2016年10月5日水曜日

M4カービンのカスタム - バレルナットの規格編

つづきから


さて、バレルナットの規格についてです。
実銃のM4……AR-15ライフルのバレルナットは、そのほとんど全てが1.250inch-18tpi(1-1/4-18tpiとも)というネジ規格で統一されています。そのため、どのメーカーのアッパーレシーバーとバレルナットを組み合わせても、多少の誤差こそあれど、基本的に取り付けることができます。

一方、エアガンのM16ライフルやM4カービンのバレルナットのネジは、大きく分けて2種類が存在します。

1. M31.8×P1.5(マルイ規格)




電動ガン用のバレルナットのネジで最もメジャーなものがこの規格です。上記はMADBULL製のNoveske NSR用バレルナットのマルイ規格モデルです。

東京マルイの電動M4シリーズ及びその互換機のレシーバーは大抵この規格です。また、VFC、KSC、WAのガスブローバックM4もこの寸法になっています。
東京マルイのガスブローバックM4もこの規格ですが、アウターバレル基部が特殊な形状をしているので、サードパーティのバレルナットに変更する場合は、専用のアダプターが必要です。

市販のレプリカハンドガードに付属しているバレルナットはほとんどがこのネジに適合します。ただ、加工精度の関係でネジが浅く切られている個体もあるので、そういった場合はヤスリ等で少し削ってあげる必要があります。

2. 1.250inch-18tpi(実銃規格)



リアルさを重視したモデルの場合は、実銃のバレルナットがそのまま付くように、ネジ規格も実銃と同じになっています。上記はMADBULL製のNoveske NSR用バレルナットの実銃規格モデルです。

SYSTEMA PTWや、WEのガスブローバックM4、Prime、IRON等のリアルサイズ系WA用アッパーレシーバーはこの規格です。

PTW用と言われているレプリカハンドガードに付属しているバレルナットはこのネジに適合します。もちろん、実銃用のバレルナットも使えます。ただ、実銃用のバレルナットやハンドガードは、所持していても違法性は全くないのですが、外為法による規制があるため、個人での輸入はできません。

どのネジもそうなのですが、ミリネジとインチネジで大きく分かれます。M4の場合、実銃はほとんどがインチネジなので、それを極力再現する設計のエアガンはインチネジになっていることが多いです。
一方、普通の電動ガンは、サバゲーツールとしての設計から、入手しやすいミリネジになっているケースが多いようです。

2016年10月4日火曜日

M4カービンのカスタム - ハンドガード編

はじめに


M4カービンというか、いわゆるAR-15系ライフルは、サードパーティ製のカスタムパーツが非常に多く発売されており、それらを組み合わせて何もないところから一丁組み上げることもできてしまいます。
電動ガンも事情は同じで、国内・海外を問わず、さまざまなパーツが発売されています。

これから、それらについて時々紹介していこうと思います。
具体的なパーツについては後々に譲るとして、まずは大きく規格とか取り付け方法について説明していくことにしましょう。
最初に、ハンドガードについて解説します。

1. ドロップインハンドガード


ノーマルの樹脂製ハンドガードは、デルタリングとフロントキャップの間に挟み込むようにして取り付けられています。
デルタリングにはウェルドスプリングというスプリングが入っていて、リングが前方に向けて押し付けられた状態になっています。デルタリングをレシーバー側にぐいっと引くと、デルタリングとバレルナットの間に隙間が空くので、フロントキャップに先にハンドガードを引っ掛けてから、反対側をその隙間に入れることで固定します。



Knights ArmamentのRISやRAS、MAGPULのMOE Handguardなどは、この仕組みをそのまま使って固定するハンドガードです。これらの交換用ハンドガードは、ドロップインハンドガードと呼ばれています。


これらの取り付けは比較的簡単なので、初心者でも取り付けることができます。一般的な電動ガンのウェルドスプリングはそこまで固くないので、手で十分取り付けることができると思います。

一方、SYSTEMA PTWの場合は、ウェルドスプリングが異様に固い(実物よりも!)ので、手でやる場合は相当苦労することと思います。特に実物のドロップインハンドガードを使う場合は、デルタリングアセンブリをまるごと実物に交換してしまうことをおすすめします。

