2016年10月31日月曜日

ファイアリングモード(セミオート)

はじめに


前回ガスブローバックのM93Rを紹介しましたが、この銃にはセミオート、フルオート、3点バーストの3種類のファイアリングモードがあります。このような銃を、セレクティブファイアと呼びます。

電動ガンの場合は電子制御か機械制御で通電回数をカウントしてモーターを動作させるわけですが、ガスブローバックガンの場合は実銃と同じように、部品の組み合わせでハンマーの動作を制御しています。

今回はこの仕組みについて、説明しましょう。
なお、ここで説明するのはクローズドボルト式の銃についてです。オープンボルト式については、またの機会にとさせてください。

1. セミオートマチックモード


セミオートマチックモードは、「トリガーを1回引いたら1回発射される」仕組みです。
実銃の場合はチャンバーにカートリッジが入っている状態から、トリガーを引いて発射後、次のカートリッジがチャンバーに入って動作が終了します。ガスブローバックガンの場合はカートリッジがありませんがおおむね同じで、発砲後次のBB弾が自動的にチャンバーに入って、動作が終了します。

トリガーを引くとシアーが外れてハンマーが落ちるわけですが、スライドやボルトの動作は非常に速いので、発射後ハンマーがコックされた時も、トリガーは普通引かれたままのはずです。トリガーはシアーと連動していますから、トリガーを引いたままではシアーがハンマーにかからず、コックされたハンマーがそのまま落ちて、連射になってしまうのではないか、と思うかもしれません。

しかし、実際はそうなりません。
トリガーを引いて一発弾丸を発射すると、ディスコネクターという部品が作動して、トリガーとシアーの連動が絶たれ、シアーから見るとトリガーが引かれていない状態と同じ扱いになります。これで、シアーがハンマーにかかるようになります。
作動したディスコネクターは、トリガーを戻すとリセットされますから、「トリガーを1回引いたら1回発射される」という仕組みが実現できます。

これがセミオートマチックモードの仕組みです。
電動ガンの場合は、前に書いたように全然違う方式で作動を止めているのですが、ガスブローバックガンはほぼこの方式で実現されています。

なので、ディスコネクターの調子が悪くなると、トリガーを引いている間スライドが動作し続けてしまうような現象が起こります。これはフルオートでもなく、単なる暴発です。細かいことは、次回、フルオートマチックモードの回で説明することとしましょう。

2016年10月28日金曜日

エアガンの紹介 - KSC Beretta M93R II(SYSTEM7)

はじめに


Beretta Mod93R、通常M93Rは、マシンピストルとしてとても有名なモデルです。トイガンにおいても、かつてMGC初のガスガンとして発売され、大ヒットしました。
MGC全盛期に協力企業として活躍していたKSCは、MGC廃業後にガスブローバックガンとしてM93Rを発売し、その後改良されながら現在でも再生されるたびに売り切れてしまう人気のモデルとなっています。

1. M93R


SPが要人を護衛する際、サブマシンガンやアサルトライフルでは物々しすぎて威圧感を与えてしまうため、Mod92をベースに3点バースト機構を取り付けて開発された大型マシンピストルがBeretta Mod93Rです。構造もそっくりで、ロッキング方式はMod92譲りのプロップアップ式になっていますが、セフティはコック&ロックセフティが採用されています。

最大の特徴は、やはりその3点バーストです。ピストルのバレルから撃ち出される9x19mm弾でも、バースト射撃ができればサブマシンガン並の制圧力を持ちます。Mod93Rはトリガーガードの前に折り畳み式のフォアグリップがあり、ストックも取り付けられるので、カービンとしての運用も可能です。

KSCのM93Rは、バースト機構もきちんと再現されています。最初に発売されていたKSC M93Rでは、オートマチックシアーが省略されていたので、ディスコネクターをキャンセルしただけの暴発に近いバースト射撃でしたが、M93R IIではオートマチックシアーが装備されているので、スライドが閉鎖してからハンマーが落ちるように改良されています。

