2016年9月23日金曜日

照準器について(スコープ編)

つづきから


さて、光学照準器の花形といえばやはりスコープでしょう。
スコープは構造がドットサイトやホロサイトとは大きく異なり、要素が多いので、概要にとどめて、詳細は後で何回かに分けるかもしれません。

3. スコープ


身もふたもないことを言ってしまえば、スコープは照準(レティクル)の付いた望遠鏡と言ってもいいでしょう。実際、構造はほぼ望遠鏡と同じです。

スコープには、倍率が固定のものと、可変のものがあります。固定倍率のものには、通常の長いスコープの他、Trijicon ACOGのような、プリズムを使用した小型のものもあります。一方、可変倍率のものは、特定の倍率域を連続的に変化させられるものがほとんどですが、ELCAN SPECTOR DRのような、レンズを物理的に切り替えて2種類の倍率を選べるものもあります。
どちらも最低1倍から、特に高倍率なものになると50倍程度まで存在します。

ドットサイトやホロサイトは、銃に取り付ける部品(マウント)が一体型か、分離型でも純正品が付属しているものがほとんどですが、スコープの場合は通常は別売りのマウントリングが必要です。銃側のマウントベースの形状に合わせていくつかの種類があります。現代の西側の銃では、マウントベースはピカティニーレールが主流で、レールの溝にマウントリングの軸をかみ合わせ、挟み込むように締め付けて使うものがほとんどです。
一方、AK-47やG3のような古い銃では専用のマウントが必要になりますが、ピカティニーレールに変換するアダプターも存在します。

スコープのマウントリングは、スコープの筒の寸法に合わせて選択します。一般的なものは30mmで、古いモデルや廉価なモデルでは1inchのものが主流です。最高級のものになると、34mmや35mmといった太いモデルもあります。これは、筒が太い方がより大きなレンズを使用でき、明るく解像度の高い像を得られるためです。

スコープのレティクルは実は単純な十字ではなく、測距計の役割を果たします。通常は十字にドットが刻んであり、ミルドットレティクルと呼ばれるものの場合、固定倍率なら常に、可変倍率なら特定の倍率で、この間隔(1mil)が1000m先の1mの幅に一致するようになっています。もし、180cm(1.8m)の人物が5milだった場合、距離は180÷5×10で360mとなります。これのヤード・ポンドバージョンがMOAレティクルです。
また、近距離用のスコープでは、とっさの際に狙いやすいようにドットサイトのようなレティクルを持つものもあります。他にも、両方の特徴を備えたレティクルが様々に開発されています。例えばこんな(http://www.vortexoptics.com/discontinued/vortex-razor-hd-1-4x24-riflescope-with-ebr-556-reticle/reticle)変な形のものもあります。

とはいえ、エアガンの射程距離では実際はほとんど関係ありません。実銃の弾道特性に合わせて設計されたレティクルの場合、距離に応じて狙う位置を上下させられるようにガイドがついていますが、弾道が全く違うため、役に立ちません。
長距離を狙うならミルドットレティクル、近距離用ならドットまたはサークルレティクルのスコープが使いやすいと思います。

ちなみに、倍率を変更できるスコープの場合、倍率変更時にレティクルの寸法が変化するものとしないものがあります。変化するものをファーストフォーカルプレーン、変化しないものをセカンドフォーカルプレーンと呼びます。どちらかといえばファーストフォーカルプレーンの方が新しい製品ですが、このあたりは好みで選べばよいでしょう。

スコープの性能や選び方については、次回以降まとめていきたいと思います。


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