2. フリーフロートハンドガード


ドロップインハンドガードはハンドガードをバレルナットとフロントキャップの2点で固定します。バレルナットはいいのですが、フロントキャップはバレルの中ほどにあるので、ここに荷重がかかると、バレルの安定性に影響を与えてしまうことがあります。

そこで開発されたのは、フリーフロートハンドガードです。
このタイプのハンドガードは、純正のバレルナットの代わりに専用のバレルナットを使って、バレルナットにだけ固定します。そのため、バレルがハンドガードと接触せず、バレルの安定性に影響を与えない、という寸法です。

今はこのタイプのハンドガードが主流で、米軍でも特殊部隊向けのモデルや選抜射手向けのモデル(マークスマンライフル)にはフリーフロートハンドガードが使用されています。

有名なところだと、著名インストラクターのクリス・コスタ氏が一時期使用して人気となったKnights ArmamentのURXシリーズや、米軍が採用しているDaniel DefenseのRIS2、カーボンファイバー製のPRI GenIII等があります。本当にいろいろなメーカーから発売されているので、調べてみると面白いかもしれません。

トイガン用には、レプリカとしていくつか発売されています。中にはきちんとライセンスを取った上で、実銃に取り付けができないようにほんの少しだけ構造を変えた専用のものもあります。こういったものは非常に出来が良く、見た目も精度もよいので、値段はそこそこしますがおすすめです。


欠点としては、取り付けに専用工具が必要になるケースが多いことです。特に酷いのがURXシリーズで、初代URX、URX2/III/3.1、URX4でそれぞれ要求する工具が違います。トイガン向けのレプリカも当然それに準じて専用工具が必要なので、あまり初心者向けではありません。

案外取り付けが楽なのがGeissele Automaticのハンドガードで、モデルによって微妙にことなりますが、基本はバレルナットをねじ込んでからハンドガードを前から差し込み、ボルトで固定するだけです。正式ライセンス品はありませんが、レプリカがいくつか発売されています。

ところで、さきほどからちょいちょい「バレルナット」という言葉が出てきていたかと思います。これはバレルをアッパーレシーバーに固定するためのネジなのですが、実はこのネジ、同じM4カービンと言っても、エアガンのメーカーによって微妙に異なっています。
エアガンにはこういう微妙な規格の差がちょくちょくあります。このブログでは、そういった点についても紹介していこうと考えていますので、次回はバレルナットのネジ規格について書こうと思います。

それでは、つづきます。

2016年10月3日月曜日

バッテリーのコネクターの規格

はじめに


電動ガンは比較的息の長い製品です。一方で、近年のスマートフォンなどをみればわかりますが、バッテリーの進歩はとても早く、小型で、軽量で、大容量で、出力の大きい製品がどんどん出てきています。
バッテリーの特性が変われば、その出力方法……端子の形状も変化していきます。このあたりは結構常識でありながら、なかなかまとまった情報がWeb上にないので、いい機会ですから整理しておくことにします。

1. ラージコネクター


一番最初に採用されたコネクターです。タミヤのラジコンに使われているので、タミヤコネクターとも呼ばれます。
メスコネクター内部のピンが、オスコネクター内部のプラグに挿入されることで通電します。コネクターの取り付け方法は圧着です。

定格電流は15Aで、電動ガンを普通に使う分にはなんとか足りる程度でしょう。

主に固定ストックにバッテリーを格納するモデルで使用されています。というより、コネクターのサイズが大きいので、ハンドガードやバッファーチューブにバッテリーを格納するのが難しい、と言った方がいいかもしれません。

このコネクターはひとつ欠点があります。ピンをプラグに挿入するという方式であるため、脱着を繰り返すとプラグが広がってしまい、接触不良を起こしやすいことです。
電動ガンを作動させると大きな電流が流れるので、ほんの少しの接触不良なら普通に動いてしまうのですが、その場合スパークが発生するので、ピンとプラグが焦げてしまいます。これによって、接触不良を悪化させて、最終的には使えなくなってしまうことがあります。
どうも最近動作のキレが悪い、と思ったら、コネクターを疑ってみるといいかもしれません。

