2016年11月30日水曜日

銃の持ち運び - Haley Strategic INCOG Rifle Bag

つづきから


Larueのライフルバッグは使いやすくてよいのですが、いかんせん入手性に非常に難があるのがネックでした。しかし、似たような製品は他社からも発売されています。

6. Haley Strategic INCOG Rifle Bag


Haley Strategicが発売している、INCOGブランドのライフルバッグです。Haley StrategicはMAGPULのCEOを務めていたTravis Haley氏が立ち上げたブランドで、タクティカルシューティング向けの製品を主に発売しています。

外形はLarueのCover Rifle Caseに似ていますが、こちらはベルクロではなく内部にウェビングが配置されていて、銃を固定できるようになっています。

上面にはMOLLEプラットフォームの他、装備品を入れることができるメッシュポーチが配置されています。元々、シューティングに必要な装備を一式持ち歩けるように設計されたケースなので、小型のチェストリグであれば十分入ります。

カラーはHaley StrategicのシンボルカラーであるDisruptive Grayのみですが、Larueと異なりサイズのバリエーションがあるため、長い銃を入れることもできます。
一番オーソドックスなものがINCOG Carbine Rifle Bagで、このサイズでもLarueよりも大きいため、14.5inのM4A1カービンでも入れることができます。
16in以上の長いライフルの場合は、INCOG Long Rifle Bagを選択できます。少し価格は上がりますが、18inクラスのSPRも入ります。

また、このblogを書いている段階ではまだPRE-ORDERですが、INCOG Subgun Rifle Bagという、サブマシンガンサイズの製品もあります。伸縮ストックのMP5や、折り畳みストックのカービンサイズのAKがちょうどすっぽり入る長さのようです。

Haley Strategicは日本への発送を行ってくれるので、クレジットカードさえあれば普通に購入できるのが良い点です。ライフルバッグとはいえ実際は単なるナイロンのバッグですから、個人輸入に特に法律的な制限はありません。

元々タクティカルシューティング向けの製品を出しているメーカーなので、デザインも洗練されており、おすすめの製品のひとつです。

2016年11月22日火曜日

銃の持ち運び - LaRue Covert Rifle Case MkII

つづきから


前回紹介したバックパックもそうなのですが、最近はライフルだけではなくマガジンやピストル、チェストリグなどの装具一式をまとめて格納できるケースが出てきています。
AR-15用のパーツを各種発売しているLaRue Tacticalからも、特徴的なケースが発売されています。

5. LaRue Covert Rifle Case MkII

LaRue Tacticalが発売しているCovertケースです。Covertとは「秘密」の意味で、銃を目立たせずに持ち運ぶためのケース、といったあたりでしょうか。




このケースもナイロン生地のソフトケースです。FirstSpearのケースと違って、オーソドックスなバッグの形をしています。
内部には固定の仕切りがなく、ベルクロ式の後付けの仕切りを取り付けて使用します。そのため、細かく仕切って小物を入れたり、大きく区切って長めのライフルを入れたりすることができます。

上蓋側にはMOLLEウェビングの他、専用のマガジンポーチを取り付けることのできるベルクロが縫い付けられています。マガジンポーチは標準で1つ付属していますが、別売で追加のポーチも販売されています。

この製品はカラーバリエーションが非常に多いのが特徴です。通常のライフルバッグはどうしても黒やカーキ、オリーブドラブといったいかにもミリタリーライクなものがほとんどですが、この製品には鮮やかな赤や青といった、普通のスポーツバッグにも使われている色が用意されています。Covert Caseの面目躍如といったところでしょうか。

弱点としては、どうしても製品の性質上小柄にならざるをえなかった点です。一般的なAR-15系の場合、10.5inが限界で、それ以上になるとテイクダウンしなければ入りません。また、14.5inのSCAR-Lの場合はストックを折りたたむ必要があります。16.5inの民間版SCAR(SCAR 16S)はストックを折りたたんでもギリギリ入りません。
やはりFirstSpearのように、テイクダウンできるAR-15系カービン向けといった趣の製品です。

また、もう一つ大きな問題があります。この製品は単なるバッグなのですが、メーカーが日本への発送を一切行っておらず、またアメリカのネットショップでも取り扱っていない(少なくとも私は見たことがありません)ため、海外に行って買ってくるか、eBay等に出品された時に落札するか、または現地で購入できる人に送ってもらうしかありません。

製品は非常によいものなので、もし手に入るのであればおすすめのひとつなのですが、いかんせん入手性が悪すぎるのが最大のネックです。運よく手に入る機会があれば、とりあえず買っておいてもいいかもしれません。

2016年11月16日水曜日

銃の持ち運び - FirstSpear Noveske Discreet Backpack

つづきから


今まで紹介してきたケースはどれも見た目がいかにもライフルケースで、車ならともかく公共交通機関で持ち歩くにはいささか気が引けるものでした。
同じような悩みはアメリカでもあるようで、一見して普通のバッグに見えるようなものも発売されています。

4. FirstSpear Noveske Discreet Backpack




FirstSpear, LLCが、Noveske Rifleworksの要求に答えて作られた製品です。見た目は大きめのバックパックで、背中に背負えるように肩紐が付いています。

ぱっと見は登山用品にも見えるような外見なので、ライフルを入れていても目立ちません。
サイズが小さめなので長い銃はそのままでは入りませんが、16inクラスのAR-15であればテイクダウンすることで収納できます。そのまま入れる場合は10.5inクラス、CQB-Rまででしょうか。
SCAR-Lの場合はストックを折りたためばそのまま入ります。

内部には銃を固定するためのラバーコードが2本取り付けられていて、背負っている時に銃が中で動かないようにすることができます。内部にMOLLEウェビングが張り巡らされているので、空いている部分にマガジンポーチを取り付ければ、装備を一式持ち運ぶことも可能です。
ちなみに、標準で1つポーチが付属しています。

外側にはジッパーで閉じられる小さい収納がひとつと、解放型の大きな収納がひとつあります。大きい方の収納には小型のチェストリグを入れられるくらいの容積があります。
また、左右にはペットボトルが入るくらいの収納があるので、ここにBBボトルやガスボンベを入れることができます。

非常に使い勝手のよいバッグなのですが、入手性が悪いのと、先に述べたようにサイズが小さいのがネックです。

入手性については、FirstSpear製品を扱っているショップに問い合わせるのが一番確実かと思います。メーカー公式通信販売でも、国が選択できるようでしたので、もしかすると直輸入も可能かもしれません。

サイズについては、元々AR-15をテイクダウンして収納することを前提にしているので、長いライフルは入りません。マルイタイプの電動ガンをテイクダウンするにはネジを外す必要があるので、普通はそのまま入れることになりますが、その場合は短めの銃しか入らないことになります。
一方、SYSTEMA PTWや各社のガスブローバックガンの場合は簡単にテイクダウンできるので、かなりお勧めのバッグです。その他の銃でも、折り畳みストックを装備しているものについては、相当長いバレルでない限りは入るので、選択肢のひとつにしてもよいかもしれません。

2016年11月13日日曜日

銃の持ち運び - Uncle Mike's ライフルバッグ

つづきから


ハードケースは銃を強固に守ってくれて、移動用には便利なのですが、いかんせん重量と体積がかさむので、持ち運びにしろ保管にしろかさばる、という点があります。
ソフトケースは長期の保管にはあまり向いていませんが、軽く柔らかいので、サバゲー等に持ち出す時にとても便利な品です。

3. Uncle Mike's ライフルバッグ


実銃用のライフルバッグで、入手性もよく、安価に買える製品です。
非常にオーソドックスな作りで、内側には特にギミックや機能はなく、クッション材を詰めた柔らかい生地で銃を守ってくれます。

