つづきから
アイアンサイトの欠点として、狙う姿勢が限られることと、倍率が無いことが挙げられます。
これらは光学照準器で解決できます。まずはドットサイトから紹介します。
2.ドットサイト
ドットサイトの最大の利点は、ドットを重ねるだけという照準の簡単さです。アイアンサイトの場合、リアサイトとフロントサイトと標的を重ねる必要がありましたが、ドットサイトはドットと標的だけなので、姿勢を選びません。そのため、短距離での迅速なサイティングに非常に向いています。
有名なところでは、AimpointのCOMPシリーズやT1/T2シリーズ、TrijiconのReflexシリーズ等が挙げられます。これらはいわゆる実物光学機器と呼ばれるもので、実銃用なので、エアガン用としてはオーバースペックではあるものの、工学系が非常に明るく見やすいのが特徴です。また、当然ながら頑丈に作られているので、そう簡単には壊れません。
一方、安価に売られている製品には、これらのレプリカ…悪く言えば偽物が存在します。形状はおろか刻印まで完全にコピーしたこれらの製品は、日本においては模型用のレプリカとして流通していますが、アメリカでは完全にコピー商品として扱われており、実際摘発もされています。安いことは安いのですが、いかんせん作りが適当で、非常に壊れやすいので、あまりおすすめできる代物ではありません。
私がおすすめするのは、実銃用の安価な製品です。例えば、SIGHTRONのSD-30は同社MD-33の廉価版で、自衛隊に採用されていたMD-33譲りの工学系と頑丈さを誇りつつ、2万円以下の価格で購入できます。
他にも、HOLOSUNのドットサイトは、Aimpoint T1の形状に近いコンパクトさと、安価ながら高性能であることから、最近アメリカで人気の高い製品です。こちらは3万円ほどで購入できます。
実のところAimpointやTrijiconの製品は軍用を意識しているので、実銃用としてもオーバースペックなところがあり、ミリタリー装備にこだわらなければもっと安価で十分使える製品はいくらでもあります。逆に言うと、ミリタリーを再現するには非常に高価な製品を買わなければならないのですが……これはアメリカでも事情は同じようです。
この他、トイガン用にきちんと作られた製品もあります。ノーベルアームズのCOMBAT T1はAimpoint T1を模したエアガン用の製品ですが、実銃のような強烈な反動は当然エアガンにはないので、必要十分な強度を持っています。これは2万円以下で購入できます。
なお、上記に挙げた製品はどれもチューブ型のドットサイトですが、ドットを投影する部分が露出した製品もあります。これをオープンドットサイトと呼び、軽量であることから、競技用に使われています。若干強度に劣るので、軍用で使われることはほぼありません。
C-MOREはこのタイプを製品を多く発売しています。
また、最近はオートマチックピストルのスライドの上や、ライフルスコープの上に載せられるような、小さなドットサイトもあります。Doctorのマイクロドットサイトや、Trijicon RMR、Insight MRDS等が有名です。
ピストルのスライド上に載せる場合、耐久性は特に重要です。レプリカは1回作動させるだけで壊れることがあります(実話です)。ですので、できれば実物を購入することをお勧めしますが、いかんせんかなり高価なものばかりなのがネックです。また、取り付けるベースのネジ穴の位置がそれぞれ異なるので、対応したモデルを購入する必要があるのも、なかなか敷居の高いところです。
つづきます
等倍の光学照準器には他にも種類があります。次回はそれを紹介しようと思います。
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