KSCのM93R IIはスライドストロークが実銃よりもやや短く、作動スピード寄りの調整がされています。
M93R IIには無印とSYSTEM7の2種類があり、無印モデルは機械式のブローバックエンジンで、SYSTEM7はコバアクセル方式の負圧式ブローバックエンジンなのですが、特に後者は作動が異様に高速で、強烈な破裂音と共に一瞬で作動が終わるため、バースト射撃時の安定性が抜群です。

また、M93R IIには、実銃とは異なりフルオートポジションがあります。セレクターをセミオートとバーストの間にセットすると、フルオートモードに切り替わります。無印M93Rの頃からある機能ですが、無印M93Rには∞マークがあったものが、M93R IIでは実銃通り無刻印になっています。

マガジンはロングマガジンが標準装備です。M92FシリーズのSYSTEM7モデルと互換性があるので、そちらのマガジンを使用するとよりコンパクトにすることができます。

2. バリエーション


元々実銃も1モデルしか存在しないものなので、M93R IIにはあまりバリエーションはありません。

まず、最初に発売されたものが、ABSモデルです。ABS樹脂製でスライドが軽量なため、SYSTEM7のトルクと相まって、猛烈な作動スピードを誇ります。ただし、スライドがあまりにも高速に動作するため、やや耐久性に劣るのが欠点です。
なお、最近は後述するHWモデルが中心で、こちらはあまり生産していないようです。

金属粉入りのヘビーウェイト樹脂で構成されたHWモデルもあります。実銃はスライドもフレームもスチールなのですが、HWモデルはどちらもヘビーウェイト樹脂で作られています。KSCのヘビーウェイト樹脂はかなり重く、ABSモデルよりは作動スピードは遅いものの、十分快調な動作をします。


ヘビーウェイト樹脂は脆いのが欠点ですが、他社に比べてKSCのそれは比較的頑丈な部類に入ります。とはいえ元々繊細なモデルではあるので、夏場等は破損に気を付けてください。

KSCは頻繁にマイナーチェンジを行うメーカーで、最新のロットではチャンバーが改良されています。そのため、命中精度はマルイにも劣りません。
一方、マガジンの生産数が毎回少ないので、サバゲーやシューティングに使いたい人は多めに買っておくことをおすすめします。特にM93R IIはバーストやフルオート射撃が楽しいモデルなので、マガジンを多く買っても損はないと思います。

2016年10月26日水曜日

M4カービンのカスタム - マガジンキャッチ編

はじめに


M4カービンのカスタムについて、ちょっと忘れていたことがありました。

マガジンを固定するためにマガジンキャッチというパーツがあるのですが、このパーツについても各社サイズが違っています。
これもまとめておこうと思います。

1. マルイ電動規格



東京マルイのスタンダード電動ガン M4カービンで使用されているもので、そのクローンのAR-15ライフルも全てこの寸法です。

実銃用とはサイズが違っており、取り付け方法もほとんどがネジ止めになっていますが、VFCなど一部のメーカーは実銃と同じ取り付け方法になっています。
電動ガンのレシーバーは、SYSTEMA PTWなどごく一部のモデルを除いてほとんどが実銃やガスブローバックガンよりも幅広になっているために、マガジンキャッチも特殊なサイズになっています。

2. 次世代M4規格


同じ東京マルイの電動ガンでも、次世代電動ガンはマガジンキャッチの形状が少し違っています。そのため、スタンダード電動ガン用のマガジンキャッチを使用することはできません。

高性能ながらあまりカスタムパーツが出ていないのが次世代電動ガンの欠点なので、基本的には純正パーツを使用することになります。ただ、スタンダード電動ガン用でも、多少加工すれば取り付けられるものもあるようです。