2. ミニコネクター


ラージコネクターを一回り小型にしたコネクターです。仕組みはラージコネクターと全く同じなので、基本的な特性、特徴もラージコネクターと全く同じです。

サイズが小さいので、ハンドガードや伸縮ストックにバッテリーを格納する場合によく使われるもので、現在主流のコネクターです。

定格電流10Aと、電動ガンを作動させるには少し心もとない性能です。フルオートメインの運用であればまだよいのですが、リチウムポリマーバッテリーを使ってセミオートを多用する場合は、なるべくこのコネクターから変更した方がよいと思います。

3. マイクロディーンズコネクター


ミニT等とも呼ばれるコネクターです。板バネ状の端子が突き出していて、コネクターを接続するとバネの力で端子が密着する仕組みになっています。

この端子は定格電流30Aまで耐えられるので、高電圧バッテリーを使用するモデルによく使われます。板バネで押さえつける関係上、電流のロスが少ないので、タミヤコネクターやミニコネクターと比べて、同じバッテリーを使っていても少し性能が良くなります。
また、コネクターが非常に小さく、ミニコネクターの半分ほどしかないので、バッファーチューブ内にバッテリーを格納するのにうってつけです。

一方、オス側の端子が露出しているので、扱いを誤ると変形させてしまうことがあります。また、取り付けを間違えてオス側をバッテリーに取り付けてしまうと、ショートさせてしまう危険性があります。バッテリーには必ずメス側を取り付けるようにしましょう。
コネクター自体はプラスマイナスを逆に繋ぐことはできませんが、端子を接触させるだけならできてしまうのも欠点です。コネクターの取り付けにはんだ付けが必要なこともあり、総じて上級者向けのコネクターと言えます。

4. BECコネクター


BECコネクターは非常に小さなコネクターで、電動ハンドガン用のリポバッテリーアダプターに使われています。電動ハンドガンはバッテリーを格納するスペースがほとんどなく、マイクロディーンズコネクターですら大きすぎるので、これが使われています。

定格電流が3Aしかなく、電動ガンに使うには完全に力不足です。セミオートの連射を使用するのにはかなり厳しいスペックと言わざるを得ません。基本的には電動ハンドガン用なのでそうそう多く撃つこともないとは思いますが、このコネクターを使う場合は、あまり連射をしすぎないようにする必要があるかと思います。

まとめ


基本的には大きいコネクターほど効率がよく、寿命も長いのですが、スペースが限られた電動ガンではそうそう大きなコネクターを使うわけにもいかないのがネックです。
内部カスタムをしていない状態でそのまま使う分には、純正状態で使っても特に問題はないでしょう。特にラージコネクターの場合はそこそこ余裕があるので、無理して変更する必要もないかと思います。
一方、サイクルを上げたり、電子制御方式にしてプリコック制御を行う場合、大電流を流すことになるので、マイクロディーンズコネクターのような高効率のものに変更することをおすすめします。

ちなみに、すべてのコネクターはショートを防ぐため、バッテリー側をメスコネクターにします。電動ガン側のバッテリーコネクターと、バッテリーのコネクターをまとめて交換する場合は気を付けるようにしましょう。

2016年10月2日日曜日

電動ガンのバッテリー格納(M16ライフル・M4カービン 後方配線編)

つづきから


では、後方配線です。これもいくつかの格納方式があります。


3. 後方配線・ストック


M16ライフルのように固定ストックモデルの場合、ストック内部に大きなスペースを用意できるので、そこに設置するのが定石です。以前はニッカドバッテリーで容量も少なかったので、大容量タイプのバッテリーを固定ストックに入れることで連続稼働時間を延ばすようにする人もいました。
今でこそリチウムポリマーバッテリーを使用して他の場所に入れる人も増えましたが、固定ストックにバッテリーを格納するようにすれば、内部が広くケーブルの取り回しも楽なので、今でも好む人が多い方式です。