外側にはマガジンやハンドガンを入れることができるポーチがいくつか付いているので、コンパクトにまとめれば銃はこれ一つで全部まとめることができます。

2種類のサイズがあり、ミディアムタイプは内部が838×254mmあるので、14.5inのM4A1カービン(ストックを縮めた状態で約80cm)を入れることができます。マガジンポーチが側面に3つ付いていて、M4マガジンをぴったり入れることができます。MP5のマガジンなら、各ポーチに2つずつ入ります。


ロングタイプはさらに長く、1092×254mmと、1mクラスのライフルも入ります。こちらはポーチが5個付いているので、ライフルマガジンだけではなく、ピストルのマガジンも容易に持ち歩くことができます。


大きな欠点もなく、汎用性の高い安定したケースです。
最初のひとつにするには向いていると思います。

2016年11月12日土曜日

銃の持ち運び - Plano ライフルケース

つづきから


ペリカンケースは頑丈でよいのですが、いかんせん価格が高いのがネックです。
実銃用で入手性のよいケースで、できるだけ安いものを、と考えると、Planoのケースがおすすめです。

2. Plano ライフルケース


Planoのケースはペリカンケースのような頑丈さはありませんが、実銃用のケースとしてはかなり安く、入手性もよい商品です。

ラインアップにいろいろなサイズがあり、ライフルを複数丁入れられる大型のものから、ピストル用の小型のものまで、広く揃えられています。材質はやや柔らかめのプラスチックでできていて、標準で波型のウレタンが2枚入っています。
スナイパーライフルのような長大な銃を入れられるペリカンケースとなると、1750クラスの製品が必要になりますが、Planoのライフルケースでは1万円未満でそのサイズの銃を入れられるケースが手に入ります。
マガジンを一緒に持ち歩くのであれば、ダブルタイプを選んでもよいかもしれません。


また、ピストル用のケースはかなり安価で、1丁ずつマガジンとセットで入れておくと持ち出すときにかなり楽なのでお勧めです。ピストル中心の人は大型のタイプを選んでおくと、複数丁入ります。

 

専門店以外でも、ホームセンターで販売されていることがあるのもメリットです。工具箱の売り場に置いてあることがあるので、探してみるといいかもしれません。

ケースそのものは軽量で、持ち運びは難しくありません。ただし、対衝撃性は内部のウレタンに依存します。

ペリカンケースに比べると厚みがなく、サイドレールにパーツを取り付けていると蓋がしまらないのが難点です。材質が柔らかいのと、ウレタンがバッファーになるので、多少無理をしても閉まりますが、幅の広いパーツは外した方がよいかもしれません。
密閉性はほぼないので、水気のある所には置かない方がよいでしょう。


2016年11月11日金曜日

銃の持ち運び - ペリカンケース

はじめに


サバゲーにしろシューティングにしろ、フィールドやシューティングレンジまで銃を持っていかなければならないことは多々あります。
おもちゃとはいえ、知らない人が見ればぎょっとするような外見をしているのがトイガンですから、可能な限り見えないようにして持ち運ぶべきですし、何よりいい加減な運搬では、大切な銃を壊してしまうかもしれません。

銃のケースには大きく分けてハードケースとソフトケースがあります。
ここでは、ライフルサイズの持ち運びに絞って、ハードケースを紹介したいと思います。

1. ペリカンケース


軍でも使用されているとても有名なケースです。ライフル専業ではなく、パソコン用やスーツケース等も作っていますし、カメラを趣味にしている方は、カメラの持ち運びに使っているかもしれません。

ペリカンケースはとにかく頑丈で、飛行中のヘリから投げ落としても壊れないほどの耐久性を誇ります。ライフル用としては1700、1720、1750の3種類があります。

頑丈な分非常に重いのですが、キャスターが付いているため転がして移動させることができます。
フタにはゴム製のパッキンが付いていて、水が入らないようになっています。そのままだと気圧差で開けられなくなることがあるので、調整用の弁も付いています。

1700はM4A1カービン等の14.5inサイズのライフルに適合します。1720だと、16inクラスのライフルを入れることができます。それ以上の長さの場合は、1750を選択します。1750だと、長めのボルトアクションライフルも十分入ります。
個人的には1720が汎用性が高く、おすすめです。


非常に良いケースなのですが、欠点としては、価格が高いことが挙げられます。輸入品なので為替レートにも左右されますが、一番汎用性の高い1720が、およそ4万円ほどの価格で販売されています。
また、ウレタンフォームがフタ用1枚、本体用1枚、底板1枚の合計3枚付属しているのですが、本体用を銃の形に合わせて切ってしまうと、当然元には戻りません。そこで、替えのウレタンフォームを買うことになるわけですが、純正品が非常に高価で、しかも必ず3枚セットでの販売になってしまっています。
市販のウレタンフォームをいくつか組み合わせて使うこともできますが、ペリカンのウレタンフォームは適度に固く、内容物をしっかり保持してくれるので、なかなかそれと同等のものは見つからないのが現状です。

本体用のウレタンフォームを取り除いてしまっても、厚みのあるものであればフタ用と底板の2枚のウレタンフォームである程度固定されるので、投げたりするようなことがないのであれば本体用のウレタンフォームは保存しておいてもいいかもしれません。
また、後で紹介するソフトケースに入れた上で、ペリカンケースに格納するという手もあります。

2016年11月9日水曜日

エアガンの紹介 - 東京マルイ 次世代電動ガン SCAR-L

はじめに

M16の採用以来、現代に至るまで米軍はAR-15系のライフルを採用し続けていますが、一方で新しい銃の採用を検討したことも何度もあります。SCAR-Lもそのうちの一つです。

1. FN SCAR-L


 

FN SCARは、FN Herstal社がアメリカ特殊作戦群(SOCOM)のSCARプログラムに向けて開発したアサルトライフルです。5.56x45mm仕様のSCAR-Lと、7.62x51mm仕様のSCAR-Hがあり、全く同じ操作性を持ちます。
アッパーレシーバーはガスブロックまで一本のアルミブロックからできていて、AR-15の弱点であるバレル基部の弱さがありません。作動方式はショートストロークガスピストンのため、汚れにも強くなっています。

結局SCARプログラムはキャンセルされ、SCAR-Lが全面的に採用されることはありませんでしたが、SCAR-LはMK16、SCAR-HがMK17、SCAR-Hのロングバレル・マークスマンライフル仕様がMK20として、一部部隊で使用されています。

東京マルイはこのSCAR-Lの第4世代型をモデルアップしています。第3世代型はWEとVFC、またVFCのコピー商品をDboysが発売していますが、第4世代型は次世代電動ガンのみです。
セレクターの角度が違うので、第3世代型と第4世代型はすぐわかります。セレクターを水平にした状態でSEMIになるのが第3世代型、SAFEになるのが第4世代型です。

次世代SCAR-Lは、次世代M4と同様のギミックを備えていて、シュート&リコイルエンジンと、作動ストップ機構を装備しています。また、アッパーレシーバーが実銃同様に一本のアルミ材でできているので、かなりリアルな構造をしています。寸法もかなり実銃に近く、一部サードパーティの実銃用ハンドガードは小加工で取り付けることができます。
アウターバレルもSCAR-Lはアルミの一本物で、基部と分割されていないので比較的頑丈です。

ストックは折り畳みが可能で、そのためにストック基部がかなり特殊な形状をしています。そのため、実銃用のストックや、VFC/Dboys用のストック等は全く取り付けができません。ストックのロックボタンの強度があまり高くないので、無理にパチンと勢いよくロックすると、割れることがあります。注意してください。

