2016年9月5日月曜日

エアーコッキングガンの仕組みと特徴

はじめに


今日はエアーコッキングガンについて少し掘り下げてみましょう。
エアーコッキングガンは、エアソフトガン黎明期から存在する方式です。古くからサバゲーをやっている人にSS-9000と言うと、「懐かしいねー!」と返ってくるはずです。

仕組み


構造は非常にシンプルで、ピストンの後ろにスプリングがあり、手動でスプリングを圧縮しながらピストンを後退させ、「シアー」という部品にピストンをひっかけます。今回はピストンですが、実銃でもハンマーやファイアリングピンをセットして、トリガーを引けば撃てる状態にする操作のことを「コッキング」と呼びます。
シアーはトリガーに連動していて、トリガーを引くとシアーからピストンが外れてスプリングによって前進し、シリンダー内の空気を圧縮してBB弾を撃ち出す方式です。

スプリングの圧縮のタイミングが、シリンダーを引いた時と押し込んだ時の2種類がありますが、基本的な構造は全く同じです。どちらかといえば、シリンダーを引いた時にスプリングを圧縮する方式の方が、現在は主流です。この方式を、プルコッキングと呼びます。
逆に、シリンダーを押し込んだときにスプリングを圧縮する方式を、プッシュコッキングと呼びます。今ではほとんど使われていませんが、2016年現在発売されている製品では、Silverback Airsoftの"SRS"がこの方式です。

長所と短所


エアーコッキングガンは構造がシンプルなので、比較的安価なものが多いです。ハンドガンの場合は数千円で購入することができますし、ロングガンであっても、例えば東京マルイのVSR-10は2万円ほどで購入することができます。
しかも、BB弾を撃ち出すために必要なエネルギーは、手で圧縮したスプリングなので、BB弾以外の消耗品は不要です。いくらでも撃つことができます。

一方で、手動でスプリングを圧縮するので、連射すると非常に疲れます。ハンドガンのように小型のものの場合はスプリングを長くできないので、あまりパワーを上げてしまうと、コッキングするのがとても辛いエアガンになってしまいます。そのため、比較的ローパワーの製品が多くなっています。

ロングガンの場合は、長くしなやかなピストンを使用して多くの空気を圧縮、放出することで、コッキングが軽いまま、比較的高いパワーを持っているものが多くあります。先に挙げたVSR-10も、かなりコッキングの軽いエアーコッキングガンですが、高めのパワーを持っています。

また、作動部分が前後に動くピストンだけなので、命中精度が比較的高いのもこの方式のメリットです。ボルトアクションライフルをサバゲーでうまく使うと、スナイパーとしてかなり手強い存在になります。サバゲー以外でも、30m先のターゲットに対して射撃を行い、集弾性を競う「30mチャレンジ」といった、精密射撃においてもよく使われます。

まとめ


エアーコッキングガンでの射撃は、連射が効かない分、1発1発をしっかり狙って撃つ、射撃の醍醐味が味わえるような気がします。初心者がサバゲーで最初の一丁にするには少々厳しいですが、標的射撃をする分には無関係ですし、何よりターゲットの中心に一発で当てた時のうれしさは、連射とはまた違った喜びがあります。
そういう、一撃に賭けるストイックさが、エアーコッキングガンの魅力なんでしょうね。

2016年9月4日日曜日

エアソフトガンの種類(作動方式編)

はじめに

前回エアガンにはいくつか種類があることを書きました。
今回は、それらについてすこし掘り下げてみようと思います。


1. エアーコッキングガン

人間の手でスプリングを圧縮(コッキング)し、トリガー操作でスプリングを解放することでピストンを前進させ、その動作で圧縮された空気を使ってBB弾を発射するものです。
「エアコキ」と呼ばれることもあります。



腕力で発射準備をするので、パワーソースが必要なく、一番ランニングコストが安く済みます。極端な話、BB弾だけあればいくらでも撃つことができます。
一方、連射が結構大変、という欠点もあります。パワー規制されている今はともかく、昔はそれこそ足でスプリングをコッキングすることもあったと聞きます。まるでクロスボウですね。

構造が比較的シンプルなので、エアーコッキングハンドガンには安価なものが多いです。
一方、発射以外に余計な動作がなく精度を上げやすいことと、実銃でも手動式であり、操作をそっくりにできるということから、ボルトアクションライフルに採用されていることも多くあります。特に後者は、30mチャレンジ等の精密射撃に使われることもしばしばあります。


2.ガスガン

液化ガスが気化する力を利用して発射する方式です。ピストンのコッキングが不要なので、装填操作が軽く、連射しやすいという利点があります。一方、液化ガスが気化しにくくなる低温下では、作動に支障が出やすくなります。
ガスガンには大きく分けて「固定ガスガン」「ガスブローバックガン」の2種類があります。


2.1 固定ガスガン

固定ガスガンは、実銃のスライドやボルトに相当する部分が固定されているか、または手で動かすようになっていて、ガスは発射にだけ使われます。



リボルバー、ボルトアクションライフル、ポンプアクションショットガン等の手動式の銃であれば、実銃同様のかなりリアルな動きが楽しめます。
一方、オートマチックガンでは、リアルさに欠けますが、安価であるというメリットがあります。また、ガスが銃口からしか外に出ないため、サウンドサプレッサーを使用すると、発射音を小さくすることができます。


