ラベル エアソフトガン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル エアソフトガン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2016年9月20日火曜日

照準器について(アイアンサイト編)

はじめに


銃を使う時、もちろん標的に当たるように狙う必要があるわけですが、これは当然エアガンでも同じです。狙うために使う装置を照準器、サイトと呼びますが、これにもいくつか種類があります。


1. アイアンサイトとは


ほとんどの銃に標準で装備されているものがアイアンサイトです。その名の通り金属製のものが多いですが、樹脂でできているものもあります。

アイアンサイトは通常、前方と後方の2つの部品からなります。後方に取り付けられているリアサイトの溝に、前方に取り付けられているフロントサイトがぴたりと合って見えるようにして狙います。このタイプをオープンサイトと呼びます。オープンサイトは主にハンドガンに使われます。

溝ではなく小さな穴になっているタイプもあります。これをピープサイトと呼び、ピープサイトの穴の大きいものをゴーストリングサイトと呼びます。ピープサイトはアサルトライフル等に、ゴーストリングサイトはショットガンに使われることが多いです。
また、ピープサイトを細かく微調整できるようになった高精度のものもあります。これは競技用ライフルに使われ、マイクロサイトと呼びます。

アイアンサイトは照準の位置を調整可能なもの(アジャスタブルサイト)と、固定となっていて調整できないもの(フィックスドサイト)があります。ハンドガン用はそれほど長距離の射撃を行わないことと、荒い扱いでも壊れないことを目的として、フィックスドサイトが主流です。もちろん調整できるタイプもありますが、どちらかといえばマッチ用の銃に使われているケースがほとんどです。

一方、ロングガンのアイアンサイトは調整可能になっていることがほとんどです。これは、ある程度の距離を保った状態で射撃することが多く、サイトがずれていると明後日の方向に飛んでしまうためです。

ただ、古いサブマシンガンには簡易的なサイトしか付いていないことがあります。昔はサブマシンガンは弾をばらまくためのものという扱いだったので、適当なサイトでも何発かフルオートで撃って当たれば十分、とされていたためです。この発想をひっくり返したのがMP5で、本格的なアジャスタブルサイトを備え、短距離であれば狙撃も可能でした。

話がずれたのでもとに戻しましょう。
ロングガンの場合、光学照準器を使用するケースも多く、アイアンサイトは光学照準器の故障時にくらいしか使わないことになります。このようなアイアンサイトを、BUIS(Back-up Iron Sight)と呼びます。
光学照準器を使う場合、大きなアイアンサイトが付いていると非常に邪魔です。そのため、BUISには折り畳み可能なフォールディングサイトが用意されています。MAGPULのMBUSシリーズや、Knights ArmamentのBUISがメジャーなところですが、その他にも様々な企業が製品をリリースしています。

アイアンサイトを使って狙う場合は、リアサイトとフロントサイトを一直線に並べなければなりません。そのため、不安定な姿勢では狙いづらいという問題があります。また、当然ながら倍率がないため、遠方の標的に弾を送り込むのは、かなり難易度が高くなってしまいます。
そのような用途に対応するために、光学照準器を載せることがあります。
次回以降、光学照準器について書いていこうと思います。というわけで、つづきます。

2016年9月19日月曜日

ホップアップシステム

今回は一気に解説します


BB弾を飛ばす時、当然ながら強力な圧力をかければ遠くまで届きます。昔は実際こうやって、発射エネルギーだけで相当な距離を飛ばしていたようですが、現在ではパワー規制があるため、単純に発射しただけではほとんど飛びません。
しかし、普通の電動ガンでも、今の製品は50m近く飛ぶようになっています。このために存在するのが、ホップアップシステムです。

ホップアップシステムは、BB弾にバックスピンをかけることでマグヌス効果による揚力を与えて、遠くまで飛ぶようにする仕組みです。精度よく設計・組み立てられたホップアップシステムで回転力を与えられたBB弾は、低速ながら伸びるような弾道でスーッと飛んでいきます。特に、パワーの低い10歳以上用のエアガンを撃つと、この様子がはっきりとわかります。

