はじめに
スコープはドットサイトに比べて価格差が激しく、1万円程度の安価なものから、100万円もする超高級なものまであります。一見して差はなさそうに感じますが、一体何が違うのでしょうか。
1. 明るさ
スコープは複数枚のレンズを使用して像を拡大します。つまり、外側から入った光は、必ず複数枚のレンズを通って、目に見えるわけです。
レンズの透過率が95%の場合、レンズ1枚を通すと、像は5%暗くなります。これだけならほとんどわかりませんが、もし8枚のレンズを使ったライフルスコープがあったとして、そのレンズの透過率が95%だと、最終的に目に見える像は95%の8乗なので、本来の66%まで明るさが低下してしまいます。
安価なスコープと高級なスコープの第一の違いはこの点です。高級品は非常に高い透過率のレンズを使用しているため、肉眼とほぼ変わらない明るさを持っています。そのため、薄曇りや雨天、夕方等、やや暗い状況でも、標的をはっきり見ることができます。
2. 解像度
解像度と言っても、液晶を使っているわけではないので、ドットの数が違うとかいうわけではありません。
レンズは工業製品なので、必ず製造公差というものが存在します。レンズの製造公差とは、すなわち歪みになります。レンズが歪んでいると、入ってきた像も歪んでしまうため、複数のレンズを通すうちに焦点にズレが生じてしまい、ぼやけた像になってしまいます。
また、組み立ての段階でレンズの中心が完璧に一致していなければ、どれだけよいレンズを使っていても、最終的な像はぼやけてしまいます。
これが第二の違いです。レンズそのものの精度と組み立ての精度が高いため、安価なものと高級品では、明らかに像の細かさが違います。これは高倍率時に特に顕著で、ある程度離れた距離に隠れたものを探す時に威力を発揮します。
まとめ
実のところ、スコープは「性能のよいものは高い」というのを地で行く製品です。軍における長距離狙撃や、ロングレンジ射撃競技に使われるスコープが、ことごとく数千ドル以上もする高級品なのは、これが理由です。
とはいえ、エアガンでは高々数十mの射程距離しかありませんし、わざわざ薄暗いところで射撃する必要もあまりないので、光学性能そのものが射撃精度にどこまで影響するかは、ほとんど微々たるものでしょう。むしろ、前回紹介したアイボックスのように、覗きやすさを重視して選択した方がよいかもしれません。
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