2.2 ガスブローバックガン

ガスブローバックガンは、ガスの膨張力を発射のみならず実銃のようなスライドやボルトの後退にも使うものです。燃費は悪いですが、リアルな作動が楽しめます。「ガスブロ」と呼ばれることもあります。



以前は主にオートマチックハンドガンに使われる方式でしたが、現在はアサルトライフルのようなオートマチックロングガンにも採用されています。モデルによっては実銃の小口径モデルに匹敵する反動を楽しむことができますし、中身もモデルガンと見まがうようなリアルな構造になっている製品もあります。
ただし、反動が大きいので、連射した時の命中精度には劣ります。とはいえ、これもリアルさのひとつとして楽しむものでしょう。


3.電動ガン

電動ガンは、エアーコッキングガンのコッキングをモーターとギアで行うものです。完全に自動で動作するので、指一本で数百発を一気に撃ち込むこともできます。電源はニッケル水素バッテリーやリチウムポリマーバッテリーからとるものがほとんどですが、一部子供向けのモデルでは、乾電池を使用するものもあります。



大抵のモデルではフルオートマチック射撃が可能で、サバゲーでは強い味方になります。
かつては作動のリアルさに欠けるモデルがほとんどでしたが、最近は発射と同時に内蔵のウェイトを動かすことで反動を再現したり、弾切れになったら自動的に作動を停止させたりといった、ギミックを搭載しているものもあります。
基本的にアサルトライフルやサブマシンガン等のオートマチックロングガンが主流ですが、一部オートマチックハンドガンでも採用されています。


まとめ

エアガンのうち、サバゲーに使うのか、標的射撃に使うのか、それともモデルガン的に楽しむのかによって、これらのどれを選ぶかが変わってきます。
最初の1丁としては、サバゲーに使う場合は電動ガンを、モデルガン的に楽しむのであればガスブローバックガンを選べばいいでしょう。標的射撃の場合は、スピードシューティングはガスブローバックガン、精密射撃はエアーコッキングガンになるかと思います。

もちろん、慣れてきたらほかの種類を買ってみて、好みのものを選ぶのが一番です。お気に入りの一丁が見つかるといいですね。

2016年9月3日土曜日

はじめましてのごあいさつとエアソフトガン

ごあいさつ

流行のサバゲーをやってみたい!とか、かっこいいシューターの真似をしたい!とか、はたまた銃そのものが好きだけど本物は買えないからできるだけリアルなのがほしい!とか、エアガンを買うにはいろいろ理由があると思います。

ネットを探していても、サバゲーの入門サイトは結構見つかるのですが、エアガンそのものを一から解説したサイトはあまり見当たりませんでした。このブログでは、主にエアガンそのものについて、解説と、私の知っている限りの情報を書いていこうと思っています。私もプロではありませんので、超高性能カスタムの方法のような記事は書けませんが、初心者の方の参考になるようなコラムから始めて、最後にはいろいろな方によろこんでいただけるようなblogにできればと思います。少しずつですが、よろしくお願いします。

さて、さんざんエアガンと呼びましたが、これらは正式にはエアソフトガンと呼びます。
エアガンは本来「空気銃」という実銃を指す言葉であって、おもちゃを指す言葉ではありません。でも、大抵の場合はエアガンで通じます。海外では空気銃が簡単に手に入る国もあるので、"Airgun"ではなく、"Airsoft"と呼ぶことが多いようです。

現在主流のエアソフトガンは6mmの球状のプラスチック弾「BB弾」を使用するものです。一部のメーカーからは8mmのBB弾を使用するものも発売されています。
作動方式としては、完全手動式のエアーコッキングガン、ガスを使用するガスガン、電気で作動させる電動ガン、の3種類が一般的です。これらの細かい特徴や仕組みについてはおいおい説明していこうと思います。

ひとつ真っ先に解説しておかなければならないことがあります。
実は、エアソフトガンは有害な玩具として、条例で規制されている都道府県がほとんどです。大抵の場合は10歳以上用と、18歳以上用にわかれていて、これらは威力に差があります。対象年齢未満の子供に販売した場合、条例で処罰されることがあります。
また、18歳以上用であっても、無制限に威力が出せるわけではありません。昔はともかく、現在は明確なパワー規制があります。
細かい定義は今のところは銃刀法と関連内閣令を読んでいただくとして、法律上は6mmBB弾の弾速がおおむね98m/s未満でなければなりません。これを超えると、「準空気銃」という実銃の所持として、銃刀法違反の重罪となります。

国内で正規に販売されているものはすべてこれらの規制をクリアしたものです。対象年齢を守り、正しく遊ぶ分には、趣味としてなんら否定されるものではありません。
最初はどうしても「威力が高い方が強い! だから凄い!」と考えてしまいがちですが、エアソフトガンの楽しみ方は威力や強さだけではないことを、このブログで少しずつ伝えられればいいなと思います。