3. WA ガスブローバックM4規格



WAのガスブローバックM4のマガジンキャッチは、実銃用よりもサイズが少し大きく、専用のものを必要とします。取り付け方法は実銃と同じです。

4. 実銃規格


実銃のマガジンキャッチがそのまま使えるタイプです。SYSTEMA PTWと、WA用のリアルサイズレシーバーがこれに対応します。当然、取り付け方法も実銃と同じです。

ただ、取り付けられるだけではうまく作動しないことがあります。特にガスブローバックガンに関しては、BB弾だけではなくガスもマガジンから供給する必要があるので、マガジンのガス放出口のパッキンが、ノズルのガスルートにきつくもなくゆるくもなく、適切に密着している必要があります。うまく動かない場合は、マガジンキャッチやマガジンのパッキン、マガジンを削って調整する必要があります。

まとめ


これらの他、各社のガスブローバックM4もそれぞれ専用のマガジンキャッチを必要とします。ものによっては使えるものもあるかもしれませんが、給弾不良や作動不良の原因にもなるため、きちんと動作するように設定するには根気が必要です。

マガジンの固定は地味ながらエアガンをきちんと動作させるのにとても重要なことで、マガジンキャッチの精度もそれに効いてきます。特に、SYSTEMA PTWやガスブローバックM4はマガジンの位置にシビアなので、最初のうちは純正を使って、慣れてきてから交換した方が、トラブルを避ける意味でもおすすめです。

2016年10月25日火曜日

電動ガンのマガジン

はじめに


実銃の場合は単発式ライフルというものもありますが、エアガンの場合は大抵の場合マガジンがあります。

ガスブローバックガンの場合は、サイズの差こそあれどどれもほとんど同じ構造なのですが、電動ガンの場合はその構造によっていくつか種類があります。

1. ノーマルマガジン



BB弾にスプリングでテンションをかけて押し出すタイプです。装弾数としては30発~120発あたりが相場です。

スプリングテンションを使うため、常にBB弾がチャンバー側に押し出される形になっているので、BB弾が中で遊びにくくなっています。そのため、ジャラジャラという音はしませんし、弾同士が当たって傷つくこともあまりありません。
ただ、スプリングテンションをそこまで強くできないので、マガジンによってはBB弾を選ぶ傾向があります。前にマルイとG&GのBB弾をおすすめしたのは、大抵のノーマルマガジンで問題なく使えるためです。

次世代M4や次世代SCAR、SYSTEMA PTW等のノーマルマガジンには、作動ストップギミックが入っているので、対応する銃本体と合わせると、弾切れになった時に作動が停止します。後述する多弾マガジンではできないので、このギミックを活用したいのであればノーマルマガジン一択になります。

また、一部のマガジンは装弾数を実銃と同じ数に制限する機能が付いています。上記の作動ストップギミックと合わせて、マガジンチェンジの醍醐味が味わえます。まあ、ひとりだけこの機能を使うとサバゲーでは不利ですが……そこはロマンというところでしょうか。

2. ゼンマイ式多弾マガジン



ゼンマイが戻る力でBB弾を押し出すタイプです。装弾数としては300~500発あたりが相場でしょうか。

このタイプはゼンマイで無理やり押し出すので、ある程度BB弾のばらつきによる給弾不良を抑えることができます。ゼンマイの力なので限度はありますが、あまり品質の良くない弾でも使用できることがあります。

一方、ゼンマイで押し出すルートに入る前の弾はマガジン内で遊んでいるので、弾が減ってくるとジャラジャラ音がしてしまいます。強く振ったりすると弾同士が当たってしまって傷がつくこともあるので、精密射撃にはあまり向いていません。
また、作動ストップギミックは通常オミットされていて、対応する銃であっても使用することはできません。

あと地味ながら面倒なのが、ゼンマイの巻き上げでしょう。大抵はマガジンボトムにギア状のダイアルが出ているので、そこを指で回しますが、結構疲れます。最近はマガジン横に六角レンチを入れて巻けるようになっていたり、マガジン底からワイヤーが出ていて、それを引っ張ることで巻けるものもあります。

