2016年10月19日水曜日

オートマチックピストルの安全装置(その1)

はじめに


グロックを紹介した時に、「マニュアルセフティが全くない実用性に割り切ったデザイン」と書きました。オートマチックピストルには通常なんらかの安全機構が備わっていて、落としたりしても暴発しないようになっています。

安全装置のうち、意識して手動で操作するものをマニュアルセフティと呼びます。マニュアルセフティには大きく2種類存在します。

1. コック&ロックセフティ


M1911系やH&KのUSP以降のピストル等に使用されているセフティです。


モデルによって少し構造が違っていて、M1911の場合はハンマーをコックした状態でトリガーとハンマーをロックするセフティになっています。ハンマーダウン状態でセフティをオンにできませんが、そもそもシングルアクションではハンマーダウン状態から発砲できないので、特に問題ありません。

一方、USP等のシングル・ダブルアクションでは、ハンマーダウン状態でもセフティをオンにできるものがあります。USPの場合は、セフティをオンにするとトリガーとハンマーのリンクが立たれ、トリガーがスカスカになります。

下記のデコッキングセフティと違って、コック&ロックセフティはオンにしてもハンマーの状態に影響を与えないので、解除すればそのままシングルアクションで発砲することができます。コッキングした状態でロックするので、「コック&ロック」と呼ばれます。

エアガンでもこのタイプのセフティはほぼ再現されていて、ガスブローバックガンのM1911は確実にこれが使用可能です。

2. デコッキングセフティ


シングル・ダブルアクションオートマチックで採用されるセフティです。
このセフティをオンにすると、ハンマーが強制的にダウンしますが、ファイアリングピンを叩かなくなるので、弾は発射されません。

ベレッタ Mod92F系のデコッキングセフティは、スライド上のレバーを下向きに回転させると、ハンマーがダウンして、トリガーとハンマーのリンクが絶たれます。そのままにしておけばどうやっても発砲できませんし、解除すればダブルアクションで発砲することができます。
このタイプのことだけを指して、マニュアルセフティと呼ぶこともあります


また、SIG P226系のデコッキングセフティは、デコッキングのみの機能を持ちます。フレーム左側のデコッキングレバーを下向きに動かすと、ハンマーがダウンしますが、デコッキングレバーはバネの力で戻ってしまいます。そのため、発砲できない状態を維持できませんが、「撃とうと思ったらセフティがかかっていて撃てなかった」という状態にならないようにするための意図的な設計です。ダブルアクションはトリガーが重いので、それがセフティになるという発想ですね。


USP以降のH&Kのオートマチックピストルは、レバーを上げるとコック&ロック、レバーを下げるとデコッキングという2段構えの設計になっています。バリエーションでコック&ロックのシングルアクションや、ダブルアクションオンリーも選べるので、全てがこのタイプというわけではありませんが、ガスブローバックガンで再現されているものはこれになります。


つづきます


マニュアルセフティは確かに安全なのですが、軍や警察で実際に命の危険がある時、あわててセフティを解除しないでトリガーを引いてしまい、発砲できない状態に陥ることが稀にあるそうです。
そのため、最近のオートマチックピストル、特にグロックやそのフォロワーのモデルの場合は、内蔵のオートマチックセフティに全て任せて、「引き金を引きさえすれば常に撃てる」ように設計することが多くなってきました。次回はそのあたりについて書きたいと思います。

2016年10月18日火曜日

オートマチックピストルのトリガーシステム(その2)

つづきから


一部メーカーが採用されている特殊な方式には、「ダブルアクションの安全性」と「シングルアクションのトリガープル」を両立したものがあります。

4. セイフアクション(変則セミダブルアクション)


グロック及びそのフォロワーのモデルに採用されている方式です。全てハンマーを使わず、ストライカー方式になっています。グロックで初めて採用され、特許が取られていましたが、特許切れに伴い同じ方式を採用したピストルが各社から発売されています。

この方式はスライドを引いただけではストライカーが完全にコックされません。その状態で万が一シアが外れても、打撃力が足りないので発砲できません。トリガーを引いていくと、ストライカーの残りの分がコックされ、引き切るとシアが外れてレットオフする仕組みです。

