2016年10月18日火曜日

オートマチックピストルのトリガーシステム(その2)

つづきから


一部メーカーが採用されている特殊な方式には、「ダブルアクションの安全性」と「シングルアクションのトリガープル」を両立したものがあります。

4. セイフアクション(変則セミダブルアクション)


グロック及びそのフォロワーのモデルに採用されている方式です。全てハンマーを使わず、ストライカー方式になっています。グロックで初めて採用され、特許が取られていましたが、特許切れに伴い同じ方式を採用したピストルが各社から発売されています。

この方式はスライドを引いただけではストライカーが完全にコックされません。その状態で万が一シアが外れても、打撃力が足りないので発砲できません。トリガーを引いていくと、ストライカーの残りの分がコックされ、引き切るとシアが外れてレットオフする仕組みです。

この方式ではストライカーは完全ではないとはいえコックされているので、トリガープルは軽くなっています。そのままだとトリガーを引っかけて発砲してしまうことがあるので、グロックではトリガーセフティというオートマチックセフティが装備されています。これは、トリガーの中央に小さいトリガーのようなものがあり、これと一緒にトリガーを引かない限り、フレームにひっかかってトリガーを引き切れなくなっています。
セイフアクションを採用した他社のピストルも、大抵は似たようなセフティが装備されています。

エアガンでセイフアクションを再現したものはありません。というのも、ガスガンの場合はマガジンの放出バルブを叩かなければならないので、ストライカー式の銃もハンマー内装式にアレンジされているためです。
もし、トイガンでセイフアクションを味わいたいならば、タナカが発売しているモデルガンのグロックがこの方式を再現しています。

5. LEMトリガー


H&KのP2000で選択できるトリガーシステムです。

このトリガーシステムでは、見かけ上ハンマーをコックしてもすぐに戻ってしまい、一見ダブルアクションのように見えます。しかし実際は、ハンマーは上下に分割されていて、下側のハンマー(シアにかかってる部分だけ)はコックされた状態です。
トリガーを引くと、連動して上部ハンマーがコックされます。上部ハンマーにはハンマーが戻る程度のスプリング圧しかかかっていないので非常に軽くトリガーを引くことができます。

コンベンショナルなオートマチックピストルの形をしつつ、セイフアクション同様のトリガープルを再現できる面白い仕組みです。

これも残念ながらエアガンには存在しません。モデルガンにもないので、体験するには海外で実銃射撃をするしかありません。

まとめ


今回は実銃についての話題でしたが、なぜこんな話をしたのかというと、これらのトリガーシステムが銃に付けられているセフティ機能と大きくかかわってくるからです。
解説中でも少し出しましたが、細かい話は次回以降書いていこうと思います。

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