃が傾いていた」「たまたまちょっと風が吹いた」といった、ほんの些細な現象で、30m先の着弾点が大幅に変わってしまうためです。私もいつも適当です。
とはいえ、全く調整しないままではなんの意味もありませんし、やり方がわからないままでは調整のしようもないので、基本のやり方をご紹介しておきました。せっかくのスコープですし、きちんと調整して、バシバシ当てられるようにしてみてはどうでしょうか。



2016年9月26日月曜日

スコープのパララックス

はじめに


「アイボックスの広いスコープは適当に覗いても標的が見える」という話をすでにしたかと思います。しかし、スコープは見えればいいというものではなく、レティクルで狙ったところに弾丸を送り込むことができなければ意味がありません。この時に重要になるのが、パララックス(視差)という概念です。

1. パララックスとは


スコープのレティクルは当然上下左右に調整ができるのですが、場合によっては覗き込む位置によって、レティクルの位置が変化してしまうことがあります。これをパララックスと呼びます。

例えば、30m先の標的にレティクルをきちんと合わせたとします。この状態でとっさに構えて、たまたま目がスコープをまっすぐ覗きこまずに、少しずれてしまった時、もしこのスコープがパララックスの影響を受けていると、レティクルに標的をぴたりと合わせたとしても、標的には当たりません。なぜなら、覗き込む位置がずれたことで、レティクルが指す場所がずれてしまっているからです。
これでは、いくらアイボックスの広いスコープを使っていても、狙ったところに当たらなくなってしまいます。

パララックスは標的までの距離に依存しています。100mでパララックスが無くなる(パララックスフリーと呼びます)ように設定されているスコープで、50m先の標的を狙うと、パララックスが発生します。この影響をなくすためには、パララックスを調整する必要があります。

2. パララックスの調整


スコープによっては、パララックスの調整ができるものとできないものがあります。パララックスの調整ができないスコープでは、あらかじめ設計された距離以外ではパララックスの影響をなくすことはできません。
一方、現在主流のスコープは大抵パララックスの調整が可能です。通常はフォーカスの調整と一体となっていて、レティクルと標的のピントがきちんと合っていれば、パララックスの影響を受けない状態であるといえます。

ただ、パララックスの調整範囲には上限があります。スマホのカメラで手元の小さいものを撮影する時、何度やってもオートフォーカスでピントが合わない、という現象を見たことがあるかと思いますが、それと同じで、ある程度近いとフォーカス調整機構ではピントを合わせきれなくなるのです。

これはエアガンにとっては大きな問題です。というのは、エアガンは実銃に比べてはるかに射程が短いので、パララックスの影響を受けない距離をより短くしなければならず、つまり通常よりも近距離の標的にピントを合わせなければいけない、ということになるからです。
この最低距離は、きちんとしたメーカーでは仕様として公開しています。完全に影響を取り切れないとしても、できるかぎりパララックスフリーの距離が短いものを選んだ方がよいでしょう。

2016年9月25日日曜日

スコープの明るさと解像度

はじめに


スコープはドットサイトに比べて価格差が激しく、1万円程度の安価なものから、100万円もする超高級なものまであります。一見して差はなさそうに感じますが、一体何が違うのでしょうか。

1. 明るさ


スコープは複数枚のレンズを使用して像を拡大します。つまり、外側から入った光は、必ず複数枚のレンズを通って、目に見えるわけです。
レンズの透過率が95%の場合、レンズ1枚を通すと、像は5%暗くなります。これだけならほとんどわかりませんが、もし8枚のレンズを使ったライフルスコープがあったとして、そのレンズの透過率が95%だと、最終的に目に見える像は95%の8乗なので、本来の66%まで明るさが低下してしまいます。

安価なスコープと高級なスコープの第一の違いはこの点です。高級品は非常に高い透過率のレンズを使用しているため、肉眼とほぼ変わらない明るさを持っています。そのため、薄曇りや雨天、夕方等、やや暗い状況でも、標的をはっきり見ることができます。

2. 解像度


解像度と言っても、液晶を使っているわけではないので、ドットの数が違うとかいうわけではありません。

レンズは工業製品なので、必ず製造公差というものが存在します。レンズの製造公差とは、すなわち歪みになります。レンズが歪んでいると、入ってきた像も歪んでしまうため、複数のレンズを通すうちに焦点にズレが生じてしまい、ぼやけた像になってしまいます。
また、組み立ての段階でレンズの中心が完璧に一致していなければ、どれだけよいレンズを使っていても、最終的な像はぼやけてしまいます。

これが第二の違いです。レンズそのものの精度と組み立ての精度が高いため、安価なものと高級品では、明らかに像の細かさが違います。これは高倍率時に特に顕著で、ある程度離れた距離に隠れたものを探す時に威力を発揮します。

まとめ


実のところ、スコープは「性能のよいものは高い」というのを地で行く製品です。軍における長距離狙撃や、ロングレンジ射撃競技に使われるスコープが、ことごとく数千ドル以上もする高級品なのは、これが理由です。