通常、エアガンではチャンバー内にラバーの突起を出しておき、発射時にBB弾がその突起に触れることで、バックスピン(ホップ)をかけています。ホップが弱すぎると射程が短くなってしまいますし、強すぎると弾速が低下した頃に前進速度と揚力のバランスが崩れて、天高く舞い上がってしまいます。
好みもありますが、30m付近で少し浮き上がってから落ちるような弾道にすると、サバゲーでは使いやすい気がします。

ホップのかかり具合は、BB弾の重量、大きさ、表面の具合によって変わってきます。そのため、突起の出方を調節することでバックスピンの回転数を変化させて、適切なホップに変更できる可変ホップアップシステムを搭載したエアガンが主流です。
ただし、可変ホップアップシステムは調整がシビアだったり、構造上可変の仕組みを入れられなかったり等の理由で、固定ホップアップシステムを採用しているエアガンも数多くあります。このような場合は、BB弾の選択によって調整します。固定ホップアップエアガンのチャンバー上部に穴をあけて、イモネジをねじ込むことで調整できるようなカスタムをする人もいます。

ホップをかけると、通常は弾速が少し下がります。しかし、バレルが短く初速を稼ぐためにスプリングを強くする機種では、ホップをかけると弾速が上がる傾向があります。これは、チャンバーからBB弾が動き出す前に強いスプリングで一気に空気を圧縮するので、ホップをかけるほど内圧が高くなるためです。この間のバランスをうまくとると、ホップをかけても初速の変わらないエアガンになります。

これを極端にしたものがいわゆる流速チューンで、非常に短いバレルと強いスプリング、大量のエアーを使って、強いホップで撃ち出すものです。ホップをかけるほど弾速が上がるので、高い弾速と高回転を同時に得ることができ、射程を延ばすことができますが、持っているエネルギーが多いので「当たると痛い」という特徴もあります(銃刀法では弾速しか測定しないので、回転エネルギーはどれだけ高くても法に触れません)。スプリングも強いので、メカに与える負荷が高く、あまりおすすめはしません。

非常に軽いBB弾に回転をかけて弾道を制御する関係上、ホップアップシステムには高い精度が求められます。海外製のエアガンは弾速規制が緩い関係で、パワーにものを言わせて飛ばすことができるので、このあたりの精度があまい傾向があります。精密射撃に海外製を使うのであれば、ホップアップ周りは精度の良いパーツで組みなおした方がいいかもしれませんね。

2016年9月16日金曜日

バッテリーの種類と扱い方(リチウムフェライトバッテリー編)

つづきから


今回は、もうひとつのリチウム系バッテリーである、リチウムフェライトバッテリーについて解説しましょう。

4.リチウムフェライトバッテリー


リチウムフェライトバッテリーは、正極(+)にリン酸鉄リチウムを使用したリチウムバッテリーです。「リフェ」と呼ばれることもあります。電動ガンで正式に採用したものはありませんが、タミヤのラジコンの純正バッテリーはこれです。

リチウムフェライトバッテリーの最も良い点は、リチウムポリマーバッテリーに比べて、比較的安全性が高い点です。ニッカドバッテリーほどではありませんが、過放電に比較的強く、リチウムの析出によるショートの可能性も低いという特徴があります。
また、メモリー効果がなく、充放電できる回数も多め、自然放電も少ない、と、非常に使い勝手のいいバッテリーと言えます。
さらに、製造メーカーにもよりますが、高い電流で急速充電が可能なものもあります。

一方、リチウムポリマーバッテリーよりは出力が低めです。とはいえニッケル水素バッテリーよりは高出力なので、これはさほど欠点とは言えないでしょう。

むしろ、1セルあたりの定格電圧が3.3Vなので、電動ガンに使うには2セルの6.6Vでは低すぎ、3セルの9.9Vでは高すぎる、という中途半端な電圧が問題です。全くカスタムしていない電動ガンに使うには少し向いていないバッテリーと言えます。せっかく安全なバッテリーなのに、残念なところです。

リフェバッテリーもリチウム系バッテリーなので、バランス充電が必要です。1セルあたりの最大電圧は約3.6Vとされています。どんなバッテリーでも過充電は危険なので、必ず監視の下で充電するようにしてください。

比較的安定したバッテリーなので、ぜひおすすめしたいところなのですが、前述の「電圧が中途半端」という特徴がいろいろと台無しにしている面もあります。標準で3セル9.9Vのリチウムフェライトバッテリーが使える電動ガンが出てきてくれると、初心者にも進めやすくてうれしいのですが、今のところ出てきていません。