この方式ではストライカーは完全ではないとはいえコックされているので、トリガープルは軽くなっています。そのままだとトリガーを引っかけて発砲してしまうことがあるので、グロックではトリガーセフティというオートマチックセフティが装備されています。これは、トリガーの中央に小さいトリガーのようなものがあり、これと一緒にトリガーを引かない限り、フレームにひっかかってトリガーを引き切れなくなっています。
セイフアクションを採用した他社のピストルも、大抵は似たようなセフティが装備されています。

エアガンでセイフアクションを再現したものはありません。というのも、ガスガンの場合はマガジンの放出バルブを叩かなければならないので、ストライカー式の銃もハンマー内装式にアレンジされているためです。
もし、トイガンでセイフアクションを味わいたいならば、タナカが発売しているモデルガンのグロックがこの方式を再現しています。

5. LEMトリガー


H&KのP2000で選択できるトリガーシステムです。

このトリガーシステムでは、見かけ上ハンマーをコックしてもすぐに戻ってしまい、一見ダブルアクションのように見えます。しかし実際は、ハンマーは上下に分割されていて、下側のハンマー(シアにかかってる部分だけ)はコックされた状態です。
トリガーを引くと、連動して上部ハンマーがコックされます。上部ハンマーにはハンマーが戻る程度のスプリング圧しかかかっていないので非常に軽くトリガーを引くことができます。

コンベンショナルなオートマチックピストルの形をしつつ、セイフアクション同様のトリガープルを再現できる面白い仕組みです。

これも残念ながらエアガンには存在しません。モデルガンにもないので、体験するには海外で実銃射撃をするしかありません。

まとめ


今回は実銃についての話題でしたが、なぜこんな話をしたのかというと、これらのトリガーシステムが銃に付けられているセフティ機能と大きくかかわってくるからです。
解説中でも少し出しましたが、細かい話は次回以降書いていこうと思います。

2016年10月17日月曜日

オートマチックピストルのトリガーシステム(その1)

はじめに


グロックを紹介した時に、「マニュアルセフティが全くない実用性に割り切ったデザイン」と書きました。実はグロックピストルはマニュアルセフティが無くても、落下や衝撃を与えた時に暴発しない仕組みを備えるため、やや特殊なトリガーシステムを備えています。

グロックは特殊な例ですが、オートマチックピストルには、他にもいくつかのメジャーなトリガーシステムがあります。

1. シングルアクションオンリー


ハンマーをコックした状態からしか発砲できない方式です。とはいえ、オートマチックの場合は一発撃てば次は自動的にハンマーが起きた状態にすることができますし、初弾を装填した時にハンマーがコックされるので、その点は問題にはなりません。

この方式は、あらかじめハンマーがコックされているのでトリガーはシアを解除するだけでよく、トリガープルを非常に軽くできるのがメリットです。軽いトリガーの場合、トリガーを引いても狙いがずれにくいので、高精度の銃にすることができます。
一方、トリガーが軽いため、うっかり引っかけてトリガーを引いたりしないように、なんらかのセフティが必要です。

このタイプのトリガーシステムで最も有名なのが、M1911及びそのバリエーションモデルです。M1911の場合は、グリップセフティとサムセフティの2つのセフティを持っていて、サムセフティがかかっていればトリガーは動きませんし、仮にサムセフティを解除しても、グリップをしっかり握り込んでグリップセフティを解除しなければ撃てないようになっています。


一方、そのM1911を参考に徹底した省コスト化を図ったのがあのトカレフピストル、TT-33です。トカレフピストルはセフティも省略されているので、チャンバーに初弾を装填したままうっかり落としたりすると、暴発を起こすことがあります。当時は撃つ直前まで装填をしないルールだったのでこれでも問題なかったということです。

2. ダブルアクションオンリー


ハンマーは常にダウン状態で、トリガーを引くと連動してハンマーが起こされ、引き切ることでハンマーがレットオフされる方式です。手でハンマーを起こして、シングルアクションにすることはできません。

この方式はトリガープルが重く、狙いがぶれやすいという弱点があります。一方、トリガープルが重いおかげで、うっかりトリガーを引き切ってしまうことはまずありません。そのため、マニュアルセフティがなくても十分安全な銃にすることができます。