この電動ガンは精度が非常に高く、初速も高めに設定されているので、長射程での精密射撃が可能です。一方で、重厚なアルミのアッパーレシーバーが長く伸びているので、かなり重いのが難点です。VFC用のMK13 EGLMグレネードランチャーの取り付けもできるのですが、これを付けると構えて走り回る気が全く起きないほどの重さになります。

ごく初期のロットでは、アッパーレシーバーのトップレールが切削不良を起こしていたこともありましたが、現在の製品では完全に修正されています。

対応バッテリーはミニバッテリーです。ストックに入るので、交換は簡単な部類でしょう。

2. バリエーション


SCARは軍用銃なので、いくつかのバリエーションがあります。なお、次世代SCARには、全てのモデルにブラックとFDEのカラーバリエーションが存在します。


最初に発売されたのが、5.56x45mm仕様、14.5inバレルのSCAR-Lです。マガジンは次世代M4系と互換性があるので、次世代M4を持っている方は追加で買い足す必要がなく、便利です。


次に発売されたものが、SCAR-Lの10.5inバレル仕様であるSCAR-L CQCです。アウターバレルが短くなったのに合わせて、インナーバレルも短くされています。


SCAR-Lは上記2種類ですが、7.62x51mm仕様のSCAR-Hも発売されています。SCAR-Hはアウターバレルがガスブロック部分で2ピースになっていて、エクステンションアウターバレルを取り付けておくと16.5inのカービン仕様、取り外すと12inのCQBカービン仕様になります。

なお、SCAR-Hは実銃もそうなのですが、SR-25やM14等の他の7.62x51mm系バトルライフルとのマガジン互換性はありません。専用品になります。

2016年11月7日月曜日

エアガンの紹介 - KSC HK53

はじめに


サバゲーで電動ガンが有利だとなると、東京マルイ以外のメーカーも当然電動ガンを発売したくなるわけですが、東京マルイの電動ガンの構造は当然ながら特許で保護されていたので(現在は一部切れています)、国内メーカーはそれを回避する必要がありました。
そんな中KSCから発売されたのが、モータードライブエアーコッキングガン HK33シリーズです。

1. HK33


HK33は、H&KがG3ライフルをダウンサイジングして設計したアサルトライフルで、ローラー遅延式ディレードブローバックを採用して、G3ライフルとほとんど同じ構造をしています。命中精度が非常に高いのですが、高価な上にM16ライフルのガス圧作動式に比べて実包の装薬量の違いに敏感なので、あまり人気の出なかった銃です。

KSCのHK33はこれをモデルアップしており、亜鉛ダイキャスト製のレシーバーとグラスファイバー入りの樹脂パーツのおかげで、かなりリアルな作りになっています。

KSCのHK33はモータードライブエアーコッキングガンと呼ばれていて、普通の電動ガンと異なり、シア式になっています。トリガーはあくまでもピストンの解放にだけ使われ、ピストンのコッキングとは連動していません。ピストンの後退状態からの作動になるので、ロックタイムが極端に短いのが特徴です。
また、手動コッキングが可能なので、バッテリーが無くてもエアーコッキングガンとして使用することができます。

一方で、現在のような電子制御が生まれる前の製品のため、ピストンの制御をアナログスイッチで行っており、精密な制御ができません。そのため、マニュアルにない無理な使い方をすると壊れやすい、という欠点があります。
この銃にはトリガー前方に電源スイッチがあるのですが、このスイッチをONにする前に必ずコッキングレバーを使用してピストンをコッキングした状態にしておくことが要求されています。コッキングしないでONにしてしまうと、ギアのタイミングがずれてしまい、ギアやピストンを破損することがあります。
これがこのエアガンの評価を下げた一因なのは間違いありません。

また、シア式ではあるのですが、ピストンを後退させながらシアを解放するので、トリガーがかなり重めです。元々実銃も軍用銃として設計されたものなのでトリガーは重めですが、普通の電動ガンに慣れた人には辛いかもしれません。

内部メカはマルイの特許を回避するために独自の構造になっていて、やや複雑です。しかし、このエアガンのメカボックスは、ピストン部とギア部の2つに分割することができるので、ピストン部だけであれば分解組み立てはそれほど難しくはありません。

箱出し状態だとやや初速が低いのですが、ピストン部を分解してOリングを市販のものに変更するだけで、マルイ製品に匹敵する初速を得ることができます。サバゲーで使うのであればこの調整を行っておくとよいでしょう。
具体的には、部品No.109を内径7.0mm/外形11.0mmの平パッキンに、部品No.120を内径7.8mm/外形12.0mmのOリングに、それぞれ交換します。これらはホームセンターに売っているごく一般的なものです。

2. バリエーション


H&Kはロングガンをストックやバレル長でバリエーション化しており、HK33もその例に漏れずバリエーションモデルが存在します。KSCはそのうちのいくつかをモデルアップしています。

最も最初に発売されたのが、フルサイズバレルに伸縮ストックを装備したHK33A3です。バッテリーはレシーバーに格納するようになっています。


その後、同じフルサイズバレルに固定ストックを装備したHK33A2と、カービンバレルに伸縮ストックを装備したHK33Kが発売されています。


また、HK33シリーズにはバレルを極端に短くしたサブマシンガンモデルがあります。イギリスのSASでも採用されたこのモデルがHK53で、KSCは伸縮ストックのHK53(HK53A3に相当します)と、固定ストックのHK53 SFPDをモデルアップしています。

 

2016年11月2日水曜日

ファイアリングモード(バースト)

つづきから


フルオートマチックモードは強力ですが、いくつか欠点があります。
ひとつは、射撃速度が高すぎて、弾を使いすぎるという問題です。サバゲーのBB弾と違って、実銃の場合は1つのマガジンに高々30発程度しか入りませんから、フルオートマチックでは2~3秒もあれば撃ち尽くしてしまいます。

また、フルオートマチックモードの場合、連続して発射するので、反動が激しくなる傾向があります。銃のグリップは重心からずれていますから、反動を受けると銃が跳ね上がってしまい、狙いが外れることが多くなります。

これらの欠点を解決するための方法として、バーストモードがあります。

3. バーストモード


バーストモードは、フルオートマチックモードの射撃を数発で強制的に中断する仕組みです。3点バーストは3発、2点バーストは2発で、自動的に連射が停止します。

バーストモードの基本的な動作はフルオートマチックモードとほぼ同じですが、シアーやその周辺のパーツが発射弾数をカウントできるような仕組みになっています(銃によって異なります)。3点バーストなら3発、2点バーストなら2発発射後に、セミオートマチックモード同様にディスコネクターが作動して、トリガーとシアーとのリンクを絶つことで、作動を停止させる仕組みです。

バーストモードが付いている銃はどうしてもパーツ点数が多くなる傾向があります。以前は射撃に慣れていない新兵が弾丸を多く消費することへの対策としてしばしばバーストモードが採用されましたが、メンテナンス性が低下したり、いざという時の火力に劣ったりすることが忌避され、あまり使われなくなっています。

アサルトライフルでは、かつてM16A2ライフルがフルオートマチックモードの代わりに3点バーストモードを採用していましたが、現在のM16A4ライフルやM4A1カービンはフルオートマチックモードに変更されています。
M16A2ライフルのバーストモードはフルオートマチック仕様のM16A1ライフルに比べて部品点数がほとんど増えておらず、非常にシンプルな構造でした。しかしその一方で、バースト射撃を途中で中断した時にカウンタがリセットされないため、最初の1回はバースト射撃される弾数が不安定になるという弱点を持っていたため、余計に火力に欠ける側面があったことは否めません。