まとめ


バッテリーにはいくつも種類がありますが、どれも一長一短で、これを買っておけば完璧というものはありません。

個人的にはリチウムポリマーバッテリーをおすすめしたいのですが、取り扱いを誤ると危険なものでもあるので、管理をきちんとできる自信がないのであれば、純正のニッケル水素バッテリーを使うのがいいかもしれません。とはいえ、これも管理をしないとすぐ壊れてしまうので、そこまで手軽ではありません。
実のところ、容量が少ないことを除けば、ニッカドバッテリーが一番扱いやすいバッテリーと言えるのかもしれませんが、環境への影響を考えて生産数が少なくなっているので、今後を考えると選択肢としては挙げにくいのも事実です。

とはいえ、バッテリーはあの小さなサイズにモーターを動かすだけのエネルギーを蓄えているので、どれを選んでも本質的には非常に危険なものです。適切な使い方を学ぶことが、安全への第一歩です。面倒くさいなどと思わずに、バッテリーの特徴を知り、自分の使い方に合わせて各自選択していただくしかないと考えます。

2016年9月15日木曜日

バッテリーの種類と扱い方(リチウムポリマーバッテリー編)

つづきから


今回はより高性能なバッテリーである、リチウム系のバッテリーです。
ただし、ニッカド系のバッテリーよりも扱いが面倒なところがありますので、どちらかといえば上級者向けのバッテリーと言えるかもしれません。

3.リチウムポリマーバッテリー


現在はさまざまな電子機器にバッテリーが使われていますが、その中でも最も使われているものがこのリチウムポリマーバッテリーです。「リポ」とも呼ばれます。正極にリチウム系化合物、負極に炭素、電解液に有機溶媒を用いることが多いバッテリーです。

リチウムポリマーバッテリーは、電解液がポリマーによってゲル状になっているリチウムイオンバッテリーです。そのため、電解液が液体状のその他のバッテリーとは異なり、缶に入れる必要がないため、さまざまな形状に加工することができます。スマートフォンのバッテリーのように、薄く作ることもできます。

バッテリーの特徴としては、サイズに対して容量が大きく、一度に取り出せる電流も大きいという点が挙げられます。そのため、電動ガンに使うと、とてもニッカドバッテリーやニッケル水素バッテリーでは入らないような小さな空間にも収めることができる上、モーターの初動に必要な大電流も容易に供給することができます。結果として、射撃のロックタイムを短くすることができます。
また、自己放電がほとんどなく、充電された状態のまま放置しても、電圧は長い間残っています。メモリー効果もほとんどないので、継ぎ足し充電も自由に行うことができます。

しかし、リチウムポリマーバッテリーには大きなデメリット、というよりも危険性があります。電解液が有機溶媒であるため、きわめて引火性が高く、取り扱いを誤ってショートさせてしまうと、発火、爆発するおそれがあることです。このため、飛行機の貨物室での輸送は現在では禁止されています。

また、過放電や過充電にきわめて弱く、これらを行った場合、内部で水素ガスが発生して破裂したり、リチウムが析出してショート、炎上したりするおそれがあります。そのため、リチウムポリマーバッテリーの充電には、電圧センサーとマイコンを使用した高度な専用充電器が必要です。スマートフォンやノートパソコンはこれらの充電回路を内蔵しているので、単にコンセントを差すだけで充電できますが、電動ガンは生のバッテリーセルを使用するので、充電器側に回路が必要です。

リチウムポリマーバッテリーは1セルあたりの電圧が約3.7Vと高いため、電動ガンには2セル(定格7.4V)または3セル(定格11.1V)のものがよく使われます。先に述べたように、過放電と過充電に弱いため、ニッケル系バッテリーのように直列接続されたバッテリーに放電端子からそのまま充電することはできません。

ではどうするかというと、複数セルを直列して作られたリチウムポリマーバッテリーモジュールには、必ずバランス端子という、各セルに「並列に」接続された端子が存在します。この端子を使うと、各セルに個別にアクセスできるため、この端子から充電や放電をしながら、各セルの電圧が一定になるように充電を行うのです。これをバランス充電と呼びます。リチウムポリマーバッテリー対応の充電器は、このバランス充電に必ず対応しています。