多弾マガジンの最大の利点は、これ一本だけ持っていっても十分にサバゲーの1ゲームを遊びきれるところです。特に装備があまり整っていない初心者の方の場合、ノーマルマガジンを持ち運ぶ方法がありませんから、これはかなりの利点だと思います。
個人的には、初めてサバゲー用に電動ガンを買った時、一緒に1本ゼンマイ式多弾マガジンを買うことをおすすめします。

3. 電動式多弾マガジン



ゼンマイ式多弾マガジンのゼンマイをモーターで巻きあげるようにしたものです。通常は機関銃タイプの電動ガンに使用します。

このタイプはとにかく装弾数が多く、1000発を超えるものもあります。その分巨大で、構造もやや複雑になる傾向があります。

独立したスイッチが付いていて、押している間ゼンマイを巻いてくれるものがほとんどですが、一部の専用品には音感センサーで発射を検知したり、トリガーと連動させたりして、自動的に巻き上げる機能が付いているものもあります。

機関銃タイプの電動ガンには最初から付いていることが多いので、それらを使う場合にはこのマガジンのお世話になることが多いでしょう。ライフル用の電動式多弾マガジンもありますが、相当な勢いでばらまかない限りは、これほどの数を撃ち切ることはあまりありません。

ちなみに、たまにゼンマイの入っていない欠陥品があります。ゼンマイが無いとモーター停止で給弾が止まってしまい非常に使いづらいので、注意してください。

まとめ


上でも書きましたが、最初のうちはゼンマイ式の多弾マガジンをひとつ買っておくと便利です。ノーマルマガジンより少し高いくらいで購入できます。ノーマルマガジンのマガジンチェンジはすごく楽しいのですが、いかんせん4本も5本も持ち歩くには、マガジンポーチの付いたリグやプレートキャリアが必要で、マガジンと合わせると値も張るので、最初はなかなか大変です。

電動ガンを買うと大抵はノーマルマガジンが1本付いてきますから、それを撃ち切ったら多弾マガジンにチェンジする(多弾マガジンはポケットにでも入れておく)というような使い方でも十分楽しめると思います。

2016年10月24日月曜日

エアガンの紹介 - MGC P7M13

はじめに


モデルガン時代にトップメーカーをひた走り、エアガン時代にはアフターシュートガスブローバックで一時代を築いたのがMGCです。すでに倒産してしまったメーカーですが、モデルガンメーカーらしく珍しい銃をエアガンとしてモデルアップしていました。そのひとつがP7M13です。

1. P7(PSP)


P7は、Heckler & Kochがドイツ警察の制式拳銃のトライアルに向けて開発したオートマチックピストルです。H&Kは近年では非常にオーソドックスなピストルを発売し、人気を博していますが、かつては非常に特殊な機構を持った、独特のピストルばかりを発売していました。P7もそのひとつです。

P7はガスディレードブローバックという方式のオートマチックピストルです。オートマチックピストルで比較的高威力の実包を発射する場合、単に発射の反作用でそのままスライドを作動させてしまうと、高圧の発射ガスが射手に吹き付けてしまって危険なので、発射ガスの圧力が下がるほんの少しの間だけ、スライドが後退しないようになっています。
ガスディレードブローバック方式は、発射ガスをフレーム側のシリンダーに流し込んで、スライドの作動を妨げるダンパーとすることで、スライドの後退を遅延させる方式です。このタイプの作動方式を持ったオートマチックピストルはほとんどありません。そのうちのひとつがP7です。

また、P7はスクウィーズコッカーという安全装置を備えていて、グリップ前方のレバーを握り込むことでストライカーがコックされ、発射状態になります。もしレバーを離すと、ストライカーは自動的にデコックされて待機状態に戻るので、発射できない状態になります。つまり、握っていなければ発射できず、握るだけで発射可能な状態になるので、安全性と即応性が高いという特徴があります。
また、スライドストップも兼用していて、最終弾発射後ホールドオープンしたスライドは、スクウィーズコッカーを握りなおすことでリリースされます。
ただし、構造が複雑で部品点数が多くなるので、P7以外に採用されたモデルはありません。