一方、ロシアのAN94ライフル、通称アバカンは、興味深い目的のために2点バーストモードを応用しています。このライフルは、きわめて特殊な構造になっていて、フルオートマチックモードの最初の2発だけが、通常よりも高速に連射されるように設計されています。これによって、フルオートマチック射撃で銃が跳ね上がる前に2発撃ち出すことを可能にして、制圧力を上げています。
ただし、やはり構造が非常に複雑で、AK47シリーズの最大の特徴であったシンプルでルーズな構造は失われています。

また、日本の自衛隊が採用している89式小銃にも3点バーストモードが装備されています。M16ライフルのものとは異なり、バースト射撃中断時にカウンタがリセットされるため、半端な射撃はできなくなっています。日本の自動小銃として防衛戦闘を主目的として設計されている89式は、マシンガンに近い連射モードを重要視した設計になっているため、バーストモードを標準装備したのだと思われます。

トイガンでは、KSCのM93Rシリーズが3点バーストモードを装備しています(M93R-C、オート9はオプションです)。また、タニオコバのVP70に別売りのストックを取り付けると、3点バーストが使用可能になります。
ロングガンでは、VFCのUMPやG36シリーズに2点バーストモードの付いたモデルがあります。さらに、一部のガスブローバックのM16A2ライフルは、実銃同様のギアラック式3点バーストを採用しています。構造が実銃と同じなので、発射弾数が不安定になる点も完全に再現されています。

2016年11月1日火曜日

ファイアリングモード(フルオート)

つづきから


ハンドガンの場合はセミオートマチックモードがあれば十分ですが、ロングガン、特に軍用銃の場合は、相手の動きを抑制するために、フルオートマチックモードが付いていることがほとんどです。

2. フルオートマチックモード


1回のトリガー操作で1発発射されるセミオートマチックモードに対して、トリガーを引いている間作動が継続するのがフルオートマチックモードです。

前回、「ディスコネクターの調子が悪くなると、トリガーを引いている間スライドが動作し続けてしまう」と書きました。一見するとこれがフルオートマチックモードのように思えますが、この動作の場合、スライドやボルトキャリアが前進するのに合わせてハンマーが落ちていくので、ハンマーの打撃力が完全には伝わりません。そのため、不発が起きたり、発射サイクルにばらつきが発生したりします。

正式なフルオートマチックモードを持つ銃では、このような現象に対処するため、「フルオートシアー」という部品を持っています。フルオートシアーはスライドやボルトキャリアが閉鎖した時に自動的にトリップするシアーで、フルオートマチックモードでスライドが閉鎖するまで、ハンマーを保持する機能を持ちます。ディスコネクターが作動しない状態でも、閉鎖するまではフルオートシアーがハンマーを抑えているので、先に挙げたようなスライドの動作に合わせてハンマーが徐々に落ちる現象が起きなくなります。

先日紹介したKSC Beretta M93R IIはフルオートシアーを持つため、フルオートシアーの無い無印モデルに比べて、連射モード時の安定性に格段の差があります。ガスブローバックガンの場合、ハンマーの打撃力がきちんとバルブノッカーを通してマガジンの放出バルブに伝わっていないと、ガスの放出量が不安定になって作動も不安定になりやすいので、フルオートシアーの有無が作動性に大きくかかわってきます。


ちなみに、フルオートマチックモードの付いている銃は大抵の国で軍や法執行機関以外での所持が制限されています。そのため、元々フルオートマチックモードの付いていた軍用銃を民間仕様にする場合、フルオート化改造が簡単にできないようにすることを目的として、フルオートシアーが取り付けられないような構造変更が行われていることがあります。

例えば、アメリカでは民間向けにAR-15ライフルが数多く発売されていますが、ロアーレシーバーのフルオートシアーが入る部分が狭くなっていて、無加工ではフルオートシアーが入らないようになっています。さらに、MP5の民間仕様に至ってはグリップフレームの互換性自体が無くなっています。

民間カスタムライフルをエアガンで再現する場合は、このあたりにも気を使うと、さらにリアリティを高めることができますが、どうしてもサバゲー等ではフルオートマチックモードがあると強力であることから、セミオートマチック仕様のレシーバーはあまり出ていないので、なかなか難しいのが現状です。

2016年10月31日月曜日

ファイアリングモード(セミオート)

はじめに


前回ガスブローバックのM93Rを紹介しましたが、この銃にはセミオート、フルオート、3点バーストの3種類のファイアリングモードがあります。このような銃を、セレクティブファイアと呼びます。

電動ガンの場合は電子制御か機械制御で通電回数をカウントしてモーターを動作させるわけですが、ガスブローバックガンの場合は実銃と同じように、部品の組み合わせでハンマーの動作を制御しています。

今回はこの仕組みについて、説明しましょう。
なお、ここで説明するのはクローズドボルト式の銃についてです。オープンボルト式については、またの機会にとさせてください。

1. セミオートマチックモード


セミオートマチックモードは、「トリガーを1回引いたら1回発射される」仕組みです。
実銃の場合はチャンバーにカートリッジが入っている状態から、トリガーを引いて発射後、次のカートリッジがチャンバーに入って動作が終了します。ガスブローバックガンの場合はカートリッジがありませんがおおむね同じで、発砲後次のBB弾が自動的にチャンバーに入って、動作が終了します。

トリガーを引くとシアーが外れてハンマーが落ちるわけですが、スライドやボルトの動作は非常に速いので、発射後ハンマーがコックされた時も、トリガーは普通引かれたままのはずです。トリガーはシアーと連動していますから、トリガーを引いたままではシアーがハンマーにかからず、コックされたハンマーがそのまま落ちて、連射になってしまうのではないか、と思うかもしれません。

しかし、実際はそうなりません。
トリガーを引いて一発弾丸を発射すると、ディスコネクターという部品が作動して、トリガーとシアーの連動が絶たれ、シアーから見るとトリガーが引かれていない状態と同じ扱いになります。これで、シアーがハンマーにかかるようになります。
作動したディスコネクターは、トリガーを戻すとリセットされますから、「トリガーを1回引いたら1回発射される」という仕組みが実現できます。

これがセミオートマチックモードの仕組みです。
電動ガンの場合は、前に書いたように全然違う方式で作動を止めているのですが、ガスブローバックガンはほぼこの方式で実現されています。

なので、ディスコネクターの調子が悪くなると、トリガーを引いている間スライドが動作し続けてしまうような現象が起こります。これはフルオートでもなく、単なる暴発です。細かいことは、次回、フルオートマチックモードの回で説明することとしましょう。

2016年10月28日金曜日

エアガンの紹介 - KSC Beretta M93R II(SYSTEM7)

はじめに


Beretta Mod93R、通常M93Rは、マシンピストルとしてとても有名なモデルです。トイガンにおいても、かつてMGC初のガスガンとして発売され、大ヒットしました。
MGC全盛期に協力企業として活躍していたKSCは、MGC廃業後にガスブローバックガンとしてM93Rを発売し、その後改良されながら現在でも再生されるたびに売り切れてしまう人気のモデルとなっています。

1. M93R


SPが要人を護衛する際、サブマシンガンやアサルトライフルでは物々しすぎて威圧感を与えてしまうため、Mod92をベースに3点バースト機構を取り付けて開発された大型マシンピストルがBeretta Mod93Rです。構造もそっくりで、ロッキング方式はMod92譲りのプロップアップ式になっていますが、セフティはコック&ロックセフティが採用されています。

最大の特徴は、やはりその3点バーストです。ピストルのバレルから撃ち出される9x19mm弾でも、バースト射撃ができればサブマシンガン並の制圧力を持ちます。Mod93Rはトリガーガードの前に折り畳み式のフォアグリップがあり、ストックも取り付けられるので、カービンとしての運用も可能です。