とはいえ、エアガンでは高々数十mの射程距離しかありませんし、わざわざ薄暗いところで射撃する必要もあまりないので、光学性能そのものが射撃精度にどこまで影響するかは、ほとんど微々たるものでしょう。むしろ、前回紹介したアイボックスのように、覗きやすさを重視して選択した方がよいかもしれません。

2016年9月24日土曜日

スコープのアイリリーフとアイボックス

はじめに


スコープは複数のレンズを使った複雑な光学機器のため、素通しの筒を覗くのとは使い方が全く違います。このあたりはカタログスペックには載らない性能のわりに、使い勝手に大きく影響するので、購入する前にきちんと理解しておきましょう。

1. アイリリーフ


レンズの付いていないただの筒をまっすぐ覗いた時、中心には向こう側が見えますが、その周囲には筒の内壁が見えるはずです。
スコープを使った時、接眼レンズ一杯に向こう側の状況が見える状態ではなく、一部に内壁が映ってしまっている状態を、「ケラレている」と言います。これは、スコープだけではなく、一眼レフカメラ等にもある現象で、他機種用のレンズをアダプターで装着すると、組み合わせによっては起きる現象です。

ケラレている状態だと、せっかくのスコープの視野の一部が欠けてしまうことになり、非常に見づらい状態になります。
ケラレないようにするには、接眼レンズと目の間を、スコープによって決められた一定の距離にする必要があります。これをアイリリーフと呼びます。

アイリリーフは、その設定された長さによってストックの長さから構え方まで決まってしまうので、非常に重要です。

例えば、米軍が使用している固定倍率のプリズムスコープであるACOG TA31は、アイリリーフが非常に短いことで有名です。M16A4に載っている写真をよく見かけますが、M16A4は長めの固定ストックですし、そこにさらにボディーアーマーを着込んだ状態で普通に構えると、スコープと射手の頭の距離がアイリリーフよりも遠くなってしまうため、肩にストックを載せたような構え方をしていたりします。TA31はコンパクトでいいのですが、M16A4にはどうにも使いづらいように感じてしまいます。

アイリリーフは大抵の場合スコープの仕様としてカタログに載っているので、調べてみるといいでしょう。

2. アイボックス


個人的にはアイリリーフよりも重要であるように感じるのが、このアイボックスです。
アイリリーフは接眼レンズから目までの距離という1次元の値ですが、アイボックスはそれを3次元空間に広げた概念です。

アイリリーフが適正な距離であっても、頭の位置が少し上下左右にずれていると、やはりケラレてしまうことがあります。アイボックスの広いスコープは、このような状況でもケラレにくく、とっさに構えた時でも正しく標的を見ることができます。

このデータはカタログにはまず載っていないので、評判を調べるしかありません。
例えば、TrijiconのAccuPointシリーズは比較的アイボックスが広く、狙いやすいスコープと言えます。TrijiconはACOGのようにコンパクトで接近戦でも使うようなスコープを多く製造しているので、解像度や倍率の高さよりも狙いやすさを重視しているようです。

一方、ディオン光学技研のMarchシリーズはアイボックスが狭いとよく言われています。Marchシリーズはどちらかというと精密射撃や狙撃に使われるものなので、コンパクトかつ高倍率で、解像度も高いことを重視して、アイボックスの広さとトレードオフの設計にしているようです。実際、光学性能自体は価格帯が一回りか二回り上の製品に匹敵します。

エアガン用では、ノーベルアームズのスコープはかなりアイボックスが狭いため、とっさの射撃にはあまり向いていません。価格帯の割に光学性能はよいので、やはりトレードオフになってしまっているようです。

なお、倍率の高いスコープほどアイボックスが狭くなる傾向があります。高倍率のスコープの場合、じっくり狙って撃つことが多いので、アイボックスが狭くても特に大きな問題にはならないのだと思います。

アイボックスは精密射撃の時はそれほど気にしなくてもよいですが、サバゲーでアサルトライフルに載せる場合には重要視した方がいい要素です。
先に述べた通り、カタログには載っていないので、欲しいスコープがあれば店頭で見せてもらうなどして、使い心地を確かめた方がいいでしょう。

2016年9月23日金曜日

照準器について(スコープ編)

つづきから


さて、光学照準器の花形といえばやはりスコープでしょう。
スコープは構造がドットサイトやホロサイトとは大きく異なり、要素が多いので、概要にとどめて、詳細は後で何回かに分けるかもしれません。

3. スコープ


身もふたもないことを言ってしまえば、スコープは照準(レティクル)の付いた望遠鏡と言ってもいいでしょう。実際、構造はほぼ望遠鏡と同じです。

スコープには、倍率が固定のものと、可変のものがあります。固定倍率のものには、通常の長いスコープの他、Trijicon ACOGのような、プリズムを使用した小型のものもあります。一方、可変倍率のものは、特定の倍率域を連続的に変化させられるものがほとんどですが、ELCAN SPECTOR DRのような、レンズを物理的に切り替えて2種類の倍率を選べるものもあります。
どちらも最低1倍から、特に高倍率なものになると50倍程度まで存在します。