一部のM4カービンはSOPMODストックのようなバッテリーコンパートメントのあるストックを使うことで、伸縮ストックでもバッテリーを格納できるようにしています。
次世代SOPMODのSOPMODバッテリーはこれの亜種で、複数の接点を組み合わせて専用のストックを使うことにより、カセット式のバッテリーを伸縮ストックに使えるようにしたものです。取り回しは非常に楽ですが、あまり効率がよくないのが欠点です。
アダプターを使えば通常のバッテリーを使うこともできます。


4. 後方配線・バッテリーポーチ


後方配線でもバッテリーケースを使用することができます。こちらはレール取り付け型ではなく、ストックに取り付けるポーチが主流です。
これは以前よく見られた方式で、ストック内に格納するような大型のバッテリーを伸縮ストックの横に括り付けて運用します。大きく重いバッテリーでも、銃の後ろ側に重量がかかるので、取り回しはそれほど難しくはありません。

ただ、リチウムポリマーバッテリーのように衝撃に弱いバッテリーをこの方式で使うことはおすすめできません。どちらかといえば大型のニッカドバッテリーを使いたい人向けです。


5. 後方配線・バッファーチューブ


バッファーチューブは細く、ニッカドバッテリーやニッケル水素バッテリーはとても入りませんが、リチウムポリマーバッテリーの普及によって、バッファーチューブもバッテリーの格納場所として使えるようになりました。

スペースが狭いので大きなバッテリーは入りませんが、800mAh程度のリチウムポリマーバッテリーであれば、バッファーチューブにすっぽりと入れることができます。
東京マルイ製品はリチウムポリマーバッテリーの使用をメーカーが推奨していないので、標準でこの方式を採用するものはありません。G&Pなど、主に海外製の製品がこの方式を採用しています。また、SYSTEMA PTWもこの方式です。

次世代SOPMODや次世代M4では、バッファーチューブ内にリコイルウェイトが入っているため、この方式は使用できません。
また、スペースが狭いのでコネクターのサイズが問題になることがあります。後日紹介しますが、マイクロディーンズコネクターという形状のコネクターに取り換えて使っている方がほとんどです。

これらの他に、最近開発された特殊な方式があります。これがマガジンバッテリー方式です。


6. マガジンバッテリー


東京マルイ 次世代電動ガン HK416Cや、SYSTEMA PTW リコイルモデルは、バッテリーをマガジンに格納する「バッテリーマガジン方式」になっています。




この方式の最大の利点は、パワーソースの位置が実銃と全く同じであることです。実銃は当然ながらカートリッジ内の発射薬の燃焼ガスで動作するので、パワーソースはマガジン内に存在することになりますが、バッテリーマガジン方式では、それと同様に、バッテリー内にBB弾と一緒にバッテリーを格納します。
そのため、バッテリーという電動ガンに必須の巨大なパーツが銃本体から取り除かれるので、銃に大きなスペースが必要とされなくなります。

ただし、マガジンをバッテリーに格納するということは、マガジンごとにバッテリーを用意しなければならないということでもあります。しかも装弾数が少ないので、余計にマガジンが多く必要です。特にSYSTEMA PTWの純正マガジンバッテリーは非常に高価で、マガジンとセットでガスブローバックハンドガンが買えるくらいの価格設定がされています。

また、リチウムポリマーバッテリーを使用している場合等は特にですが、マガジンの乱暴な扱いでバッテリーが破損すると危険なので、マガジンチェンジでマガジンを投げ捨てたりしないように注意する必要があります。


まとめ


電動ガンの場合、そもそもバッテリーをどこに入れるかは非常に大きな課題です。リチウムポリマーバッテリーの普及でだいぶ融通がきくようにはなりましたが、M4カービンは案外スペースがなく、毎回悩ましいところです。

リチウムポリマーバッテリーに抵抗がないのであれば、バッファーチューブにバッテリーを格納すると、ストックとハンドガードを自由に選べるようになるのでおすすめです。

2016年10月1日土曜日

電動ガンのバッテリー格納(M16ライフル・M4カービン 前方配線編)

はじめに


前回次世代SOPMODの紹介をしましたが、次世代SOPMODはそのバッテリーの格納方式に非常に特徴のあるモデルでした。

電動ガンは当然ながらバッテリーが無ければ動作しないものですが、バッテリーは比較的場所を取る部品なので、毎回格納場所に苦労します。
M16ライフル・M4カービン系の電動ライフルでは、大きく分けてメカボックスの前側にバッテリーを配置する前方配線と、後ろ側に配置する後方配線の2種類があります。具体的には、以下のような場所にバッテリーを格納するようになっています。