KSCのM93Rは、バースト機構もきちんと再現されています。最初に発売されていたKSC M93Rでは、オートマチックシアーが省略されていたので、ディスコネクターをキャンセルしただけの暴発に近いバースト射撃でしたが、M93R IIではオートマチックシアーが装備されているので、スライドが閉鎖してからハンマーが落ちるように改良されています。

KSCのM93R IIはスライドストロークが実銃よりもやや短く、作動スピード寄りの調整がされています。
M93R IIには無印とSYSTEM7の2種類があり、無印モデルは機械式のブローバックエンジンで、SYSTEM7はコバアクセル方式の負圧式ブローバックエンジンなのですが、特に後者は作動が異様に高速で、強烈な破裂音と共に一瞬で作動が終わるため、バースト射撃時の安定性が抜群です。

また、M93R IIには、実銃とは異なりフルオートポジションがあります。セレクターをセミオートとバーストの間にセットすると、フルオートモードに切り替わります。無印M93Rの頃からある機能ですが、無印M93Rには∞マークがあったものが、M93R IIでは実銃通り無刻印になっています。

マガジンはロングマガジンが標準装備です。M92FシリーズのSYSTEM7モデルと互換性があるので、そちらのマガジンを使用するとよりコンパクトにすることができます。

2. バリエーション


元々実銃も1モデルしか存在しないものなので、M93R IIにはあまりバリエーションはありません。

まず、最初に発売されたものが、ABSモデルです。ABS樹脂製でスライドが軽量なため、SYSTEM7のトルクと相まって、猛烈な作動スピードを誇ります。ただし、スライドがあまりにも高速に動作するため、やや耐久性に劣るのが欠点です。
なお、最近は後述するHWモデルが中心で、こちらはあまり生産していないようです。

金属粉入りのヘビーウェイト樹脂で構成されたHWモデルもあります。実銃はスライドもフレームもスチールなのですが、HWモデルはどちらもヘビーウェイト樹脂で作られています。KSCのヘビーウェイト樹脂はかなり重く、ABSモデルよりは作動スピードは遅いものの、十分快調な動作をします。


ヘビーウェイト樹脂は脆いのが欠点ですが、他社に比べてKSCのそれは比較的頑丈な部類に入ります。とはいえ元々繊細なモデルではあるので、夏場等は破損に気を付けてください。

KSCは頻繁にマイナーチェンジを行うメーカーで、最新のロットではチャンバーが改良されています。そのため、命中精度はマルイにも劣りません。
一方、マガジンの生産数が毎回少ないので、サバゲーやシューティングに使いたい人は多めに買っておくことをおすすめします。特にM93R IIはバーストやフルオート射撃が楽しいモデルなので、マガジンを多く買っても損はないと思います。

2016年10月26日水曜日

M4カービンのカスタム - マガジンキャッチ編

はじめに


M4カービンのカスタムについて、ちょっと忘れていたことがありました。

マガジンを固定するためにマガジンキャッチというパーツがあるのですが、このパーツについても各社サイズが違っています。
これもまとめておこうと思います。

1. マルイ電動規格



東京マルイのスタンダード電動ガン M4カービンで使用されているもので、そのクローンのAR-15ライフルも全てこの寸法です。

実銃用とはサイズが違っており、取り付け方法もほとんどがネジ止めになっていますが、VFCなど一部のメーカーは実銃と同じ取り付け方法になっています。
電動ガンのレシーバーは、SYSTEMA PTWなどごく一部のモデルを除いてほとんどが実銃やガスブローバックガンよりも幅広になっているために、マガジンキャッチも特殊なサイズになっています。

2. 次世代M4規格


同じ東京マルイの電動ガンでも、次世代電動ガンはマガジンキャッチの形状が少し違っています。そのため、スタンダード電動ガン用のマガジンキャッチを使用することはできません。

高性能ながらあまりカスタムパーツが出ていないのが次世代電動ガンの欠点なので、基本的には純正パーツを使用することになります。ただ、スタンダード電動ガン用でも、多少加工すれば取り付けられるものもあるようです。

3. WA ガスブローバックM4規格



WAのガスブローバックM4のマガジンキャッチは、実銃用よりもサイズが少し大きく、専用のものを必要とします。取り付け方法は実銃と同じです。

4. 実銃規格


実銃のマガジンキャッチがそのまま使えるタイプです。SYSTEMA PTWと、WA用のリアルサイズレシーバーがこれに対応します。当然、取り付け方法も実銃と同じです。

ただ、取り付けられるだけではうまく作動しないことがあります。特にガスブローバックガンに関しては、BB弾だけではなくガスもマガジンから供給する必要があるので、マガジンのガス放出口のパッキンが、ノズルのガスルートにきつくもなくゆるくもなく、適切に密着している必要があります。うまく動かない場合は、マガジンキャッチやマガジンのパッキン、マガジンを削って調整する必要があります。

まとめ


これらの他、各社のガスブローバックM4もそれぞれ専用のマガジンキャッチを必要とします。ものによっては使えるものもあるかもしれませんが、給弾不良や作動不良の原因にもなるため、きちんと動作するように設定するには根気が必要です。

マガジンの固定は地味ながらエアガンをきちんと動作させるのにとても重要なことで、マガジンキャッチの精度もそれに効いてきます。特に、SYSTEMA PTWやガスブローバックM4はマガジンの位置にシビアなので、最初のうちは純正を使って、慣れてきてから交換した方が、トラブルを避ける意味でもおすすめです。

2016年10月25日火曜日

電動ガンのマガジン

はじめに


実銃の場合は単発式ライフルというものもありますが、エアガンの場合は大抵の場合マガジンがあります。

ガスブローバックガンの場合は、サイズの差こそあれどどれもほとんど同じ構造なのですが、電動ガンの場合はその構造によっていくつか種類があります。

1. ノーマルマガジン



BB弾にスプリングでテンションをかけて押し出すタイプです。装弾数としては30発~120発あたりが相場です。

スプリングテンションを使うため、常にBB弾がチャンバー側に押し出される形になっているので、BB弾が中で遊びにくくなっています。そのため、ジャラジャラという音はしませんし、弾同士が当たって傷つくこともあまりありません。
ただ、スプリングテンションをそこまで強くできないので、マガジンによってはBB弾を選ぶ傾向があります。前にマルイとG&GのBB弾をおすすめしたのは、大抵のノーマルマガジンで問題なく使えるためです。

次世代M4や次世代SCAR、SYSTEMA PTW等のノーマルマガジンには、作動ストップギミックが入っているので、対応する銃本体と合わせると、弾切れになった時に作動が停止します。後述する多弾マガジンではできないので、このギミックを活用したいのであればノーマルマガジン一択になります。

また、一部のマガジンは装弾数を実銃と同じ数に制限する機能が付いています。上記の作動ストップギミックと合わせて、マガジンチェンジの醍醐味が味わえます。まあ、ひとりだけこの機能を使うとサバゲーでは不利ですが……そこはロマンというところでしょうか。

2. ゼンマイ式多弾マガジン



ゼンマイが戻る力でBB弾を押し出すタイプです。装弾数としては300~500発あたりが相場でしょうか。

このタイプはゼンマイで無理やり押し出すので、ある程度BB弾のばらつきによる給弾不良を抑えることができます。ゼンマイの力なので限度はありますが、あまり品質の良くない弾でも使用できることがあります。

一方、ゼンマイで押し出すルートに入る前の弾はマガジン内で遊んでいるので、弾が減ってくるとジャラジャラ音がしてしまいます。強く振ったりすると弾同士が当たってしまって傷がつくこともあるので、精密射撃にはあまり向いていません。
また、作動ストップギミックは通常オミットされていて、対応する銃であっても使用することはできません。