リチウムポリマーバッテリーの扱い方ですが、まず何よりも、絶対に過充電は避けてください。対応した充電器を使って、2セルなら2セル用の、3セルなら3セル用のモードを使い、低めの電流で正しく充電します。絶対にニッケル系バッテリー用の充電器を使って充電してはいけません。火災の原因になります。
また、高い電流で急速充電することもできません。充電時に流せる電流は、容量と同じと考えてください。2000mAhのバッテリーなら2A、700mAhのバッテリーなら0.7Aです。ただし、最大電流で充電すると寿命が短くなる傾向があるので、少し低めにしておくといいでしょう。

過放電も厳禁です。1セルあたりの下限電圧はおよそ3Vなので、これを下回った状態にしてはいけません。電動ガンの動きが鈍くなってきたと感じたら、すぐに使用をやめてください。
リチウムポリマーバッテリーは出力が安定していて、容量が減ってきても電圧が高いままなので、電動ガンが普通に動いてしまいます。完全に動かなくなるまで使うと、もう下限電圧を下回っていることがあります。
電動ガンとバッテリーの間につないで使う電圧監視装置や、電動ガンが電子制御式の場合はバッテリーの電圧を監視する機能が付いていることがあるので、それらを活用するのもひとつの手でしょう。
もしも万が一下限電圧を下回ってしまった場合は、そのバッテリーは適切な方法で廃棄してください。使用を継続するのは危険です。

また、使用しない時は定格電圧よりも少し高い程度、例えば2セルの定格7.4Vバッテリーであれば、7.6V程度にしておくのがベストです。リチウムポリマーバッテリーは満充電状態で放置すると劣化し、ガスが発生して膨らんでしまうので、満充電での保管は避けてください。充電器によっては、保管用に適した電圧にしてくれるストレージ充電モードがあるので、それを活用すると簡単です。

最後に、これはどのバッテリーでも同じことですが、高温になる場所には放置しないでください。特に、真夏のフィールドの駐車場で、車の中にバッテリーを放置するときわめて危険です。

リチウムポリマーバッテリーは扱いが難しく、非常に癖のあるバッテリーですが、軽量で容易に高出力を得ることができるので、人気のあるバッテリーです。価格もかなり安価なので、ニッケル水素バッテリーの作動に不満が出てきたら、導入を検討してもよいでしょう。
ただし、リチウムポリマーバッテリーの取り扱い方法は必ず守ってください。充電しながら居眠りするようなことは、絶対にしないようにしてください。

つづきます


リチウムポリマーバッテリーは広く使われている割に、使い方を誤るとかなり危険なバッテリーなので、つい解説が長くなってしまいました。細かい使い方がわからなければ、コメントで質問していただいても構いませんので、どうか安全を心掛けて使うようにしてください。

次回はもうひとつのリチウム系バッテリーを紹介します。

2016年9月14日水曜日

バッテリーの種類と扱い方(ニッケル系バッテリー編)

はじめに


エアーコッキングガンを除いて、ほとんどのエアガンは作動させるためにパワーソースが必要です。
ガスガンならガス、電動ガンならバッテリーになりますが、それぞれいくつも種類があって、最初のうちは悩んでしまうかもしれません。特に、電動ガンのバッテリーは種類によって特性が全く違うので、私も初めて充電した時はどこまで充電されればいいのかわからず、悩んだこともありました。
というわけで、今回はバッテリーについて説明したいと思います。

電動ガンのバッテリーは、要するに電池です。市販の乾電池にもいくつも種類があるように、電動ガン用のバッテリーにもいくつかの種類があります。


1. ニッカドバッテリー


最も古くからあるバッテリーです。正極(+)に酸化水酸化ニッケル、負極(-)にカドミウム、電解液に水酸化カリウム水溶液を使用したバッテリーです。
以前はよく使われていましたが、カドミウムが強い毒性を持つため、現在では需要が減ってきており、電動ガン用のバッテリーも少なくなってきています。

ニッカドバッテリーは一度に取り出せる電流が大きく、モーターの作動に向いていたため、電動ガンやラジコンにはよく使われていました。過放電にも強く、完全放電状態であっても、充電すれば大抵の場合使えるという頑丈なバッテリーでもあります。
また、急速充電が可能で、高めの電流で充電することができます。

