2016年10月6日木曜日

M4カービンのカスタム - マズルデバイス編(その1)

はじめに


ハンドガードとバレルナットについて解説したので、このままM4カービン(AR-15ライフル)にいくつかあるネジ関連部品について書いてみたいと思います。
次はマズルデバイスです。

マズルデバイスは銃口に取り付ける部品のことで、いくつかの目的ごとに名前が付いています。ただ、あくまでもメインの目的が何かによって分類されているだけで、他の種類の機能を持たないというわけではないことに注意してください。

1. フラッシュハイダー



軍用ライフルによく使われる部品がこのフラッシュハイダーです。名前の通り、発射時のフラッシュ、すなわち閃光を抑制します。日本語では消炎器と呼びます。

軍用ライフルの場合、射撃時に相手に見つからないことがとても重要です。発射炎が赤々と輝いてしまっては、自分はここにいるぞと教えているようなものです。また、暗い場所で射撃する場合に、射手が発射の閃光をまともに見てしまうと、せっかく暗闇に慣れた目を眩ませてしまったりします。
フラッシュハイダーは、その内部で発射ガスを燃焼させ、炎を閉じ込めることで、発射炎が大きく広がることを防ぎます。

銃身長が短いカービンの場合、未燃焼のガスがより多く発生するので、フラッシュハイダーの重要性もより増します。初期のM16カービンは当初フルサイズのM16ライフルと同じフラッシュハイダーを使用していましたが、この大きな発射炎が問題となり、モデルチェンジするにしたがって、フラッシュハイダーも巨大化していくことになりました。

近年のフラッシュハイダーは性能も向上したので、比較的小型で十分な性能を持っています。M16A4とM4A1はバレル長が違いますが、全く同じフラッシュハイダーを使用しています。

2. コンペンセイター



ライフルを構えて撃つと、射手の手と肩を支点として跳ね上がるような動きをします。銃が完全なパイプ状であればまっすぐ後退するだけですが、実際はバレルが重心よりも上にあるので、それに合わせて反動が回転運動になってしまうためです。
コンペンセイターは、発射ガスをあえて噴き出させることで、その回転運動を抑えて、銃の跳ね上がりを抑制します。

コンペンセイターを使用すると発射時の銃のブレが少なくなるので、素早く精密な射撃がしやすくなります。そのため、スピードシューティング系のマッチライフルに採用されることが多いマズルデバイスです。
一方、派手にガスを噴出させることから、発射炎が大きくなる傾向があるため、あまり軍用ライフルで採用されることはありません。

最近はブラストシールドというパーツも販売されていて、これを対応したコンペンセイターにワンタッチで取り付けることで発射炎を抑えられるような設計になっているものもあります。コンペンセイターとしての性能は落ちますが、場合によって切り替えられるのが最大のメリットです。
あと、かっこいいというのもありますね。

つづきます


長くなってしまったので次回に続きます。次回はマズルブレーキとサウンドサプレッサーです。

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