マニュアルセフティが不要と言うことは、余計なレバー類が外側に出ていないので、隠し持っていても引き抜くときに引っかかりにくいため、コンパクトなオートマチックピストルによく採用されています。

今回はオートマチックピストルの解説ですが、リボルバーもダブルアクションオンリーのものが結構あります。リボルバーは発射してもハンマーがコックされないので、マニュアルセフティが付いている銃は稀です。

エアガンにおいては、ガスブローバックガンには今のところこのタイプはありません。リボルバーを含む固定ガスガンでハンマー内装式の場合、ダブルアクションオンリーになっていることがあります。例えば、マルゼンのP99フィクスドスライドはダブルアクションオンリーですが、独特な構造でトリガープルがなめらかなので、快適に使うことが出来ます。

3. シングル・ダブルアクション


両方のモードを使用できる方式です。ハンマーダウンからトリガーを引けばダブルアクションですし、手でハンマーを起こしてシングルアクションにすることもできます。

このタイプのオートマチックピストルは多く、米軍が採用しているU.S. Pistol M9/M9A1やその元となったベレッタ Mod92FS、H&K USPやHK45、SIG P226及びそのバリエーションなど、多岐に渡ります。


これらのオートマチックピストルには、大抵の場合、コックされたハンマーを安全にダウンさせるためのデコッキング機能が付加されています。デコッキングをしておくと、トリガーがダブルアクション状態に戻るので、マニュアルセフティを解除しても安全に持ち運ぶことができ、トリガーを引けばそのまま発砲できます。

ただ、Cz75のようにデコッキング機能のないシングル・ダブルアクションオートマチックもあります。このようなモデルでダブルアクションを使うには、手でハンマーをしっかり押さえながらトリガーを引き、そっとダウンさせる必要があります。この操作をマニュアルデコッキングと呼びますが、正直なところ危険な操作なので、あまり推奨されてはいないようです。

ちなみに、マニュアルデコッキングをガスブローバックガンで行うと、方式によっては暴発しますので、やらないようにしてください。

つづきます


コンベンショナルな方式は上記3種類ですが、この他に特殊な方式がいくつかあります。特殊とはいえその中には現代では主流となっている方式がありますので、次回解説したいと思います。

2016年10月15日土曜日

オートマチックピストルのグリップアングル

ちょっとしたコラムです


オートマチックピストルのグリップアングルには、実は大きく分けて2種類があることをご存じでしょうか。

100年以上前に開発されたU.S. Pistol M1911、いわゆるコルトガバメントですが、現代に至るまで45口径オートマチックピストルのマスターピースとして、延々使われています。軍用でもまだ特殊部隊で使われていますし、警察官の装備から一般人のシューティング用まで、広く普及しています。

一方、30年ほど前に開発されたグロック17は、軽量なポリマーフレームとシンプルな操作性で、今ではすっかり現代オートマチックピストルの代名詞となりました。特許が切れた今では、様々な企業がグロックピストルの設計を参考にしたポリマーフレームとストライカーを採用したオートマチックピストルを開発・販売しています。

これら2つのピストルですが、実はグロックのグリップは、M1911のグリップに比べて、ほんの少し寝ています。これは、発砲した時にフリンチング……リコイルを恐れて下向きに力をかけてしまうことで狙いを外すことに対する対策として、グリップの下部を膨らませたことによるものなのですが、M1911が約118°、グロックが約109°と、10°にも満たないわずかな差ではあるものの、とっさに構えた時、サイティングのずれとして現れてきます。

例えば、M1911に親しんだ人がグロックを使用すると、ほんの少し上を狙ってしまいます。逆に、グロックに慣れた人がM1911を使うと、ほんの少し下を狙ってしまうことになります。
この現象が起きると、シューティングではスコアが落ちますし、何より軍や警察でいざという時に狙いを外してしまう可能性が出てきます。

そのため、グロックピストルには、サードパーティからこのグリップ角度を補正するパーツが発売されています。Grip Force Adapterと呼ばれるこのパーツを使うと、グリップ後部のえぐれている部分を少し埋めることで、グリップの角度を補正してくれます。