あと地味ながら面倒なのが、ゼンマイの巻き上げでしょう。大抵はマガジンボトムにギア状のダイアルが出ているので、そこを指で回しますが、結構疲れます。最近はマガジン横に六角レンチを入れて巻けるようになっていたり、マガジン底からワイヤーが出ていて、それを引っ張ることで巻けるものもあります。

多弾マガジンの最大の利点は、これ一本だけ持っていっても十分にサバゲーの1ゲームを遊びきれるところです。特に装備があまり整っていない初心者の方の場合、ノーマルマガジンを持ち運ぶ方法がありませんから、これはかなりの利点だと思います。
個人的には、初めてサバゲー用に電動ガンを買った時、一緒に1本ゼンマイ式多弾マガジンを買うことをおすすめします。

3. 電動式多弾マガジン



ゼンマイ式多弾マガジンのゼンマイをモーターで巻きあげるようにしたものです。通常は機関銃タイプの電動ガンに使用します。

このタイプはとにかく装弾数が多く、1000発を超えるものもあります。その分巨大で、構造もやや複雑になる傾向があります。

独立したスイッチが付いていて、押している間ゼンマイを巻いてくれるものがほとんどですが、一部の専用品には音感センサーで発射を検知したり、トリガーと連動させたりして、自動的に巻き上げる機能が付いているものもあります。

機関銃タイプの電動ガンには最初から付いていることが多いので、それらを使う場合にはこのマガジンのお世話になることが多いでしょう。ライフル用の電動式多弾マガジンもありますが、相当な勢いでばらまかない限りは、これほどの数を撃ち切ることはあまりありません。

ちなみに、たまにゼンマイの入っていない欠陥品があります。ゼンマイが無いとモーター停止で給弾が止まってしまい非常に使いづらいので、注意してください。

まとめ


上でも書きましたが、最初のうちはゼンマイ式の多弾マガジンをひとつ買っておくと便利です。ノーマルマガジンより少し高いくらいで購入できます。ノーマルマガジンのマガジンチェンジはすごく楽しいのですが、いかんせん4本も5本も持ち歩くには、マガジンポーチの付いたリグやプレートキャリアが必要で、マガジンと合わせると値も張るので、最初はなかなか大変です。

電動ガンを買うと大抵はノーマルマガジンが1本付いてきますから、それを撃ち切ったら多弾マガジンにチェンジする(多弾マガジンはポケットにでも入れておく)というような使い方でも十分楽しめると思います。

2016年10月24日月曜日

エアガンの紹介 - MGC P7M13

はじめに


モデルガン時代にトップメーカーをひた走り、エアガン時代にはアフターシュートガスブローバックで一時代を築いたのがMGCです。すでに倒産してしまったメーカーですが、モデルガンメーカーらしく珍しい銃をエアガンとしてモデルアップしていました。そのひとつがP7M13です。

1. P7(PSP)


P7は、Heckler & Kochがドイツ警察の制式拳銃のトライアルに向けて開発したオートマチックピストルです。H&Kは近年では非常にオーソドックスなピストルを発売し、人気を博していますが、かつては非常に特殊な機構を持った、独特のピストルばかりを発売していました。P7もそのひとつです。

P7はガスディレードブローバックという方式のオートマチックピストルです。オートマチックピストルで比較的高威力の実包を発射する場合、単に発射の反作用でそのままスライドを作動させてしまうと、高圧の発射ガスが射手に吹き付けてしまって危険なので、発射ガスの圧力が下がるほんの少しの間だけ、スライドが後退しないようになっています。
ガスディレードブローバック方式は、発射ガスをフレーム側のシリンダーに流し込んで、スライドの作動を妨げるダンパーとすることで、スライドの後退を遅延させる方式です。このタイプの作動方式を持ったオートマチックピストルはほとんどありません。そのうちのひとつがP7です。

また、P7はスクウィーズコッカーという安全装置を備えていて、グリップ前方のレバーを握り込むことでストライカーがコックされ、発射状態になります。もしレバーを離すと、ストライカーは自動的にデコックされて待機状態に戻るので、発射できない状態になります。つまり、握っていなければ発射できず、握るだけで発射可能な状態になるので、安全性と即応性が高いという特徴があります。
また、スライドストップも兼用していて、最終弾発射後ホールドオープンしたスライドは、スクウィーズコッカーを握りなおすことでリリースされます。
ただし、構造が複雑で部品点数が多くなるので、P7以外に採用されたモデルはありません。

P7はスライドの高さが低く、サイトラインも低いため、構えた手の人差し指を伸ばした先と銃口の指す先が近く、狙いやすい銃とされています。ガスディレードブローバック式でバレルが固定されていることもあって、命中精度はかなりよいものだったそうです。

2. P7M13


P7はいくつかのバリエーションが存在します。一番最初に開発されたのがPSPと呼ばれるモデルで、のちにP7と改名されました。そのマイナーチェンジバージョンがP7M8で、P7M13はそのダブルカラムモデルです。

ダブルカラムなのでグリップが太くなってしまい、若干不格好にはなりましたが、P7特有のコンパクトさと精度の高さはそのままになっています。
MGCのP7M13はこれをモデルアップしており、スクウィーズコッカーによるストライカーコック・デコック以外のメカは全てライブになっています。

MGCのP7M13は同社グロック17のメカニズムを応用していて、ハンマーを持っていません。トリガーを引くと、トリガーに連動したバルブノッカーを直接作動させて放出バルブを叩く、独特の方式になっています。これは、グロックもP7も、外装式のハンマーを持たない、ストライカー方式のピストルだったためだと思われます。ストライカー方式のピストルで、ストライカーまで再現されたエアガンは、現在に至るまで発売されていません。

ハンマーがないので、スクウィーズコッカーによるコック・デコックは再現できませんでしたが、スクウィーズコッカーはセフティとして作動するので、グリップを握っていない限り発射できなくなっています。また、ホールドオープンの解除もスクウィーズコッカーでできるようになっています。

アフターシュートガスブローバック方式なので命中精度はあまりよくありませんし、ホップアップシステムもないので射程も短いですが、作動自体は非常にしっかりとしていて、キビキビと動作してくれます。
ただ、当時のヘビーウェイト樹脂はあまり頑丈ではなく、経年劣化もあるので、何度も撃っていると貴重なスライドを割ってしまうかもしれない点には注意です。そのくらい気持ちよく動いてくれます。

スクウィーズコッカー周りが若干繊細なので、調子のいい個体は無理にいじらない方がいいでしょう。もう部品が手に入らないので、もし手に入れることができたら、大事に扱ってあげてください。

2016年10月22日土曜日

エアガンの安全な取り扱い方(ガスブローバックガン編)

はじめに


ガスブローバックガンは構造がかなり実銃に似ているので、ほぼ同様の扱い方ができます。ただ、やはり実銃とは構造が違う部分もあるので、注意が必要です。

1. 基本的な取り扱い


ガスブローバックガンは大抵の場合マガジンにパワーソースであるガスが入っているので、マガジンを取り外してしまえばもう作動しません。必ずマガジンセフティが付いているようなものです。そのため、撃たない時はマガジンを抜いておくのが基本です。

マガジン無しで弾を抜きたい場合は、スライドストップかボルトキャッチをかけた状態にして、バレルの先端からクリーニングロッドを突っ込みます。ボルトキャッチがない銃の場合は手で押さえながらやることになるので、手をはさんだりしないように気を付けましょう。

なお、撃たない場合はセーフティをオンにしたいところですが、コック&ロックセフティの場合はハンマーを起こさないかぎりセフティをオンにできません。だからといってハンマーを起こしてしまうのはまさに本末転倒なので、ハンマーダウンのままで大丈夫です。