1. 前方配線・ハンドガード


スタンダード電動ガンのM4A1カービンや、次世代電動ガン M4A1カービンのように、ノーマルのハンドガードを使用したM4カービンは、ハンドガードにバッテリーを格納します。

スペースにはあまり余裕がないので、ニッケル水素バッテリーやニッカドバッテリーの場合は、ミニバッテリーと呼ばれる種類のバッテリーを使用します。リチウムポリマーバッテリーの場合は自由な形状にできるので、二股になったヌンチャクバッテリーなども入ったりします。




2.前方配線・バッテリーケース


レールハンドガードを取り付けたM4カービンの場合、とてもミニバッテリーが入るようなスペースはハンドガード内にありません。しかし、ニッカドバッテリーやニッケル水素バッテリーはどうしてもサイズが大きいので、そのほかのどこにもバッテリーを格納する場所がない、ということがあります。

このような場合は、レールに取り付けることのできるバッテリーケースを用意して、その中に格納することができます。もちろん、リチウムポリマーバッテリーを入れることもできます。

大抵の場合は、軍用のレーザーサイト(AN/PEQ-2やAN/PEQ-15、AN/PEQ-16等)をモチーフにしたバッテリーケースを使用します。以前はバッテリーサイズの関係でデフォルメされていることも多かったですが、現在ではリチウムポリマーバッテリーを使用することで、本物そっくりの形状を持ったバッテリーケースもあるので、それほど違和感なく使用することができます。




つづきます


前方配線はこのくらいなのですが、後方配線にも種類が結構あります。また、最近はその他の方式も出てきています。結構な分量になりそうなので、続きは次回にしましょう。

2016年9月30日金曜日

エアガンの紹介 - 東京マルイ 次世代電動ガン SOPMOD M4

はじめに


エアソフトライフルの中でも一二を争う人気を誇るモデルが、米軍が使用するM4A1カービンですが、ひとくちにM4と言ってもバリエーションが多岐にわたりすぎていて、どれを選んだらさっぱりわからない、ということはありがちです。
今回は、そのうちのひとつ、東京マルイの次世代電動ガン SOPMOD M4を紹介したいと思います。


1. M4カービン



米軍がベトナム戦争時に採用したM16ライフルは、50年以上に渡って改良を加えられながらいまだに使われ続けています。戦闘形態の変化に伴って、長大なフルサイズライフルよりも、取り回しの良いカービンがありがたがれるようになりましたが、米軍もそれにしたがい、M16ライフルの短縮バージョンである、M4カービンを採用しています。

M4カービン、あるいはM4A1カービンは、M16A4ライフルのバレル長を14.5inchとして、ストックを5ポジションの伸縮タイプにしたモデルです。バーストモデルがM4カービン、フルオートモデルがM4A1カービンですが、現在では主にM4A1カービンが使われています。

米軍が使っているだけあってエアガンでも特に人気があり、もちろん電動ガンでも何種類も発売されています。その中には、単純な射撃性能だけでなく、ギミックが盛り込まれたモデルもいくつか存在します。そのうちのひとつが、次世代電動ガン SOPMOD M4(次世代SOPMOD)(http://www.tokyo-marui.co.jp/products/electric/nextgeneration/201)です。


2. 次世代電動ガン SOPMOD M4


SOPMODとは"the Special Operations Peculiar MODification"の略で、特殊作戦用に回収が加えられた装備のことを意味します。具体的に特定のモデルを表すわけではないのですが、SOPMOD M4と言った場合、大抵はKnights ArmamentのRAS(Rail Adapter System)とLewis Machine & Tool CompanyのCraneストックを取り付けたものを指します。

次世代SOPMODもまさにそのような構成をしていて、アルミダイキャスト製のレシーバーにやはりアルミダイキャスト製のRASレプリカと、ABS製のCraneストックレプリカが取り付けられています。
スタンダード電動ガンのM4A1カービンとは異なり、レシーバーが金属製で比較的頑丈なのがポイントです。ただし、その分重量はありますので、サバゲ利用では不利かもしれません。

