はじめに
電動ガンは命中精度もよく、連射も効くので、サバゲーでは一番よく使われている種類です。
各社さまざまな特徴を持つモデルが発売されていますが、今回は作動方式に目を向けて、分類してみることにします。
1.機械スイッチ式
最初にこの方式を採用したのは、東京マルイのFA-MASです。マイナーチェンジを繰り返しながら、現在でも販売されている、ベストセラー商品です。
機械スイッチ式は、トリガーが単純な接点スイッチになっていて、トリガーを引くと接点が接触して電流が流れ、モーターを回転させる方式です。電動ガンの作動の流れはおおむね次のようになります。
まず、トリガーを引くと、それに連動したスイッチがONになり電流が流れ、モーターが回転します。モーターは、先端のピニオンギアから、べべルギア、スパーギア、セクターギアと回転力を伝え、セクターギアがピストン下部のラックギアを引くことで、ピストンを後退させます。
セクターギアの回転にはもうひとつ連動しているものがあります。これがタペットプレートで、セクターギアが回転するとタペットプレートもピストン同様に後退し、連動してノズルを後退させます。しかし、タペットプレートはピストンに比べてほんの少ししか後退せず、すぐにスプリングの力で前進します。これによって、ノズルはBB弾を拾い上げ、チャンバーに装填します。
一方、継続して後退しているピストンですが、セクターギアのラックギアとかみ合う歯は全周にわたって付いているわけではないので、やはりそのうちかみ合いが外れます。すると、抑えるものがなくなったピストンはスプリングの力で前進し、シリンダー内の空気を圧縮、ノズルから噴出させて、BB弾を発射する、という流れになります。
フルオート射撃しかできない銃の場合はこれだけで事足りてしまうのですが、大抵はセミオート射撃がありますから、もう少し仕組みがあります。
実は、セクターギアの回転にはもうひとつ、「カットオフレバー」というパーツが連動しています。セミオート射撃モードでは、セクターギアがある程度回転すると、カットオフレバーを跳ね上げて、スイッチの接触を強制的に切ってしまいます。スイッチが切られるとモーターは少しの間惰性で回転しますが、最終的には止まりますから、単発射撃になります。ここで切られたスイッチの接触は、トリガーをいったん戻すことでリセットされます。
なお、モーターが惰性で回転すると、一発射撃した後ピストンを少し引いてしまうことがあります。これを放置すると、スプリングの力に負けてピストンが前進し、2発目が弱々しく飛び出してしまうので、それを防ぐために、べべルギアに「逆転防止ラッチ」がかみ合うようになっています。ギアが逆回転しないようになっているので、仮にピストンが少し引かれてしまっても、そのままその位置で停止する仕組みです。
一見複雑なようですが、これらすべてがギアとスプリングの組み合わせで連動動作しています。これらのタイミングがほんの少しずれるだけで、例えばBB弾が発射されなかったり、逆に2発発射されてしまったり、偶数発目がヒョロヒョロだったりと、さまざまなトラブルを引き起こします。
よく設計されている電動ガンはメーカー出荷時の状態がもっともバランスのいい状態なので、故障するまではそのまま使って、おかしくなってから開けてみるようにした方がいいでしょう。あるいは、練習のためにあえて壊れているものを入手するのもいいかもしれませんね。
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