一方、容量は比較的少なめです。おまけに自然放電しやすいという特徴があり、たとえ満充電にしておいても、しばらく経つと空になっていることがあります。
また、メモリー効果があり、継ぎ足し充電をすると容量が減ってしまうため、放電器を使って完全放電してから充電する必要があるという、やや面倒くさい特徴があります。

セル1つあたりの電圧は約1.2Vで、電動ガン用のバッテリーとしては6セル直列の7.2Vから、12セル直列の14.4Vまであります。とはいえ、通常は7.2V~9.6Vまでを使用することになると思います。それ以上は内部カスタム済みの電動ガン専用で、通常のものに使用すると、壊してしまう可能性が高いです。

ニッカドバッテリーの扱い方ですが、基本的には使う直前に放電器で放電して、空になった状態から満充電にするだけです。先の通り、比較的頑丈なバッテリーなので、使い終わったらそのまま涼しいところに保管するだけで十分でしょう。


2.ニッケル水素バッテリー


ニッカドバッテリーに次いで出てきたバッテリーです。「ニッ水」とも呼ばれます。正極に(+)ニッケル化合物、負極に(-)水素化合物、電解液にアルカリ水溶液を使用したバッテリーです。
東京マルイの現在の純正バッテリーはこのバッテリーです。

ニッケル水素バッテリーは容量が大きく、ニッカドバッテリーに使われているカドミウムのような強い毒性のある物質を使用しないので、比較的安全なバッテリーです。
メモリー効果はありますが、ニッカドバッテリーほどではないため、継ぎ足し充電することもできます。

一方欠点としては、電動ガンに使われているものは自然放電しやすく、かつ過放電に弱いため、定期的に充電しないとバッテリーが壊れてしまうという点です。いい加減な管理で過放電してしまうと、もうそのバッテリーは使用できません。しかも、ニッカドバッテリーと違い、急速充電を行うことはできません。
また、出力がニッカドバッテリー程大きくないので、モーターの初動のトルクに劣ります。トリガーを引いてからBB弾が発射されるまでのタイムラグに影響を与えることがあります。

セル1つあたりの電圧はニッカドバッテリーと同じです。電動ガン用のバッテリーとしては、8.4V~9.6Vあたりが主流です。高電圧のものがあまりないのは、後述するリチウムポリマーバッテリーが普及して、そちらの方がより高出力にできるため、カスタム用にはニッケル水素バッテリーはあまり使われないからです。

ニッケル水素バッテリーの扱い方ですが、過放電すると壊れてしまうので、定期的に電圧を測定して、定格電圧を保つようにしてください。例えば、8.4Vのバッテリーは満充電すると9.2V程度まで電圧が上がりますが、これが8.4V程度の場合は、充電した方がいいでしょう。
ニッケル水素バッテリーは容量が減ってくると出力が大幅に下がるので、電動ガンを使いすぎて過放電になることはまずありません。動かなくなったら交換して、早めに充電する程度で十分です。


つづきます


他にもバッテリーの種類はあります。次回はリチウム系バッテリーについて解説します。

2016年9月13日火曜日

BB弾の種類と分類(材質編)

つづきから


前回に引き続いて、BB弾についての解説です。今回は材質に注目してみましょう。


3. 材質


具体的な成分は置いておくとして、その特性を見ると大きく3種類あります。


3.1 プラスチック弾

プラスチック弾は、ABS等のプラスチックを主成分としたBB弾です。比較的精度のよいBB弾が多く、価格も後述するセミバイオ弾、バイオ弾に比べて安価です。
プラスチックなので、土の中に埋めておいても、ほぼ分解されないことから、現在ではアウトドアフィールドでの使用はほぼ禁止されています。一方、インドアフィールドではどちらにせよ掃除が必要なので、使用が許可されていることが多いでしょう。



3.2 セミバイオ弾

セミバイオ弾は、硫酸バリウムや石粉等を主成分にした「いつかは風化して消える」BB弾です。一応分解されますが、完全に分解されるには相当長い時間がかかるため、プラスチック弾に準ずる扱いを受けていることがほとんどです。
特性も似ているので、ほぼプラスチック弾と考えて差し支えありません。