グロックの場合は完全に再現したためにマニュアルセフティが付いていないモデルがあるので、やはりマガジンを抜いておきましょう。

2. ガスの抜き方


基本的にガスを入れっぱなしにするのはマガジンによくありません。ただし、マガジンの放出バルブを手で押して放出するのは避けてください。というのは、放出バルブのパッキンが冷えによって痛むことがあるためです。

マガジンに弾が入っていないことを確認してから、空撃ちでガスを消費するようにしましょう。

なお、メーカーによってはマガジンに微量のガスを入れて保管することが推奨されているモデルもあります。そのような場合は、ガス、できればHFC-134aを入れた状態で保管してください。この場合、日の当たる場所や暑い部屋には放置しないでください。破裂するおそれがあります。

2016年10月21日金曜日

エアガンの安全な取り扱い方(電動ガン編)

はじめに


エアガンは外見こそ銃にそっくりですが、実際のところ仕組みが全然違うので、実銃と同じように扱えばいい、というわけではありません。
ただ、基本的には「引き金を引いても弾が出ない」状態にするのが基本です。

仕組みや構造によって取り扱い方は変わってくるので、まずはそれぞれについてまとめていきましょう。

なお、最初にひとつだけ理解していただきたいのは、安全な取り扱いとは「自らが心掛け、実践する」ものであって、「誰かを糾弾し、実践させる」ものではありません。何をさておいても、この点だけはしっかりと守ってほしいと思います。

1. 基本的な取り扱い


電動ガンは実銃とは異なり、そのパワーソースと弾丸が別々に供給されます。そのため、「マガジンを抜いていても弾が出る可能性がある」ことに注意しなければなりません。

一般的な電動ガンの場合、マガジンを抜いていても、マガジンからチャンバーまでの給弾ルートにBB弾が残ることがあります。また、電子回路で常にノズルとピストンが前進した状態で停止するように制御しない限り、撃った後にチャンバーに弾が残っていることがあります(プリコックにすると確実にチャンバーに弾が残ります)。
この状態でトリガーを引くと、マガジンが無くても弾が発射されてしまいます。

なので、一番良い方法は「マガジンを抜いてから安全な方向に向けて発砲して弾を抜く」です。実銃と違ってスライドやボルトを動かしても弾を抜けないので、撃ってしまうのが確実です。
サバゲフィールドやシューティングレンジでも、フィールドアウトや射撃終了する際にはこの方法を使っているところがほとんどです。

弾を抜き終わったら、セレクターをSAFEポジションにしておきましょう。
なお、電子制御式ではSAFEポジションを発射に割り当てられるものがありますが、正直危険なのであまりお勧めはしません。

2. バッテリーの取り外し


長期にわたって使わない場合は、必ずバッテリーを取り外すようにしましょう。バッテリーが入っていなければ電動ガンは動かないので、最大の安全策です。

また、電子制御式だったり、FETが入っていたりすると、作動させていなくても電流が流れているので、バッテリーを消耗します。リチウムポリマーバッテリーでこれをやってしまうと、発火する恐れもあるので、注意してください。

3. ピストンの解放


安全性とは直接関係ないのですが、使い終わったらセミオートで一発撃ってから保管することをお勧めします。

機械スイッチ式の場合、カットオフレバーがあってもいくらかピストンがコックされた状態で停止するのですが、セミオートよりもフルオートの方が勢いが付いている分より多くコックされてしまいます。そのまま放置するとスプリングが圧縮されたままになり、テンションが落ちてしまうので、セミオートで撃って解放する、というわけです。

電子制御式でピストンが前進状態で完全停止するようになっているものは、気にしなくても構いません。一方、プリコック機能を使っている場合は、制御基板の機能を使って解放することになります。プリコック機能が付いている電子制御基板には、通常ピストン解放機能がありますが、もしも無い場合(あるいはなんらかの細工をして停止位置を変えている場合)は、分解して逆転防止ラッチを解除する必要があります。大変面倒くさいので、あまりお勧めはしません。

シア式の場合は、電源を切った状態(またはバッテリーを抜いた状態)で引き金を引くとエアーコッキングガンとして作動するので、それを活用してスプリングを解放できます。

2016年10月20日木曜日

オートマチックピストルの安全装置(その2)

つづきから


どうもこのところ実銃の話ばかりで申し訳ないのですが、安全な取り扱いをする上で実銃とエアガンの違いを理解するには、実銃の構造も知っておいた方がいいと思いますので、もう少しお付き合いください。

オートマチックピストルには、手動式のマニュアルセフティの他、自動式のオートマチックセフティもあります。
これらは落としたりひっかけたりした時に暴発するのを防ぐためのものであって、「撃ってはいけない時に引き金を引いてしまうことによる誤射」を防ぐことはできません。前回も書きましたが、「撃たなければいけない時に撃てないことを避ける」という設計が最近は多くなってきているので、その分オートマチックセフティの重要性が高くなっています。

1. オートマチックファイアリングピンブロック(AFPB)


APFBは、トリガーを引いていない時にファイアリングピンをブロックするものです。
なぜこれが必要かと言うと、シアが破壊されてハンマーがダウンした時や、落とした時の慣性でシアにハンマーがかからない程度にハンマーがコックされてしまい、そのまま落ちた時に暴発するのを防ぐためです。

AFPBは、何もしていない時に常にファイアリングピンを固定しています。トリガーを引くと内部で自動的に解除されるので、射手はAFPBの存在を気にする必要はありません。
ただ、元々AFPBが無かった銃を改良してAFPBを付けると、トリガーの感触が悪くなるので、特にマッチシューターがM1911系を使う場合は嫌われる傾向にあります。実際、Nighthawk等のマッチ用M1911には、AFPBが取り付けられていません。

AFPBはファイアリングピンに対するセフティなので、エアガンで再現されることはありません。モデルガンにはファイアリングピンがあるので、マルシンのM92Fシリーズで再現されています。

2. トリガーセフティ


セイフアクションの時に解説に出てきたトリガーセフティも、オートマチックセフティの一つです。
引っかけて発砲するのを防止するほか、例えば強く落とした時に慣性でトリガーが引かれてしまうのも防いでくれます。グロックにはマニュアルセフティが一切ありませんが、セイフアクションとトリガーセフティで、「トリガーを引かない限り弾が出ない」のを実現しています。

トリガーセフティはトイガンでももちろん再現されていて、どのメーカーのモデルでもまずライブになっています。

3. ハーフコック


M1911系のハンマーを起こすとき、途中まで起こして離しても、完全にハンマーダウンせずに、途中で止まります。この状態をハーフコックと呼び、シングルアクションが可能なオートマチックピストルには大抵この状態があります。

これは、トリガーを引いていない状態でシアが破損する等してハンマーがリリースされた時でも、途中でハンマーを止め、暴発しないようにするためのものです。また、銃によってはファイアリングピンが長すぎて、ハンマーがフルコックされていない状態からハンマーダウンすると発射してしまうものがありますが、そのような銃であっても、ハーフコック状態になることで、暴発を防いでくれます。

M1911系のガスブローバックガンはこれが採用されていて、例えば東京マルイのハイキャパシリーズは、ハンマーを手で押さえながらトリガーを引いてシアをリリース後、トリガーを離してからハンマーを押さえている手を離しても、ハンマーが途中で停止するようになっています。
ものによっては、マニュアルデコッキングができないように、手で押さえながらハンマーを下ろそうとすると、トリガーを引いていてもハーフコック状態になるモデルもあります。ガスガンは構造上マニュアルデコッキングをすると暴発するものがあるので、それを防ぐ意味でもありがたい仕組みです。