グロックのフォロワーである各社のポリマーフレームオートは、大抵がグロックと同じグリップアングルを持ちます。これらに対する補正パーツは今のところ発売されていないようですが、グリップのバックストラップを交換可能なものが多く、それによっていくらか補正することができます。有名どころでは、S&W M&Pシリーズがそのような仕組みになっています。

ピストルのグリップアングルに関しては慣れと好みの問題なので、好きに選んでもらってよいのですが、使いたいと思った銃の角度が自分に合わないことがある、ということは理解しておくといいでしょう。

2016年10月14日金曜日

エアガンの紹介 - 東京マルイ グロック17

はじめに


ハイキャパと並んで東京マルイのガスブローバックハンドガンで人気があるのが、グロックシリーズです。
グロックはポリマー製のフレームに箱型のスライドという色気のない外見に、マニュアルセフティが全くない実用性に割り切ったデザインで、発売当初はいろいろと言われてしましたが、その安定した作動性と装弾数の多さ、軽量さでたちまち人気の銃となってしまいました。現在発売されているストライカー式のポリマーフレームオートマチックは、ほとんどがグロックそっくりの構造をしています。

東京マルイのグロックも実銃と同じように、高い実用性を備えています。

1. グロック17



最も基本となるモデルが、9x19mm弾を使用するフルサイズセミオートマチックのグロック17です。実はガスブローバックでは、2番目に発売されたモデルです。

ハイキャパがどちらかといえば強めの重いリコイルを持っていたのに対して、グロックは軽量なスライドを高速に動作させて、軽快なリコイルを発生させています。リコイルそのものは比較的軽い部類なので、コントロールしやすく、狙いやすい銃になっています。
命中精度はかなり良く、リコイルが軽いことも相まって、さくさく当てることができます。

内部構造は実銃と違ってシングルアクションのインナーハンマー方式になっています。マニュアルセフティはフレーム前方のシリアルナンバープレートにありますが、正直使いにくいものです。元々撃たない時はマガジンを入れないのが鉄則ですし、フィールド内ではトリガーセフティで十分なので、あまり使うこともないでしょう。

この銃もカスタムパーツが豊富で、サードパーティ製のパーツで一丁組み上げることができます。発射に関連するパーツがユニット化されているので、ハイキャパよりも初心者向きです。特に、GUARDERのナイロンファイバー製のフレームは質感がよく、比較的安価にドレスアップできるのでおすすめです。

東京マルイのグロックシリーズは実銃よりもほんの少しフレームの幅が広いため、実銃のグロック17用のホルスターには入らないことがあります。その場合は、.45ACPモデルであるグロック21用のホルスターが適合することが多いようです。

2. バリエーション


グロックは実銃でもバリエーションが非常に多く、そのうちのいくつかはエアガンでも発売されています。

先に「グロック17は2番目に発売された」と書きましたが、最初に発売されたモデルがグロック26です。グロック17を小型化したサブコンパクトモデルです。


中身はほとんどグロック17と同じですが、インナーハンマーのコックとトリガー位置が連動していないため、ハンマーダウン時でもトリガーが前進した状態になります。これはグロック17のパーツを入れると同じ仕様にすることができます。

グロック26のグリップとスライドを延長したグロック26アドバンスというモデルもあります。架空のデザインなのですが、グロック26はスライドストロークが短く作動が速いので、あえてこちらを好む方もいます。


同じく架空のモデルですが、グロック17カスタムというものもあります。


アウターバレルの先端付近にマグナポートという発射炎を逃がす穴をあけ、その分スライドを切り欠いたモデルです。標準でサムレストとマグウェルが装備され、付属のマガジンにもマグバンパーが取り付けられています。

グロック17のセレクティブファイアモデルがグロック18Cです。スライド上にセレクターがあり、切り替えることでフルオート射撃ができます。


東京マルイのグロックは元々作動スピードに振った調整がされていて、グロック18Cはそれをさらに高速化しているので、フルオート射撃では秒間20発以上の連射速度を持ちます。夏場に撃つとスライドが割れかねないので、気を付けて撃つようにしてください。作動が高速なので、シューティングにも向いています。
内部パーツはグロック17とは互換性がありません。フルオート作動用にフルオートシアーが入っているので、スライド閉鎖時にクリック感があります。
また、ブローバックハウジングの高さがグロック17よりも低いため、ドットサイトを載せられるカスタムスライドの場合、こちらを使うことがあります。

