今回は一気に解説します
BB弾を飛ばす時、当然ながら強力な圧力をかければ遠くまで届きます。昔は実際こうやって、発射エネルギーだけで相当な距離を飛ばしていたようですが、現在ではパワー規制があるため、単純に発射しただけではほとんど飛びません。
しかし、普通の電動ガンでも、今の製品は50m近く飛ぶようになっています。このために存在するのが、ホップアップシステムです。
ホップアップシステムは、BB弾にバックスピンをかけることでマグヌス効果による揚力を与えて、遠くまで飛ぶようにする仕組みです。精度よく設計・組み立てられたホップアップシステムで回転力を与えられたBB弾は、低速ながら伸びるような弾道でスーッと飛んでいきます。特に、パワーの低い10歳以上用のエアガンを撃つと、この様子がはっきりとわかります。
通常、エアガンではチャンバー内にラバーの突起を出しておき、発射時にBB弾がその突起に触れることで、バックスピン(ホップ)をかけています。ホップが弱すぎると射程が短くなってしまいますし、強すぎると弾速が低下した頃に前進速度と揚力のバランスが崩れて、天高く舞い上がってしまいます。
好みもありますが、30m付近で少し浮き上がってから落ちるような弾道にすると、サバゲーでは使いやすい気がします。
ホップのかかり具合は、BB弾の重量、大きさ、表面の具合によって変わってきます。そのため、突起の出方を調節することでバックスピンの回転数を変化させて、適切なホップに変更できる可変ホップアップシステムを搭載したエアガンが主流です。
ただし、可変ホップアップシステムは調整がシビアだったり、構造上可変の仕組みを入れられなかったり等の理由で、固定ホップアップシステムを採用しているエアガンも数多くあります。このような場合は、BB弾の選択によって調整します。固定ホップアップエアガンのチャンバー上部に穴をあけて、イモネジをねじ込むことで調整できるようなカスタムをする人もいます。
ホップをかけると、通常は弾速が少し下がります。しかし、バレルが短く初速を稼ぐためにスプリングを強くする機種では、ホップをかけると弾速が上がる傾向があります。これは、チャンバーからBB弾が動き出す前に強いスプリングで一気に空気を圧縮するので、ホップをかけるほど内圧が高くなるためです。この間のバランスをうまくとると、ホップをかけても初速の変わらないエアガンになります。
これを極端にしたものがいわゆる流速チューンで、非常に短いバレルと強いスプリング、大量のエアーを使って、強いホップで撃ち出すものです。ホップをかけるほど弾速が上がるので、高い弾速と高回転を同時に得ることができ、射程を延ばすことができますが、持っているエネルギーが多いので「当たると痛い」という特徴もあります(銃刀法では弾速しか測定しないので、回転エネルギーはどれだけ高くても法に触れません)。スプリングも強いので、メカに与える負荷が高く、あまりおすすめはしません。
非常に軽いBB弾に回転をかけて弾道を制御する関係上、ホップアップシステムには高い精度が求められます。海外製のエアガンは弾速規制が緩い関係で、パワーにものを言わせて飛ばすことができるので、このあたりの精度があまい傾向があります。精密射撃に海外製を使うのであれば、ホップアップ周りは精度の良いパーツで組みなおした方がいいかもしれませんね。
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