3.3 バイオ弾

バイオ弾は、ポリ乳酸等を主成分にした「微生物によって分解されて消える」BB弾です。土の中に埋めておくと数年で分解されるので、ほとんどのアウトドアフィールドではこのタイプのBB弾の使用が義務付けられています。もちろんインドアフィールドでも使用できます。

汎用性が高いのですが、最大の欠点として「湿気る」というものがあります。バイオ弾は生分解性を持つためか、水分を吸収して膨らむ傾向があるため、パッケージを開けて放置すると精度が低下してしまいます。また、熱にも弱いため、夏場の車の中などに放置すると、あっという間に劣化します。劣化したBB弾を使用するとエアガンにダメージを与えることがあるので、気を付けなければなりません。

通常、開封しなければ密封されているため問題はありませんが、ショップによっては温度管理がされていないことがあり、その時点で劣化していることがあるため、要注意です。できるだけ回転の良いショップで購入することをおすすめします。



この他、特殊なものとして蓄光BB弾があります。



3.4 蓄光弾

蓄光弾は、トレーサーと呼ばれる装置で強力な光を与えることにより、一定時間蛍光を放つBB弾です。プラスチック弾とバイオ弾があります。

主に夜戦で使用されるもので、連射速度の高い銃でフルオート射撃を行うと、綺麗な一直線の弾道をはっきりと見ることができます。また、弾道がよく見えるので、サイトやホップの調整も非常にしやすいというメリットがあります。
一方、製造しているメーカーが少なく、精度のあまりよくないものが多いため、弾を選ぶ傾向のあるエアガンにはなかなか使いにくい、という難点があります。また、トレーサーを付けられないエアガンに使う意味は全くありません。



まとめ


これまでに挙げたように、BB弾は特性の違うものが各種あります。特に重量は好みもあるので、一概にこれを買っておけばいいとは言いにくいものです。

しかし、BB弾の選択は、エアガンを使う上で非常に重要です。安売りされているものを安易に使うのではなく、評判の良い高品質なものを極力使った方が、精度もさることながら、エアガン自体の寿命も延ばします。

あえておすすめを挙げるのならば、東京マルイのベアリングバイオ弾0.2gまたは0.25gか、G&Gのバイオ弾0.2gまたは0.25gをおすすめします。精度もさることながら、品質が非常に安定しており、ロットによるばらつきがほとんどありません。サイズも標準的で癖がないので、迷ったらとりあえずこれを買っておけば、どこのフィールドでも、どのエアガンにも使えます。インドアフィールドであれば、上記のプラスチック弾仕様でもいいでしょう。

     

2016年9月5日月曜日

エアーコッキングガンの仕組みと特徴

はじめに


今日はエアーコッキングガンについて少し掘り下げてみましょう。
エアーコッキングガンは、エアソフトガン黎明期から存在する方式です。古くからサバゲーをやっている人にSS-9000と言うと、「懐かしいねー!」と返ってくるはずです。

仕組み


構造は非常にシンプルで、ピストンの後ろにスプリングがあり、手動でスプリングを圧縮しながらピストンを後退させ、「シアー」という部品にピストンをひっかけます。今回はピストンですが、実銃でもハンマーやファイアリングピンをセットして、トリガーを引けば撃てる状態にする操作のことを「コッキング」と呼びます。
シアーはトリガーに連動していて、トリガーを引くとシアーからピストンが外れてスプリングによって前進し、シリンダー内の空気を圧縮してBB弾を撃ち出す方式です。

スプリングの圧縮のタイミングが、シリンダーを引いた時と押し込んだ時の2種類がありますが、基本的な構造は全く同じです。どちらかといえば、シリンダーを引いた時にスプリングを圧縮する方式の方が、現在は主流です。この方式を、プルコッキングと呼びます。
逆に、シリンダーを押し込んだときにスプリングを圧縮する方式を、プッシュコッキングと呼びます。今ではほとんど使われていませんが、2016年現在発売されている製品では、Silverback Airsoftの"SRS"がこの方式です。

長所と短所


エアーコッキングガンは構造がシンプルなので、比較的安価なものが多いです。ハンドガンの場合は数千円で購入することができますし、ロングガンであっても、例えば東京マルイのVSR-10は2万円ほどで購入することができます。
しかも、BB弾を撃ち出すために必要なエネルギーは、手で圧縮したスプリングなので、BB弾以外の消耗品は不要です。いくらでも撃つことができます。

