2016年9月14日水曜日

バッテリーの種類と扱い方(ニッケル系バッテリー編)

はじめに


エアーコッキングガンを除いて、ほとんどのエアガンは作動させるためにパワーソースが必要です。
ガスガンならガス、電動ガンならバッテリーになりますが、それぞれいくつも種類があって、最初のうちは悩んでしまうかもしれません。特に、電動ガンのバッテリーは種類によって特性が全く違うので、私も初めて充電した時はどこまで充電されればいいのかわからず、悩んだこともありました。
というわけで、今回はバッテリーについて説明したいと思います。

電動ガンのバッテリーは、要するに電池です。市販の乾電池にもいくつも種類があるように、電動ガン用のバッテリーにもいくつかの種類があります。


1. ニッカドバッテリー


最も古くからあるバッテリーです。正極(+)に酸化水酸化ニッケル、負極(-)にカドミウム、電解液に水酸化カリウム水溶液を使用したバッテリーです。
以前はよく使われていましたが、カドミウムが強い毒性を持つため、現在では需要が減ってきており、電動ガン用のバッテリーも少なくなってきています。

ニッカドバッテリーは一度に取り出せる電流が大きく、モーターの作動に向いていたため、電動ガンやラジコンにはよく使われていました。過放電にも強く、完全放電状態であっても、充電すれば大抵の場合使えるという頑丈なバッテリーでもあります。
また、急速充電が可能で、高めの電流で充電することができます。

一方、容量は比較的少なめです。おまけに自然放電しやすいという特徴があり、たとえ満充電にしておいても、しばらく経つと空になっていることがあります。
また、メモリー効果があり、継ぎ足し充電をすると容量が減ってしまうため、放電器を使って完全放電してから充電する必要があるという、やや面倒くさい特徴があります。

セル1つあたりの電圧は約1.2Vで、電動ガン用のバッテリーとしては6セル直列の7.2Vから、12セル直列の14.4Vまであります。とはいえ、通常は7.2V~9.6Vまでを使用することになると思います。それ以上は内部カスタム済みの電動ガン専用で、通常のものに使用すると、壊してしまう可能性が高いです。

ニッカドバッテリーの扱い方ですが、基本的には使う直前に放電器で放電して、空になった状態から満充電にするだけです。先の通り、比較的頑丈なバッテリーなので、使い終わったらそのまま涼しいところに保管するだけで十分でしょう。


2.ニッケル水素バッテリー


ニッカドバッテリーに次いで出てきたバッテリーです。「ニッ水」とも呼ばれます。正極に(+)ニッケル化合物、負極に(-)水素化合物、電解液にアルカリ水溶液を使用したバッテリーです。
東京マルイの現在の純正バッテリーはこのバッテリーです。

ニッケル水素バッテリーは容量が大きく、ニッカドバッテリーに使われているカドミウムのような強い毒性のある物質を使用しないので、比較的安全なバッテリーです。
メモリー効果はありますが、ニッカドバッテリーほどではないため、継ぎ足し充電することもできます。

一方欠点としては、電動ガンに使われているものは自然放電しやすく、かつ過放電に弱いため、定期的に充電しないとバッテリーが壊れてしまうという点です。いい加減な管理で過放電してしまうと、もうそのバッテリーは使用できません。しかも、ニッカドバッテリーと違い、急速充電を行うことはできません。
また、出力がニッカドバッテリー程大きくないので、モーターの初動のトルクに劣ります。トリガーを引いてからBB弾が発射されるまでのタイムラグに影響を与えることがあります。

セル1つあたりの電圧はニッカドバッテリーと同じです。電動ガン用のバッテリーとしては、8.4V~9.6Vあたりが主流です。高電圧のものがあまりないのは、後述するリチウムポリマーバッテリーが普及して、そちらの方がより高出力にできるため、カスタム用にはニッケル水素バッテリーはあまり使われないからです。

ニッケル水素バッテリーの扱い方ですが、過放電すると壊れてしまうので、定期的に電圧を測定して、定格電圧を保つようにしてください。例えば、8.4Vのバッテリーは満充電すると9.2V程度まで電圧が上がりますが、これが8.4V程度の場合は、充電した方がいいでしょう。
ニッケル水素バッテリーは容量が減ってくると出力が大幅に下がるので、電動ガンを使いすぎて過放電になることはまずありません。動かなくなったら交換して、早めに充電する程度で十分です。


つづきます


他にもバッテリーの種類はあります。次回はリチウム系バッテリーについて解説します。

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