P7はスライドの高さが低く、サイトラインも低いため、構えた手の人差し指を伸ばした先と銃口の指す先が近く、狙いやすい銃とされています。ガスディレードブローバック式でバレルが固定されていることもあって、命中精度はかなりよいものだったそうです。

2. P7M13


P7はいくつかのバリエーションが存在します。一番最初に開発されたのがPSPと呼ばれるモデルで、のちにP7と改名されました。そのマイナーチェンジバージョンがP7M8で、P7M13はそのダブルカラムモデルです。

ダブルカラムなのでグリップが太くなってしまい、若干不格好にはなりましたが、P7特有のコンパクトさと精度の高さはそのままになっています。
MGCのP7M13はこれをモデルアップしており、スクウィーズコッカーによるストライカーコック・デコック以外のメカは全てライブになっています。

MGCのP7M13は同社グロック17のメカニズムを応用していて、ハンマーを持っていません。トリガーを引くと、トリガーに連動したバルブノッカーを直接作動させて放出バルブを叩く、独特の方式になっています。これは、グロックもP7も、外装式のハンマーを持たない、ストライカー方式のピストルだったためだと思われます。ストライカー方式のピストルで、ストライカーまで再現されたエアガンは、現在に至るまで発売されていません。

ハンマーがないので、スクウィーズコッカーによるコック・デコックは再現できませんでしたが、スクウィーズコッカーはセフティとして作動するので、グリップを握っていない限り発射できなくなっています。また、ホールドオープンの解除もスクウィーズコッカーでできるようになっています。

アフターシュートガスブローバック方式なので命中精度はあまりよくありませんし、ホップアップシステムもないので射程も短いですが、作動自体は非常にしっかりとしていて、キビキビと動作してくれます。
ただ、当時のヘビーウェイト樹脂はあまり頑丈ではなく、経年劣化もあるので、何度も撃っていると貴重なスライドを割ってしまうかもしれない点には注意です。そのくらい気持ちよく動いてくれます。

スクウィーズコッカー周りが若干繊細なので、調子のいい個体は無理にいじらない方がいいでしょう。もう部品が手に入らないので、もし手に入れることができたら、大事に扱ってあげてください。

2016年10月22日土曜日

エアガンの安全な取り扱い方(ガスブローバックガン編)

はじめに


ガスブローバックガンは構造がかなり実銃に似ているので、ほぼ同様の扱い方ができます。ただ、やはり実銃とは構造が違う部分もあるので、注意が必要です。

1. 基本的な取り扱い


ガスブローバックガンは大抵の場合マガジンにパワーソースであるガスが入っているので、マガジンを取り外してしまえばもう作動しません。必ずマガジンセフティが付いているようなものです。そのため、撃たない時はマガジンを抜いておくのが基本です。

マガジン無しで弾を抜きたい場合は、スライドストップかボルトキャッチをかけた状態にして、バレルの先端からクリーニングロッドを突っ込みます。ボルトキャッチがない銃の場合は手で押さえながらやることになるので、手をはさんだりしないように気を付けましょう。

なお、撃たない場合はセーフティをオンにしたいところですが、コック&ロックセフティの場合はハンマーを起こさないかぎりセフティをオンにできません。だからといってハンマーを起こしてしまうのはまさに本末転倒なので、ハンマーダウンのままで大丈夫です。

グロックの場合は完全に再現したためにマニュアルセフティが付いていないモデルがあるので、やはりマガジンを抜いておきましょう。

2. ガスの抜き方


基本的にガスを入れっぱなしにするのはマガジンによくありません。ただし、マガジンの放出バルブを手で押して放出するのは避けてください。というのは、放出バルブのパッキンが冷えによって痛むことがあるためです。