一方で、手動でスプリングを圧縮するので、連射すると非常に疲れます。ハンドガンのように小型のものの場合はスプリングを長くできないので、あまりパワーを上げてしまうと、コッキングするのがとても辛いエアガンになってしまいます。そのため、比較的ローパワーの製品が多くなっています。

ロングガンの場合は、長くしなやかなピストンを使用して多くの空気を圧縮、放出することで、コッキングが軽いまま、比較的高いパワーを持っているものが多くあります。先に挙げたVSR-10も、かなりコッキングの軽いエアーコッキングガンですが、高めのパワーを持っています。

また、作動部分が前後に動くピストンだけなので、命中精度が比較的高いのもこの方式のメリットです。ボルトアクションライフルをサバゲーでうまく使うと、スナイパーとしてかなり手強い存在になります。サバゲー以外でも、30m先のターゲットに対して射撃を行い、集弾性を競う「30mチャレンジ」といった、精密射撃においてもよく使われます。

まとめ


エアーコッキングガンでの射撃は、連射が効かない分、1発1発をしっかり狙って撃つ、射撃の醍醐味が味わえるような気がします。初心者がサバゲーで最初の一丁にするには少々厳しいですが、標的射撃をする分には無関係ですし、何よりターゲットの中心に一発で当てた時のうれしさは、連射とはまた違った喜びがあります。
そういう、一撃に賭けるストイックさが、エアーコッキングガンの魅力なんでしょうね。

2016年9月4日日曜日

エアソフトガンの種類(作動方式編)

はじめに

前回エアガンにはいくつか種類があることを書きました。
今回は、それらについてすこし掘り下げてみようと思います。


1. エアーコッキングガン

人間の手でスプリングを圧縮(コッキング)し、トリガー操作でスプリングを解放することでピストンを前進させ、その動作で圧縮された空気を使ってBB弾を発射するものです。
「エアコキ」と呼ばれることもあります。



腕力で発射準備をするので、パワーソースが必要なく、一番ランニングコストが安く済みます。極端な話、BB弾だけあればいくらでも撃つことができます。
一方、連射が結構大変、という欠点もあります。パワー規制されている今はともかく、昔はそれこそ足でスプリングをコッキングすることもあったと聞きます。まるでクロスボウですね。

構造が比較的シンプルなので、エアーコッキングハンドガンには安価なものが多いです。
一方、発射以外に余計な動作がなく精度を上げやすいことと、実銃でも手動式であり、操作をそっくりにできるということから、ボルトアクションライフルに採用されていることも多くあります。特に後者は、30mチャレンジ等の精密射撃に使われることもしばしばあります。


2.ガスガン

液化ガスが気化する力を利用して発射する方式です。ピストンのコッキングが不要なので、装填操作が軽く、連射しやすいという利点があります。一方、液化ガスが気化しにくくなる低温下では、作動に支障が出やすくなります。
ガスガンには大きく分けて「固定ガスガン」「ガスブローバックガン」の2種類があります。


2.1 固定ガスガン

固定ガスガンは、実銃のスライドやボルトに相当する部分が固定されているか、または手で動かすようになっていて、ガスは発射にだけ使われます。



リボルバー、ボルトアクションライフル、ポンプアクションショットガン等の手動式の銃であれば、実銃同様のかなりリアルな動きが楽しめます。
一方、オートマチックガンでは、リアルさに欠けますが、安価であるというメリットがあります。また、ガスが銃口からしか外に出ないため、サウンドサプレッサーを使用すると、発射音を小さくすることができます。


2.2 ガスブローバックガン

ガスブローバックガンは、ガスの膨張力を発射のみならず実銃のようなスライドやボルトの後退にも使うものです。燃費は悪いですが、リアルな作動が楽しめます。「ガスブロ」と呼ばれることもあります。



以前は主にオートマチックハンドガンに使われる方式でしたが、現在はアサルトライフルのようなオートマチックロングガンにも採用されています。モデルによっては実銃の小口径モデルに匹敵する反動を楽しむことができますし、中身もモデルガンと見まがうようなリアルな構造になっている製品もあります。
ただし、反動が大きいので、連射した時の命中精度には劣ります。とはいえ、これもリアルさのひとつとして楽しむものでしょう。