グロック17には競技用のロングバレルモデルがあります。それがグロック34です。


元々グロック17Lというもっと長いモデルがあったのですが、IPDAという競技のレギュレーションに合致しないため、少しだけ短くされたモデルです。 エアガンではインナーバレルを長くできるので、グロック17よりも初速と命中精度が高くなっています。

最近発売された最も新しいモデルがグロック22です。.40S&Wを使用するグロックで、エアガン的にはグロック17の刻印違いです。


…と、思いきや、スライドとバレルが新造されていて、ちゃんと.40S&Wのサイズになっています。また、アウターバレルのチャンバー部の削れ防止がされているなど、最新作にふさわしい細かいマイナーチェンジがされています。
マガジンはグロック17のものが使えますが、専用の.40S&W形状のものもあります。マガジンキャッチのかかる溝が両側に切られていて、第4世代グロックのマガジンキャッチ切り替え機能に対応しています。第4世代グロックはまだマルイからモデルアップされていないのですが、これはもしかすると近いうちに発売されるのかもしれませんね。

 

2016年10月13日木曜日

M4カービンのカスタム - グリップ編

はじめに


銃前方のマズルデバイスとハンドガード、後方のストックと来れば、残るは銃の中央付近です。グリップは銃を正確にコントロールするために非常に重要な部品なので、ストック以上に使い手の好みが出る部品です。

これもやはりエアガンには実銃とは異なるものが使用されています。

1. 電動ガン用グリップ(マルイ規格)



マルイのスタンダード電動ガンとその互換機、及び次世代電動ガンのグリップがこれになります。KSCのERGシリーズも、スタンダード電動ガンの互換機をベースにギミックを追加したものなので、このタイプのグリップを使用します。

電動ガンのM4カービンの場合、グリップにモーターが格納されることになります。そのため、実銃よりもかなり太いグリップになっています。最近の製品は形状を工夫して太さを感じさせないように努力していますが、持ち比べるとかなりの差を感じます。

このタイプのグリップは、グリップの内側からメカボックスに対してネジ止めします。通常は2本のネジで固定しますが、海外の一部製品では4本のネジのものもあるようです。

モーターが入るため、グリップの角度はメカボックスの設計に依存します。そのため、BCMのGunfighter Gripや、HK416のような、角度の立ったグリップの電動ガン用は、内部でモーターがオフセットしています。

低品質のグリップを使うと、モーターの角度が不安定になったり、本来の設計とは異なる角度になったりして、ギアノイズが悪化したり、異常発熱したりすることがあります。
このように、電動ガンのグリップ交換は案外面倒なものだったりします。

2. 電動ガン用グリップ(SYSTEMA PTW規格)


SYSTEMA PTWはグリップの厚さを実銃と同じサイズにするため、特殊なモーターを使用しています。そのため、グリップも専用品を使います。

PTWのグリップは、レシーバーには直接固定されていません。グリップはモーターにかぶさる形で取り付けられ、モーターエンドのネジ穴に底板を介して固定される形になります。つまり、PTWのグリップは、モーターに直接固定されている状態です。

一部の実銃用のグリップは、内部を削り込むことで使用することができますが、モーターにグリップを固定する関係上、握り込むことでどうしてもモーターに負担をかけてしまいます。実銃用を加工したグリップの場合、純正よりも精度で劣るため、モーターへの負荷は確実に大きくなります。あまり多用しないのであればともかく、サバゲーでバリバリ使う場合は、純正グリップか、G&P等から発売されている専用品を使用した方がよいでしょう。

3. ガスブローバックガン用グリップ



ガスブローバックガンの場合、作動にグリップは関係ないため、実銃用のグリップを使用することができます。マルイMWS、WA、KSC、VFC、WE等、ほとんどのメーカーで同じ製品を使うことができます。