次世代電動ガンシリーズは、シュート&リコイルエンジンというギミックを搭載していて、ピストンの作動に連動して内部のウェイトを前後させて、疑似的な反動を再現する仕組みを持っています。実銃とは異なり前に向かうような反動ではありますが、それでもBB弾の発射と同時に銃が大きく振動するので、撃っていてとても楽しい銃です。

また、次世代SOPMODをはじめとする次世代M4シリーズには、マガジン内のBB弾を撃ち切ると自動的に作動が停止するオートストップシステムも搭載しています。再度撃つには、マガジンを交換してボルトキャッチを押す必要があります。ノーマルマガジン専用で多弾マガジンでは使えませんが、弾切れ時のリロードアクションが楽しめます。
この機構のため、スタンダード電動ガンのM4A1カービンとのマガジンの互換性はありません。

命中精度ですが、設計が新しいためか初速が比較的高いのと、チャンバーの性能がよいこともあって、東京マルイの電動ガンの中ではトップクラスの性能を誇ります。ただし、フルオート射撃時は振動で狙いがずれてしまうので、弾が散ってしまいます。これもロマンのひとつと思いましょう。

次世代SOPMODは、バッテリーとして専用のSOPMODバッテリーを使用します。これはニッケル水素バッテリーをコの字に組み立てたもので、ストック後部のバットプレートを外して差し込むだけの簡単取り付け仕様になっています。



扱いが非常に楽なのがメリットですが、ニッケル水素バッテリーであることと、構造上接点が多く、効率が悪いのが欠点です。通常の電動ガンは大抵1秒に約15発ほどのサイクルで発射しますが、次世代SOPMODは1秒に約13発ほどと、やや遅めのサイクルになっています。また、セミオートロックも発生しやすいのが難点です。
サードパーティからリチウムポリマーバッテリーを取り付けるためのアダプターも発売されているので、気になるようであればそちらを使用するのもよいでしょう。

次世代SOPMODは金属製のレシーバーを使っているので比較的頑丈な部類ですが、使い込むと振動でバッファーチューブがガタついてくるという持病を持ちます。現在のモデルは改良されてはいますが、それでも傷みやすいので、定期的にバッファーチューブとキャッスルナットが緩んでいないか、点検することをお勧めします。きちんと手入れをしてれば、取り返しがつかなくなるほど傷むことはなかなかありません。

次世代電動ガンシリーズは比較的価格が高めであることと、特許で守られているため海外製のコピー商品が存在できないこと(そんなことは当然だと思われるかもしれませんが、海外製のエアガンにはかなりの割合で日本製品のコピー商品が存在します)の2点から、海外製のカスタムパーツは比較的少なめです。

ただし、グリップ、ハンドガード等はスタンダード電動ガンのM4A1シリーズと完全な互換性があるので、外装パーツの交換で困るところといえばレシーバーとストックくらいでしょう。
ストックも交換したいのであれば、ノーマルのM4A1を再現した次世代電動ガン M4A1カービンも発売されているので、そちらを選ぶとよいでしょう。こちらはSOPMODバッテリーではなく、通常のバッテリーをハンドガード内に格納します。



次世代SOPMODは多少の欠点はありますが、性能が非常に高いので、おすすめできる電動ガンのひとつです。単純なBB弾の発射のみならず、射撃そのものの面白さも一緒に味わえる電動ガンとしては、随一のものだと思います。

2016年9月29日木曜日

エアガンの紹介 - 東京マルイ ハイキャパ 5.1

はじめに


ここまで長々と基本的な事柄について書いてきましたが、今後は時々エアガンの機種についての紹介をしていこうと思います。私が使ったことのあるものばかりになってしまうのはご勘弁ください。

最初は東京マルイのハイキャパ 5.1についてです。


1. ハイキャパ 5.1



ハイキャパ 5.1(http://www.tokyo-marui.co.jp/products/gas/blowback/55)はいわゆる「ハイキャップ 1911」と呼ばれるもののひとつです。デザインの細かい部分は東京マルイオリジナルですが、実銃のSTI 2011をモデルにしています。