3.電動ガン

電動ガンは、エアーコッキングガンのコッキングをモーターとギアで行うものです。完全に自動で動作するので、指一本で数百発を一気に撃ち込むこともできます。電源はニッケル水素バッテリーやリチウムポリマーバッテリーからとるものがほとんどですが、一部子供向けのモデルでは、乾電池を使用するものもあります。



大抵のモデルではフルオートマチック射撃が可能で、サバゲーでは強い味方になります。
かつては作動のリアルさに欠けるモデルがほとんどでしたが、最近は発射と同時に内蔵のウェイトを動かすことで反動を再現したり、弾切れになったら自動的に作動を停止させたりといった、ギミックを搭載しているものもあります。
基本的にアサルトライフルやサブマシンガン等のオートマチックロングガンが主流ですが、一部オートマチックハンドガンでも採用されています。


まとめ

エアガンのうち、サバゲーに使うのか、標的射撃に使うのか、それともモデルガン的に楽しむのかによって、これらのどれを選ぶかが変わってきます。
最初の1丁としては、サバゲーに使う場合は電動ガンを、モデルガン的に楽しむのであればガスブローバックガンを選べばいいでしょう。標的射撃の場合は、スピードシューティングはガスブローバックガン、精密射撃はエアーコッキングガンになるかと思います。

もちろん、慣れてきたらほかの種類を買ってみて、好みのものを選ぶのが一番です。お気に入りの一丁が見つかるといいですね。

2016年9月3日土曜日

はじめましてのごあいさつとエアソフトガン

ごあいさつ

流行のサバゲーをやってみたい!とか、かっこいいシューターの真似をしたい!とか、はたまた銃そのものが好きだけど本物は買えないからできるだけリアルなのがほしい!とか、エアガンを買うにはいろいろ理由があると思います。

ネットを探していても、サバゲーの入門サイトは結構見つかるのですが、エアガンそのものを一から解説したサイトはあまり見当たりませんでした。このブログでは、主にエアガンそのものについて、解説と、私の知っている限りの情報を書いていこうと思っています。私もプロではありませんので、超高性能カスタムの方法のような記事は書けませんが、初心者の方の参考になるようなコラムから始めて、最後にはいろいろな方によろこんでいただけるようなblogにできればと思います。少しずつですが、よろしくお願いします。

さて、さんざんエアガンと呼びましたが、これらは正式にはエアソフトガンと呼びます。
エアガンは本来「空気銃」という実銃を指す言葉であって、おもちゃを指す言葉ではありません。でも、大抵の場合はエアガンで通じます。海外では空気銃が簡単に手に入る国もあるので、"Airgun"ではなく、"Airsoft"と呼ぶことが多いようです。

現在主流のエアソフトガンは6mmの球状のプラスチック弾「BB弾」を使用するものです。一部のメーカーからは8mmのBB弾を使用するものも発売されています。
作動方式としては、完全手動式のエアーコッキングガン、ガスを使用するガスガン、電気で作動させる電動ガン、の3種類が一般的です。これらの細かい特徴や仕組みについてはおいおい説明していこうと思います。

ひとつ真っ先に解説しておかなければならないことがあります。
実は、エアソフトガンは有害な玩具として、条例で規制されている都道府県がほとんどです。大抵の場合は10歳以上用と、18歳以上用にわかれていて、これらは威力に差があります。対象年齢未満の子供に販売した場合、条例で処罰されることがあります。
また、18歳以上用であっても、無制限に威力が出せるわけではありません。昔はともかく、現在は明確なパワー規制があります。
細かい定義は今のところは銃刀法と関連内閣令を読んでいただくとして、法律上は6mmBB弾の弾速がおおむね98m/s未満でなければなりません。これを超えると、「準空気銃」という実銃の所持として、銃刀法違反の重罪となります。

国内で正規に販売されているものはすべてこれらの規制をクリアしたものです。対象年齢を守り、正しく遊ぶ分には、趣味としてなんら否定されるものではありません。
最初はどうしても「威力が高い方が強い! だから凄い!」と考えてしまいがちですが、エアソフトガンの楽しみ方は威力や強さだけではないことを、このブログで少しずつ伝えられればいいなと思います。