はじめに
銃を使う時、もちろん標的に当たるように狙う必要があるわけですが、これは当然エアガンでも同じです。狙うために使う装置を照準器、サイトと呼びますが、これにもいくつか種類があります。
1. アイアンサイトとは
アイアンサイトは通常、前方と後方の2つの部品からなります。後方に取り付けられているリアサイトの溝に、前方に取り付けられているフロントサイトがぴたりと合って見えるようにして狙います。このタイプをオープンサイトと呼びます。オープンサイトは主にハンドガンに使われます。
溝ではなく小さな穴になっているタイプもあります。これをピープサイトと呼び、ピープサイトの穴の大きいものをゴーストリングサイトと呼びます。ピープサイトはアサルトライフル等に、ゴーストリングサイトはショットガンに使われることが多いです。
また、ピープサイトを細かく微調整できるようになった高精度のものもあります。これは競技用ライフルに使われ、マイクロサイトと呼びます。
アイアンサイトは照準の位置を調整可能なもの(アジャスタブルサイト)と、固定となっていて調整できないもの(フィックスドサイト)があります。ハンドガン用はそれほど長距離の射撃を行わないことと、荒い扱いでも壊れないことを目的として、フィックスドサイトが主流です。もちろん調整できるタイプもありますが、どちらかといえばマッチ用の銃に使われているケースがほとんどです。
一方、ロングガンのアイアンサイトは調整可能になっていることがほとんどです。これは、ある程度の距離を保った状態で射撃することが多く、サイトがずれていると明後日の方向に飛んでしまうためです。
ただ、古いサブマシンガンには簡易的なサイトしか付いていないことがあります。昔はサブマシンガンは弾をばらまくためのものという扱いだったので、適当なサイトでも何発かフルオートで撃って当たれば十分、とされていたためです。この発想をひっくり返したのがMP5で、本格的なアジャスタブルサイトを備え、短距離であれば狙撃も可能でした。
話がずれたのでもとに戻しましょう。
ロングガンの場合、光学照準器を使用するケースも多く、アイアンサイトは光学照準器の故障時にくらいしか使わないことになります。このようなアイアンサイトを、BUIS(Back-up Iron Sight)と呼びます。
光学照準器を使う場合、大きなアイアンサイトが付いていると非常に邪魔です。そのため、BUISには折り畳み可能なフォールディングサイトが用意されています。MAGPULのMBUSシリーズや、Knights ArmamentのBUISがメジャーなところですが、その他にも様々な企業が製品をリリースしています。
アイアンサイトを使って狙う場合は、リアサイトとフロントサイトを一直線に並べなければなりません。そのため、不安定な姿勢では狙いづらいという問題があります。また、当然ながら倍率がないため、遠方の標的に弾を送り込むのは、かなり難易度が高くなってしまいます。
そのような用途に対応するために、光学照準器を載せることがあります。
次回以降、光学照準器について書いていこうと思います。というわけで、つづきます。