ドットサイトやホロサイトは、銃に取り付ける部品(マウント)が一体型か、分離型でも純正品が付属しているものがほとんどですが、スコープの場合は通常は別売りのマウントリングが必要です。銃側のマウントベースの形状に合わせていくつかの種類があります。現代の西側の銃では、マウントベースはピカティニーレールが主流で、レールの溝にマウントリングの軸をかみ合わせ、挟み込むように締め付けて使うものがほとんどです。
一方、AK-47やG3のような古い銃では専用のマウントが必要になりますが、ピカティニーレールに変換するアダプターも存在します。

スコープのマウントリングは、スコープの筒の寸法に合わせて選択します。一般的なものは30mmで、古いモデルや廉価なモデルでは1inchのものが主流です。最高級のものになると、34mmや35mmといった太いモデルもあります。これは、筒が太い方がより大きなレンズを使用でき、明るく解像度の高い像を得られるためです。

スコープのレティクルは実は単純な十字ではなく、測距計の役割を果たします。通常は十字にドットが刻んであり、ミルドットレティクルと呼ばれるものの場合、固定倍率なら常に、可変倍率なら特定の倍率で、この間隔(1mil)が1000m先の1mの幅に一致するようになっています。もし、180cm(1.8m)の人物が5milだった場合、距離は180÷5×10で360mとなります。これのヤード・ポンドバージョンがMOAレティクルです。
また、近距離用のスコープでは、とっさの際に狙いやすいようにドットサイトのようなレティクルを持つものもあります。他にも、両方の特徴を備えたレティクルが様々に開発されています。例えばこんな(http://www.vortexoptics.com/discontinued/vortex-razor-hd-1-4x24-riflescope-with-ebr-556-reticle/reticle)変な形のものもあります。

とはいえ、エアガンの射程距離では実際はほとんど関係ありません。実銃の弾道特性に合わせて設計されたレティクルの場合、距離に応じて狙う位置を上下させられるようにガイドがついていますが、弾道が全く違うため、役に立ちません。
長距離を狙うならミルドットレティクル、近距離用ならドットまたはサークルレティクルのスコープが使いやすいと思います。

ちなみに、倍率を変更できるスコープの場合、倍率変更時にレティクルの寸法が変化するものとしないものがあります。変化するものをファーストフォーカルプレーン、変化しないものをセカンドフォーカルプレーンと呼びます。どちらかといえばファーストフォーカルプレーンの方が新しい製品ですが、このあたりは好みで選べばよいでしょう。

スコープの性能や選び方については、次回以降まとめていきたいと思います。


2016年9月22日木曜日

照準器について(ホロサイト編)

つづきから


前回は等倍の光学照準器であるドットサイトについて紹介しましたが、構造の違う等倍の光学照準器がもう一つあります。

2. ホロサイト


ホロサイトは基本的にはドットサイトと同じように使いますが、ドットサイトのドットに相当するレティクルの投影方法が少々違います。

ホロサイトは、ホログラフィ技術を使用して、レンズにレーザーでレティクルを投影するため、ドットサイトに比べてレンズがシンプルなので、レンズに破損があってもレティクルを映し出すことができます。ホログラフィなので、レティクルを特殊な形状にすることが可能なのも特徴です。
また、レンズが大きいため、非常に視野が広く、ドットサイトによくある筒を覗いているような感覚がありません。

米軍ではEotechの553及び557を採用しているので、これらが搭載されたM4A1カービンの写真を数多く見ることができます。ちなみに、

ただし、少し欠点があります。レンズが若干脆く、BB弾の直撃でも簡単に割れてしまうことと、レティクルが無限遠に投影されるため、視力が低かったり、乱視が入っていたりすると、にじんでしまって見づらい点です。
前者はポリカーボネート製のレンズカバーが市販されているので、極力それを使うようにしましょう。もちろん、ホロサイトに限った話でもなく、普通のドットサイトでも至近距離から直撃するとレンズが割れてしまうことがあるので、保護するに越したことはありません。
後者については、倍率を後付けで付けることのできるマグニファイアを併用すると解決できますが、倍率が等倍ではなく約3倍になってしまうのがネックです。

この製品もレプリカがありますが、構造が全く違い、レプリカは単なるドットサイトになっています。そのため、実際の見え方をレプリカで試すことはできません。先に述べたように、視力に依存して見え方が大きく変わるので、もし欲しい場合は、購入前に一度本物を覗いてみることをおすすめします。

さらにつづきます


等倍の光学照準器の場合、近距離はいいのですが、遠方の標的に当てるのは結構苦痛です。実際のところ、エアガンでは20mも離れると、サバゲーで人に当てるならともかくとしても、10cmの的に当てるには倍率のある光学照準器が必要になってきます。
そんな時に使用するのが、スコープです。次回以降、スコープについて詳しく紹介していこうと思います。