但し、WA用のサードパーティ製レシーバーを使う場合は注意が必要です。PrimeやIRON等のリアルサイズレシーバーと呼ばれるものは、実包が撃てないようになっていることを除いて、内部構造も実銃そっくりに再現しています。WA純正のロアーレシーバーはセレクターにクリック感を与えるプランジャーがセレクター後ろ側にある内部のシャーシから出ていますが、これらのリアルサイズレシーバーはセレクタープランジャーがセレクターの下側から出ており、スプリングがグリップに収まるようになっています。WA用と銘打たれているグリップは、プランジャースプリングが入る穴がないため、これらのレシーバーはWA用のグリップは使用できません。基本的に実銃用のグリップを流用する形になります。
ちなみに、プランジャーの位置が違うのでセレクターの互換性もありません。大抵はレシーバーを買うと付いてきますが、付いてこなかった場合は別途購入する必要があります。

ガスブローバックガンの場合、グリップはその内側からレシーバーに直接ネジで固定されます。角度も関係ないので、角度の立ったグリップもそのまま使用できます。

外見上、一番グリップの融通が利くのがガスブローバックガンです。

まとめ


グリップは本当に好みが出るものなので、なるべく好きなものを使ってほしいのですが、電動ガンの場合は選択を誤ると銃にダメージを与えることがあるのが難点です。できるだけ信頼のおけるきちんとしたメーカー品を買うことをおすすめします。

実銃のAR15の世界では、最近角度の立ったグリップが流行りのため、取り付けたいという方も多いかもしれません。残念ながら電動ガンではそれができるものは少なく、一部の専用品を使うか、PTWの場合は実銃用を加工するか(しかも全てではありませんし、加工は極めて難しい部類に入ります)しかありません。

夏場限定になってしまいますが、そういう好みに合わせたセットアップを楽しむために、ガスブローバックM4を買うのもいいかもしれませんね。

2016年10月12日水曜日

M4カービンのカスタム - バッファーチューブ編(その2)

つづきから


では、残りを紹介してしまいましょう。

3. ガスブローバックガン用バッファーチューブ


ガスブローバックガンのバッファーチューブは、そもそも機能が実銃と同じなので、構造や取り付け方法も実銃と同じです。
ただし、メーカーによってネジの寸法が異なっているので、注意する必要があります。

3.1 実銃規格


読んで字のごとく、実物のバッファーチューブと互換性のあるサイズです。
WA、2015年モデル以降のVFC、WEはこの規格です。

3.2 初期VFCサイズ


VFCの初期のモデルはややチューブが細く、ミリネジになっているため、実物のバッファーチューブは使用できません。

3.3 KSCサイズ


M31×P1.5のネジを使用したチューブです。やはり実物のバッファーチューブは使用できません。
KSCは初期型と現行型で寸法の違う場所が多く、バッファーチューブもネジのピッチは同じものの、互換性が無いようです。サードパーティ製の部品もないので、純正品をそのまま使うことになります。

3.4 マルイMWSサイズ


マルイのM4 MWSも実物のバッファーチューブとは互換性がありません。ネジ部がやや細く、併せてレシーバーのネジ穴も狭いため、交換するにはリタップが必要です。
いくつか互換性のあるサードパーティ製の部品が発売されているので、交換する場合はそちらを使います。

4. SYSTEMA PTW用バッファーチューブ


SYSTEMA PTWには、ネジという意味では実物のバッファーチューブがそのまま取り付けられます。しかし、配線の逃がしがないため、実際は使用できません。加工が必要です。
実物バッファーチューブに変更する場合、バッテリーの格納には要注意です。後ろから交換できなくなってしまうので、テイクダウンしてのバッテリー交換になりますし、配線の引き直しも必要になります。チューブの後ろを切り落とす手もありますが、強度が落ちるので、止めた方がいいでしょう。

まとめ


エアガン特有の構造の違いで、各社互換性が無い状態です。ストックを交換するだけならチューブを交換する必要もないのですが、質感が気に入らないとか、バッテリーが入らないとかの理由で交換する場合は、自分の持っているロアーレシーバーにきちんと対応しているかどうかを確認してから購入するようにしてください。
特に、MAGPUL UBR等の専用チューブを必要とするものの場合は、対応した製品が発売されていない限り使用することはできません。