マガジンに弾が入っていないことを確認してから、空撃ちでガスを消費するようにしましょう。

なお、メーカーによってはマガジンに微量のガスを入れて保管することが推奨されているモデルもあります。そのような場合は、ガス、できればHFC-134aを入れた状態で保管してください。この場合、日の当たる場所や暑い部屋には放置しないでください。破裂するおそれがあります。

2016年10月21日金曜日

エアガンの安全な取り扱い方(電動ガン編)

はじめに


エアガンは外見こそ銃にそっくりですが、実際のところ仕組みが全然違うので、実銃と同じように扱えばいい、というわけではありません。
ただ、基本的には「引き金を引いても弾が出ない」状態にするのが基本です。

仕組みや構造によって取り扱い方は変わってくるので、まずはそれぞれについてまとめていきましょう。

なお、最初にひとつだけ理解していただきたいのは、安全な取り扱いとは「自らが心掛け、実践する」ものであって、「誰かを糾弾し、実践させる」ものではありません。何をさておいても、この点だけはしっかりと守ってほしいと思います。

1. 基本的な取り扱い


電動ガンは実銃とは異なり、そのパワーソースと弾丸が別々に供給されます。そのため、「マガジンを抜いていても弾が出る可能性がある」ことに注意しなければなりません。

一般的な電動ガンの場合、マガジンを抜いていても、マガジンからチャンバーまでの給弾ルートにBB弾が残ることがあります。また、電子回路で常にノズルとピストンが前進した状態で停止するように制御しない限り、撃った後にチャンバーに弾が残っていることがあります(プリコックにすると確実にチャンバーに弾が残ります)。
この状態でトリガーを引くと、マガジンが無くても弾が発射されてしまいます。

なので、一番良い方法は「マガジンを抜いてから安全な方向に向けて発砲して弾を抜く」です。実銃と違ってスライドやボルトを動かしても弾を抜けないので、撃ってしまうのが確実です。
サバゲフィールドやシューティングレンジでも、フィールドアウトや射撃終了する際にはこの方法を使っているところがほとんどです。

弾を抜き終わったら、セレクターをSAFEポジションにしておきましょう。
なお、電子制御式ではSAFEポジションを発射に割り当てられるものがありますが、正直危険なのであまりお勧めはしません。

2. バッテリーの取り外し


長期にわたって使わない場合は、必ずバッテリーを取り外すようにしましょう。バッテリーが入っていなければ電動ガンは動かないので、最大の安全策です。

また、電子制御式だったり、FETが入っていたりすると、作動させていなくても電流が流れているので、バッテリーを消耗します。リチウムポリマーバッテリーでこれをやってしまうと、発火する恐れもあるので、注意してください。

3. ピストンの解放


安全性とは直接関係ないのですが、使い終わったらセミオートで一発撃ってから保管することをお勧めします。

機械スイッチ式の場合、カットオフレバーがあってもいくらかピストンがコックされた状態で停止するのですが、セミオートよりもフルオートの方が勢いが付いている分より多くコックされてしまいます。そのまま放置するとスプリングが圧縮されたままになり、テンションが落ちてしまうので、セミオートで撃って解放する、というわけです。

電子制御式でピストンが前進状態で完全停止するようになっているものは、気にしなくても構いません。一方、プリコック機能を使っている場合は、制御基板の機能を使って解放することになります。プリコック機能が付いている電子制御基板には、通常ピストン解放機能がありますが、もしも無い場合(あるいはなんらかの細工をして停止位置を変えている場合)は、分解して逆転防止ラッチを解除する必要があります。大変面倒くさいので、あまりお勧めはしません。

シア式の場合は、電源を切った状態(またはバッテリーを抜いた状態)で引き金を引くとエアーコッキングガンとして作動するので、それを活用してスプリングを解放できます。