はじめに
現代の主流製品のひとつだけあって、書きたいことがいろいろあって困るのですが、今回は歴史の勉強もかねてBB弾の発射タイミングから分類してみたいと思います。
「発射タイミング?」と思った方は、この後の節を読めば、なるほどと思うはずですよ。
1.アフターシュートブローバック
実際はこの前にも2Wayプレシュート方式というものがありました。途中までトリガーを引くと発射用のバルブが開放されてBB弾が発射され、最後までトリガーを引き切るとスライド作動用のバルブが開放されてスライドが後退する、というものだったのですが、いかんせん効率が悪く、あまり普及しませんでした。
実際にガスブローバックガンがガンファンに知られるようになったのは、このアフターシュートブローバックからでしょう。
アフターシュートブローバックの仕組みはとてもシンプルです。ガスブローバックガンなので、初弾はスライド(ロングガンならボルトキャリア)を手で引いて装填します。これは実銃と同じなので、我慢しましょう。
その状態でトリガーを引いてバルブを開放すると、スライド内のガスチャンバーにガス圧がかかります。これによって、まずスライドが後退する動作が先に発生します。
スライドがある程度後退すると、スライドに連動してガスチャンバーのガスがバレル側に抜け、その圧力でBB弾が発射されます。
つまり、アフターシュートブローバックは、弾の発射前にスライドが後退する方式です。
実銃の場合は当然ながら発射後にスライドが後退するので、全く逆の動作です。アフターシュートブローバックはエアソフトガン黎明期に開発された仕組みなので、そういう意味ではリアリティには若干欠けます。
しかし、スライド後退に使ったガスをそのまま発射に使用するので、燃費がよく、スライドそのものの動きもキビキビとしたものが多くあります。こと作動という点では現在の製品に劣るものではありません。
しかし、2つほど欠点がありました。ひとつは、これは時代的なものも多分にありますが、メカが大きくなってしまっているため、スライドを引くと排莢口(エジェクションポート)からメカが見えてしまうことです。気にしない人(例えば私です)にはどうということもないのですが、モデルガン派には厳しい仕様かもしれません。
もうひとつは、スライドが後退してから発射されるため、スライドが後退する反作用でちょうど銃口が下がったタイミングでBB弾が銃口から出てしまい、狙ったところよりも下に当たる、という特徴です。しかも握り具合でどのくらいブレるかは変わってくるので、上を狙ったとしてもきちんと正しいところに当てにくく、サバゲーならともかく、標的射撃には使いにくいものになっていました。
とはいえ、アフターシュートブローバックを搭載したMGCのグロック17は、トリガーを引くだけでバシッと鋭い音を立てながらスライドが後退する迫力から、当時相当評判がよく、非常に売れたそうです。
やはりオートマチックハンドガンはスライドが派手に動くのも醍醐味のひとつですから、当時多くの人が待ち望んだそれを実現したという点で、アフターシュートブローバックはひとつの転換点になったことは違いないでしょう。
おわりませんでした
今回はちょっと長くなってしまったので、もうひとつの方式については次回書きたいと思います。次回はプレシュートブローバックです。
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