4. マガジンセフティ


S&Wの古いオートマチックピストルには、マガジンが入っていないと発砲できないものがあります。これは、マガジンが入っていない状態ではトリガーとシアのリンクが絶たれていて、マガジンを入れることでそれらが連結され、撃てるようになるというものです。

オートマチックピストルでは、マガジンを抜いていてもチャンバーに一発弾が残っていることがあります。マガジンが入っていないからといって、空撃ちのつもりで引き金を引いてしまった場合に、これで暴発させる事故がしばしば起こります。当人は空撃ちのつもりなので、マニュアルセフティは解除していますし、トリガーを引いているので上述のオートマチックセフティは全て無効になっています。そんな時でも、マガジンセフティは有効に作用して、暴発を防いでくれます。

とはいえ、最近はここまでするのは過剰だということで、マガジンセフティの付いていない機種が主流です。一部州では銃規制の一環でマガジンセフティの装備が必須とされていて、それ向けのモデルもあるのですが、元々マガジンセフティ無しで設計されているモデルに追加するのは難しのもあって、販売を行わないメーカーもあるようです。

まとめ


マニュアルセフティとオートマチックセフティの2段構えで銃は安全性を確保していますが、本質的に銃は武器なので、そもそも危険性のあるものです。そのため、ユーザーが正しい取り扱い方を身に着けていなければ、安全に使うことはできません。

とはいえ、私たちが使えるのは玩具ですし、そこまで過剰になることもありません。決まった手順を踏んで安全を確保してしまえば、楽しく遊ぶことができます。
次回はエアガンの安全な取り扱い方について、私なりの解釈をお伝えしたいと思います。

2016年10月19日水曜日

オートマチックピストルの安全装置(その1)

はじめに


グロックを紹介した時に、「マニュアルセフティが全くない実用性に割り切ったデザイン」と書きました。オートマチックピストルには通常なんらかの安全機構が備わっていて、落としたりしても暴発しないようになっています。

安全装置のうち、意識して手動で操作するものをマニュアルセフティと呼びます。マニュアルセフティには大きく2種類存在します。

1. コック&ロックセフティ


M1911系やH&KのUSP以降のピストル等に使用されているセフティです。


モデルによって少し構造が違っていて、M1911の場合はハンマーをコックした状態でトリガーとハンマーをロックするセフティになっています。ハンマーダウン状態でセフティをオンにできませんが、そもそもシングルアクションではハンマーダウン状態から発砲できないので、特に問題ありません。

一方、USP等のシングル・ダブルアクションでは、ハンマーダウン状態でもセフティをオンにできるものがあります。USPの場合は、セフティをオンにするとトリガーとハンマーのリンクが立たれ、トリガーがスカスカになります。

下記のデコッキングセフティと違って、コック&ロックセフティはオンにしてもハンマーの状態に影響を与えないので、解除すればそのままシングルアクションで発砲することができます。コッキングした状態でロックするので、「コック&ロック」と呼ばれます。

エアガンでもこのタイプのセフティはほぼ再現されていて、ガスブローバックガンのM1911は確実にこれが使用可能です。

2. デコッキングセフティ


シングル・ダブルアクションオートマチックで採用されるセフティです。
このセフティをオンにすると、ハンマーが強制的にダウンしますが、ファイアリングピンを叩かなくなるので、弾は発射されません。

ベレッタ Mod92F系のデコッキングセフティは、スライド上のレバーを下向きに回転させると、ハンマーがダウンして、トリガーとハンマーのリンクが絶たれます。そのままにしておけばどうやっても発砲できませんし、解除すればダブルアクションで発砲することができます。
このタイプのことだけを指して、マニュアルセフティと呼ぶこともあります


また、SIG P226系のデコッキングセフティは、デコッキングのみの機能を持ちます。フレーム左側のデコッキングレバーを下向きに動かすと、ハンマーがダウンしますが、デコッキングレバーはバネの力で戻ってしまいます。そのため、発砲できない状態を維持できませんが、「撃とうと思ったらセフティがかかっていて撃てなかった」という状態にならないようにするための意図的な設計です。ダブルアクションはトリガーが重いので、それがセフティになるという発想ですね。


USP以降のH&Kのオートマチックピストルは、レバーを上げるとコック&ロック、レバーを下げるとデコッキングという2段構えの設計になっています。バリエーションでコック&ロックのシングルアクションや、ダブルアクションオンリーも選べるので、全てがこのタイプというわけではありませんが、ガスブローバックガンで再現されているものはこれになります。


つづきます


マニュアルセフティは確かに安全なのですが、軍や警察で実際に命の危険がある時、あわててセフティを解除しないでトリガーを引いてしまい、発砲できない状態に陥ることが稀にあるそうです。
そのため、最近のオートマチックピストル、特にグロックやそのフォロワーのモデルの場合は、内蔵のオートマチックセフティに全て任せて、「引き金を引きさえすれば常に撃てる」ように設計することが多くなってきました。次回はそのあたりについて書きたいと思います。

2016年10月18日火曜日

オートマチックピストルのトリガーシステム(その2)

つづきから


一部メーカーが採用されている特殊な方式には、「ダブルアクションの安全性」と「シングルアクションのトリガープル」を両立したものがあります。

4. セイフアクション(変則セミダブルアクション)


グロック及びそのフォロワーのモデルに採用されている方式です。全てハンマーを使わず、ストライカー方式になっています。グロックで初めて採用され、特許が取られていましたが、特許切れに伴い同じ方式を採用したピストルが各社から発売されています。

この方式はスライドを引いただけではストライカーが完全にコックされません。その状態で万が一シアが外れても、打撃力が足りないので発砲できません。トリガーを引いていくと、ストライカーの残りの分がコックされ、引き切るとシアが外れてレットオフする仕組みです。

この方式ではストライカーは完全ではないとはいえコックされているので、トリガープルは軽くなっています。そのままだとトリガーを引っかけて発砲してしまうことがあるので、グロックではトリガーセフティというオートマチックセフティが装備されています。これは、トリガーの中央に小さいトリガーのようなものがあり、これと一緒にトリガーを引かない限り、フレームにひっかかってトリガーを引き切れなくなっています。
セイフアクションを採用した他社のピストルも、大抵は似たようなセフティが装備されています。

エアガンでセイフアクションを再現したものはありません。というのも、ガスガンの場合はマガジンの放出バルブを叩かなければならないので、ストライカー式の銃もハンマー内装式にアレンジされているためです。
もし、トイガンでセイフアクションを味わいたいならば、タナカが発売しているモデルガンのグロックがこの方式を再現しています。

5. LEMトリガー


H&KのP2000で選択できるトリガーシステムです。

このトリガーシステムでは、見かけ上ハンマーをコックしてもすぐに戻ってしまい、一見ダブルアクションのように見えます。しかし実際は、ハンマーは上下に分割されていて、下側のハンマー(シアにかかってる部分だけ)はコックされた状態です。
トリガーを引くと、連動して上部ハンマーがコックされます。上部ハンマーにはハンマーが戻る程度のスプリング圧しかかかっていないので非常に軽くトリガーを引くことができます。

コンベンショナルなオートマチックピストルの形をしつつ、セイフアクション同様のトリガープルを再現できる面白い仕組みです。

これも残念ながらエアガンには存在しません。モデルガンにもないので、体験するには海外で実銃射撃をするしかありません。

まとめ


今回は実銃についての話題でしたが、なぜこんな話をしたのかというと、これらのトリガーシステムが銃に付けられているセフティ機能と大きくかかわってくるからです。
解説中でも少し出しましたが、細かい話は次回以降書いていこうと思います。