2004年発売とやや古いモデルですが、実射性能が高く、マッチ等でもよく使われます。というより、箱出しの状態で相当当たるので、東京マルイ製品によくある「カスタムすると性能が悪化する銃」のひとつです。

通常のガバメントモデルと違って、マガジンがダブルカラム仕様なので、グリップが太いのが難点ですが、その分マガジンが大きく、連射しても性能が落ちにくいというメリットがあります。

STI 2011はグリップとシャーシが分割式になっていますが、ハイキャパ5.1もその例に漏れず、アルミダイキャスト製のシャーシとABS製のグリップでフレームが構成されています。シャーシが金属でフロント部分が重いので、強いリコイルでありながらフロントの跳ね上がりを抑えられるので、命中精度を高くできます。
銃そのものの使い方は通常のガバメントモデルと同じです。シングルアクションのコック&ロック仕様で、グリップセフティも付いています。

とにかくカスタムパーツが豊富で、サードパーティのパーツだけで一丁組めてしまうほどパーツが揃っています。パーツ交換はやや面倒な方です。最初はマグウェルとか、マガジンキャッチのように、本体を分解しないで取り付けられるパーツから入れていくといいかもしれません。

欠点としては、スライドストップノッチが欠けやすいことと、ディスコネクターの作動不良があります。前者はマルイも問題としたのか、同型のスライドを使用するウォーリアシリーズでは亜鉛ダイキャスト製のブローバックハウジングからアームを延長させて、スライドではなくそこにスライドストップをかけるようにして、スライドストップノッチが欠けないようにしています。

後者はマルイのガバメントモデルの持病で、使い込むうちにディスコネクターが上がらなくなってしまい、トリガーを引いてもハンマーが落ちなくなってしまう現象です。ディスコネクターは亜鉛ダイキャストにクロームメッキしたパーツなので、表面がデコボコしており、引っかかってしまうのが原因なので、ディスコネクターの干渉しているところを少し磨いてあげると解決します。それでダメなら、シアースプリングが劣化しているのが原因なので、新品に交換することをお勧めします。一時的な回避策としては、シアースプリングのディスコネクターを押し上げる部分を少しまげて、テンションを上げるのも有効です。


2.バリエーション


ハイキャパ 5.1にはいくつかのバリエーションモデルがあります。

まずは、スライド長を5.1inchから4.3inchにしたハイキャパ 4.3です。シャーシとスライドが同じ長さで、前面がフラットになっているので、ハイキャパ 5.1とはまた違ったスパルタンな印象があります。



ハイキャパ 4.3にはフルオート専用のモデルがあります。これがハイキャパエクストリームで、夏場に使うと猛烈な作動をしてくれます。ブローバックハウジング、ハンマー、シアー、ディスコネクターが専用品になっています。



ハイキャパ 5.1は作動性がよいので、純正でマッチ仕様のカスタムガンがあります。最初に発売されたのがハイキャパマッチカスタムで、肉抜きされたスライドによって高速な作動ができましたが、いかんせん肉抜きしすぎたのか破損が多く、すぐに生産終了してしまいました。


現在発売されているものがハイキャパゴールドマッチで、マッチカスタムのパーツ形状を調整した上で、金属パーツを金色にメッキしてあります。シャーシの形状が特徴的で、フロントが斜めに延長されているので、通常のハイキャパとはまた違った味わいがあります。



また、ガスブローバックガンには珍しく、子供向けのローパワーモデル、ハイキャパ 5.1Rがあります。青少年育成条例で定められた0.135J以下というパワーをクリアした、14歳以上用のモデルです。本来このパワーならば10歳以上用になるところですが、スライドが激しく動くことから、14歳以上用としたようです。




パワーが低い以外は完全に通常のハイキャパ 5.1と同じで、インナーバレルアセンブリを除いてカスタムパーツの互換性もあります。

その他、ハイキャパのスライドは東京マルイのガバメントモデルと互換性があるため、組み替えが可能です。ウォーリアシリーズはハイキャパ 4.3のスライドをほぼそのまま使っています。